LOW IQ 01は怖い? 優しい?
──お二人から見た市川さんはどういう方ですか?
フルカワ 僕は怖かった。客として観に行ってたときからとにかく怖かった(笑)。
──お客さんとして観に行っていたのはSUPER STUPIDのライブ?
フルカワ はい。SUPER STUPIDとしてステージに立ってるときはもちろんなんですけど、ステージ袖でほかのバンドのライブを観てる姿にもオーラがあったし、威圧感があって。眉毛も細かったし(笑)。自分がドーパンを始めて打ち上げとかで一緒になってもあんまりしゃべれなくて。自分がファンっていう気持ちもあったし、界隈で一番年長者だし。だからこんな距離感になったのは本当に最近で。実際の市川さんはめちゃくちゃ優しいです。こんな僕にも気を使ってくれるし。
LOW IQ 01 気を使わない先輩もいるわけ?(笑)
フルカワ いやいや、そうじゃないですけど(笑)。「俺が俺が」じゃないと言うか。そういう人じゃないとこの年齢までステージに立てないなっていうのは一緒にやってて感じますね。すごく参考になるし、勉強になります。
DAZE 僕は10年前くらいに、新木場STUDIO COASTのイベントにfamがオープニングアクトで出たときに初めてイチさんと競演して打ち上げはBACK DROP BOMBとかMARS EURYTHMICSとか先輩ばっかりだったんですけど、そのときイチさんが「今日はありがとね」って声をかけてくれたんです。そのあとハスキンで一緒になったときにも気を配ってくれたし、いつもフランクに話しかけてくれる先輩という印象ですね。あと楽屋にイチさんがいるとすごくにぎやかになるので、楽しくて優しい先輩。
フルカワ なるほどね。「おっかない」っていう印象は1回もないんだ?
DAZE ないですね。
フルカワ 世代かな(笑)。
楽しさが充満するLOW IQ 01のライブ
──フルカワさんとDAZEさんは、LOW IQ 01の楽曲やライブの魅力はどういうところにあると思いますか?
フルカワ いっぱいあるけど、一番はメロディでしょうね。一緒にやるようになって初めて気付いたんですけど、市川さんの曲って使ってるコード進行はそんなに変わらなくて。でも曲が全然違って聞こえるんです。それはメロディが多様だからなんだろうなと。
DAZE 僕はライブからもCDからも共通して感じるんですけど、イチさんの音楽には楽しい雰囲気が充満してるイメージがあって。自分が練習するために聴くだけでも楽しくなるんですよね。僕いろんなバンドをやってるんですけど、イチさんのライブが一番楽しそうな雰囲気がする。お客さんも楽しそうだし。
LOW IQ 01 DAZEは最高ですよ。すごい速いビートをニコニコしながら叩いてるから、お客さんもそれに惹かれるみたいで、「DAZE、すごくいい。ニコニコしながらシンバル割る勢いで叩いてる」って言われてました(笑)。
──「3人でいるだけでも楽しい」とおっしゃっていた3人だからこそ、ライブでは余計にその楽しさが出せるんでしょうね。
LOW IQ 01 この2人はそれぞれバンドをやってきた人たちだし、もともといたバンドを離れた経験がある人たち。僕もそうだし。そういうメンバーの集まりだから、バンドメンバーとして口で言わなくてもグルーヴの大切さはわかってるんですよね。それでいて、僕は自分のプロジェクトに関わってくれてる人ってそれぞれソロプレイヤーだと思っていて。昔は逐一、細かいところまで指示してたんですよ。「勝手にフレーズ変えないで。ここはこうして」みたいな。でも今は「なんならバンバン変えて」って言ってます。そういう意味で、このバンドはちょうどいいバランスで個性がぶつかり合ってるような感じがしていて。だから楽しいんだと思います。
皆まで言わなくてもわかっているメンバー
──今市川さんもおっしゃいましたけど、3名共もともといたバンドを離れた経験がありますよね。そういう3人が一緒にいられるのってどうしてだと思いますか?
LOW IQ 01 2人とも自分のバンドをやっているのは大きいんじゃないかな。いい距離感を保ててると言うか。その距離感のおかげでいい色気も出るし。まだ若い同世代の3人とかだったら「デッカくなって、フェスにも出まくって!」みたいな野望を持っていると思うんですけど、いろんなことを経験して、皆まで言わなくてもわかっている人たちだから。「チームワーク大事にしていくぞ!」とか言わなくても合うとか。そういう関係なのがいいんじゃないかな。
──なるほど。ちなみにフルカワさんはDOPING PANDAでも、現在やっているフルカワユタカ名義のバンドでも、ご自身はフロントに立つ役回りだと思いますが、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSはフロントではないですよね。その違いはご自身にどういう影響がありますか?
フルカワ 楽しいですよ。だって(LOW IQ 01は)大フロントマンじゃないですか。だからギタリストとしてのセーブとかまったく必要なくて。むしろ「もっと来い!」って言われるし。フロントマンにはフロントマンのプレッシャーがあるので、フロントじゃないからこその楽しさがあるなと。もちろんちゃんと準備していったうえでですけど、すごく楽しませてもらってます。
──DAZEさんはさまざまなバンドをやられている中で、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSだからこそ意識していることはありますか?
DAZE さっきイチさんも言ってましたけど、コーラスがいっぱいあるので、そこは意識してますね。僕もこんなにコーラスを添えるバンドはほかにやってないので。LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSのライブの前は、ボーカルと同じくらい喉の潤いとか気にして生活してます。
LOW IQ 01 ボーカルの俺が一番、喉のケアとかしてない(笑)。
遅刻しないところがいい
──5月18日から始まる「LOW IQ 01 LIVE TOUR 2018」はどんなツアーになりそうですか?
LOW IQ 01 いいグルーヴを出していきたいですね。あ、1つ言い忘れてたことがあって、このバンドのいいところとして、遅刻してこないというのがあります。これ、けっこう僕の中で大前提なんですよ。
フルカワ 確かに市川さんは時間に厳しいですね。
LOW IQ 01 ハラハラするのが嫌なんですよ。もう大人だしさ。この2人はちゃんと10分前にいるから、その時点でグルーヴが合う。過ごしやすい理由の1つはそこですね。
──重要なポイントですね。
LOW IQ 01 うん。で、今回のツアーはTHE RHYTHM MAKERSでやったことない曲とかもやりたいなと思っています。……ので、早めにセットリスト出すね。
フルカワ・DAZE お願いします。
LOW IQ 01 なんなら「この曲やりたいんだけど」っていうリクエストがあれば受け付けますので(笑)。「この曲は外せない」とか。
──フルカワさん、DAZEさんはどんなツアーにしたいですか?
フルカワ このメンバーで去年初めてツアーを回らせてもらって。それで“バンド”になった感じがしたんですよ。なんか気持ちも入ったし、すごく勉強にもなった。それを経ての今回なので、さらに得るものがあったらいいなと思います。あと東名阪の3本はLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS +の形態で、忍さん(渡邊忍[G, Cho / ASPARAGUS])が入るので、個人的にはそれもものすごく楽しみ。+の形でフェスにはちょこちょこ出させてもらってるけど、ツアーを回ったことはないので。
DAZE 今までのTHE RHYTHM MAKERSで一番長いツアーなので、楽しんで過ごせたらいいなと思います。楽しい出来事が絶対あると思うので。
LOW IQ 01 ユタカ、TOSHI-LOWになんて言われたんだっけ?
フルカワ このTHE RHYTHM MAKERSに入るとき……2年くらい前ですかね。市川さん、もう少しで活動20周年なんですけど、TOSHI-LOWさんに「20周年終わるまでお前が支えろ」と。なので、それもちゃんと心に留めながらやってます。
LOW IQ 01 20周年を迎えるの来年だからあと1年なんだよな。終了した瞬間に「はい! 終わりました!」って言われたら笑うな(笑)。
フルカワ そんなことはないです!(笑)
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LOW IQ 01ソロインタビュー
- LOW IQ 01「Shine」
- 2018年5月18日発売
-
[CD]
1000円※ライブ会場限定販売
- 収録曲
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- Shine
ほか全2曲収録
LOW IQ 01「LOW IQ 01 LIVE TOUR 2018」
- LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
-
- 2018年5月18日(金)
- 千葉県 千葉LOOK
- 2018年5月20日(日)
- 茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年5月26日(土)
- 埼玉県 西川口Hearts
- 2018年5月27日(日)
- 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
- 2018年6月3日(日)
- 香川県 高松TOONICE
- 2018年6月5日(火)
- 広島県 広島セカンド・クラッチ
- 2018年6月6日(水)
- 福岡県 Queblick
- 2018年6月8日(金)
- 京都府 LIVE HOUSE GATTACA
- 2018年6月17日(日)
- 静岡県 Shizuoka UMBER
- 2018年6月22日(金)
- 栃木県 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2018年6月23日(土)
- 宮城県 HooK SENDAI
- 2018年6月24日(日)
- 福島県 clubSONICiwaki
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- 出演メンバー
- LOW IQ 01(Vo, B) / フルカワユタカ(G, Cho) / DAZE(Dr, Cho / fam、THE FIREWOOD PROJECT、The Yasuno N°5 Group)
- LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS +
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- 2018年6月14日(木)
- 愛知県 CLUB UPSET
- 2018年6月15日(金)
- 大阪府 Shangri-La
- 2018年6月26日(火)
- 東京都 渋谷CLUB QUATTRO
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- 出演メンバー
- LOW IQ 01(Vo, B) / 渡邊忍(G, Cho / ASPARAGUS、Noshow) / フルカワユタカ(G, Cho) / DAZE(Dr, Cho / fam、THE FIREWOOD PROJECT、The Yasuno N°5 Group)
- LOW IQ 01(ロウアイキューイチ)
- 十代の頃から数々のバンドでベース、ボーカルなどを担当。アポロスのSax奏者、會田茂一(EL-MALO、FOE、ATHENS)とのアクロバットパンチを経て、1994年にパンクロックバンドSUPER STUPIDを結成する。1996年にアルバム「WHAT A HELL'S GOING ON」でメジャーデビューを果たし、精力的な活動を展開した。1999年にSUPER STUPIDが活動休止すると同時に、ソロ活動を開始。2007年1月発売のミニアルバム「THAT'S THE WAY IT IS」で、ソロ名義でもメジャーデビューした。2009年にはソロ活動10周年を記念し、彼の名曲をさまざまな世代のアーティストがカバーしたトリビュートアルバム「HELLO ! LOW IQ 01」が発売され、2010年には自身の愛する名曲カバーをコンパイルしたアルバム「MASTERPIECE MUSIC MAKES LOW IQ 01」もリリースされた。2014年にソロ活動15周年を記念し、アルバム「Yes,LOW IQ 01」を発表。2016年には自主レーベル「MASTER OF MUSIC」を立ち上げ、LOW IQ 01、渡邊忍(G, Cho / ASPARAGUS)、福田"TDC"忠章(Dr / FRONTIER BACKYARD、SCAFULL KING)、日向秀和(B / ストレイテナー、Nothing's Carved In Stone)からなるLOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERSとしてミニアルバム「THE BOP」を、2017年にはLOW IQ 01名義のニューアルバム「Stories Noticed」をリリースした。ライブではサポートメンバーを従えたバンドスタイルのLOW IQ 01 & MASTER LOW、DAZE(Dr / COUNTRY YARD、fam、THE FIREWOOD PROJECT、The Yasuno N°5 Group)とフルカワユタカ(G, Cho)を迎えたLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSなど、さまざまな形態でのパフォーマンスを行っている。
- フルカワユタカ
- 1997年にDOPING PANDAを結成。2000年に初の音源となるシングル「Dream is not over」をリリースし、2005年にアルバム「High Fidelity」でメジャーデビューを果たす。個性的なダンスロックサウンドで多くの音楽ファンの注目を集め、4枚のアルバムをリリースして全国各地の夏フェスを席巻した。2012年4月に開催したワンマンライブを最後に解散し、以後はソロ活動を本格始動。2013年11月に初のソロアルバム「emotion」をリリースした。2015年10月にミニアルバム「I don't wanna dance」、2017年1月に2ndフルアルバム「And I'm a Rock Star」、2018年1月に3rdフルアルバム「Yesterday Today Tomorrow」を発表。2018年に音楽活動20周年およびソロ活動5周年を迎え、6月にフルカワユタカ feat.原昌和(the band apart)名義の新作シングル「ドナルドとウォルター」をリリースする。
- DAZE(ダゼ)
- 千葉県出身のドラマー。2005年にfamのメンバーとして音楽活動を始めた。2011年のfam解散後、HARDCORE FANCLUB、The Yasuno N°5 Groupなどのドラムを担当。HUSKING BEE、COUNTRY YARDなどのメンバーを経て、現在は、再始動したfam、the firewood projectのメンバーとして活動するほか、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSでもサポートドラマーを担当している。