音楽ナタリー PowerPush - カメレオ

いざ47都道府県行脚へ!ツアー前に放つ入魂の「デビルくん」

お前らなんかロックじゃねぇ!!

──カップリングの「Thanks 2014」についても聞かせてください。

Takeshi(Dr)

Takeshi これは「デビルくん」と対になるイメージで作っていきましたね。

──「Thanks 2014」も「デビルくん」と同じように、頭の部分はデジタル色が強めなサウンドが印象的ですよね。でも中盤からサウンドが変化して、ロックな面が前に押し出されてくるというか。

Takashi 「デビルくん」のほうでは生のギターを控えめにしたので、こっちでは、生のギターを生かすようにしたんです。

Daisuke 「Thanks 2014」は、縦ノリを意識してプレイしましたね。ベースのフレーズが前に出てくるところに合わせて、ギターも強めに弾いたんです。展開がすごく激しいので、かなり緻密なタブ譜を作って構成を頭に叩き込みました。展開のすさまじさがこの曲の魅力だと思います。

Kouichi 既存の定義にとらわれない、トリッキーな構成を狙って作った曲でもありましたからね。

Takeshi 最近はこういう複雑な曲調もカメレオの個性になってきている気がします。この曲はKouichiとTakashiの共作でもあるんですけど、Takashiが打ち込みで作ってくるドラムがとにかくむちゃくちゃなんですよ。音の銃弾みたいになってますからね、この曲のドラム(笑)。僕がパンクキッズ時代に叩いてたフレーズを取り入れたんですけど、難しかったですね(笑)。でも「デビルくん」との対比も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。

──この曲の歌詞もKouichiくんが書いていますね。

Kouichi はい。この曲は2014年に起ったことを歌詞にしたんです。

──「とあるバンドマンに言われたよ『お前らなんかロックじゃねぇ!!』」も事実ですか?

Kouichi リアルです(笑)。

──ちなみに誰に言われたんですか?

Kouichi まあまあまあ(笑)。

Takeshi 名前は伏せますが、飲みの席でけちょんけちょんに言われたんです。

──でも、それがあったからこそこの歌詞が生まれたわけですし、その人に感謝ということで(笑)。その部分を重めのロックサウンドにしてるのも、シニカルでいいですよね。

HIKARU. はい。そこは狙いました。

たまにはストレートなラブソングを

──そして通常盤の3曲目には「結末の見えない映画のように」が収録されています。

HIKARU. これは最初に話した、「5人ボーカル曲とは真逆な硬派な楽曲」を目指して作った曲ですね。ミディアムテンポの歌モノではあるんですけど、奇をてらわず純粋にいい曲を作ろうと思って作りました。4月にリリースされるシングルだし、桜をテーマにしたラブソングを書いてみようかなと。今までもラブソングを作ってきましたけど、どこか歌詞の内容がひねくれていたんですよ。でも、だいぶ “普通じゃないバンド”っていう個性も浸透してきたし、たまにはこういうストレートなラブソングがあってもいいんじゃないかなと思って。万人に好きになってもらえるバラードになったと思います。

Daisuke(G)

Takashi ギターで桜を意識したフレーズも入れましたからね。

Daisuke 最初はピアノメインの曲だったんですけど、アコースティックギターを入れて。それによって音に奥行きが出たと思いますね。

Takeshi 僕は、「攻撃力9、繊細さ1」のドラマーなのでこういう曲はすごく苦手なんですけどがんばって叩きました。

HIKARU. 実はドラムでゴースト(ノート)的な音が欲しくてデモでそういう音をいっぱい入れたんですけど、Takeshiには完全に無視されましたね(笑)。

──あははは(笑)。「結末の見えない映画のように」はゴーストが自然と入ってくる感じのニュアンス重視の曲調ですもんね。

Takeshi そうなんですよね。なので、今、ライブに向けてそのニュアンスを勉強中です(笑)。

Kouichi ベースは、ひさびさにベーシストっぽいベースを弾いたなっていう印象でしたね。

──確かにベースはすごくメロディアスですよね。

Kouichi そうなんです。こういう曲こそ“動く”ベースラインが生きますからね。というか、カメレオは突飛な楽曲が多いから、ベース的にはこういうアプローチをする場がなかなかないんですよ。だからこの機会に、こういう曲も作れるバンドだってことを知っていただけたらと思います。ただこの先も異端児としてのスタンスは忘れずに、音楽はもちろん、音楽以外のフィールドでもそこを生かしていきたいですね。バラエティ番組「カメちゃんねる」を配信したり、ボランティア活動をしたり。今後もバンド活動だけに収まらず、いろんなことに挑戦できるバンドでいたいです。

未来につなげられるツアーに

──4月10日からは47都道府県ツアーが始まりますが意気込みを聞かせてください。

Takashi(G)

Takashi カメレオの音を通して、全国に笑顔を広げていけるようにがんばってきたいと思いますね。

Takeshi 去年22カ所ツアーで回って各地で「こんなにもたくさん待っていてくれた人たちがいたんだ」ってことを確認できたので、今回はまたその人たちに会えるという楽しみもあるし、新しい人たちとの出会いも楽しみですね。1本1本を大事に、未来につながるようなライブをしていけたらなと思います。みんなに求め続けてもらえるようなバンドになるための全国ツアーにできたらと思ってます。

Daisuke こんなに長期のツアーは初めてなので、どの会場でも僕たちの魅力が伝わるように、毎回ベストなライブができるようにがんばってきたいと思います。

Kouichi スケジュール的にかなりタイトだったりもしますからね。ファンの皆さんともしっかり向き合って、メンバー内の絆も見つめ直しながら、1本1本を大切にできたらと思います。音楽をやっていなかったら、こうやって47都道府県を旅することもなかったと思うので、機材車の中に「音楽やっていなかったらここには来れなかった」って紙に書いて貼っておくことにします。今の環境にいつでも感謝できるように。

HIKARU. バンドも結成から3年経ったので気を引き締め直して、全国で真剣にふざけてこようかなと思ってます。自分で言うのもなんですが、最近ちょっと落ち着いてきちゃってるんじゃないかと思うので、このツアーで初心を思い返してとことんキレまくってこようと思います。台風みたいに全国を引っ掻き回して、爪痕残してきます! 「デビルくん」と「5 BEST」をしっかり聴いて、楽しみにしていてほしいですね。

ニューシングル「デビルくん」2015年4月1日発売 / DANGER CRUE RECORDS
初回生産限定盤 [CD+DVD] / 1620円 / DCCL-183~184
通常盤 [CD] / 1296円 / DCCL-185
初回生産限定盤CD収録曲
  1. デビルくん
  2. Thanks 2014
初回生産限定盤DVD収録内容
  1. デビルくんMusic video
  2. デビルくんMusic videoメイキング
通常盤CD収録曲
  1. デビルくん
  2. Thanks 2014
  3. 結末の見えない映画のように
  4. カメトーク
カメレオ

HIKARU.(Vo)、Daisuke(G)、Takashi(G)、Kouichi(B)、Takeshi(Dr)からなるヴィジュアル系バンド。2012年1月より活動をスタートさせ、同年3月に1stシングル「捏造ピエロ」を、6月に1stミニアルバム「新宿」を発表する。それぞれのパートは決まっているものの、5人全員がボーカルをとる楽曲を発表したり、ライブでもダンスパフォーマンスをしたりと枠にとらわれない形で活動中。2015年1月には5人ボーカル曲のみをまとめた異色のベストアルバム「5 BEST」をリリースした。同年4月にシングル「デビルくん」を発表し、同月よりバンド初の47都道府県ツアーを開催する。