5人組メンズアイドルグループiN:Codeが1stシングル「もう好きじゃないから」をリリースした。
iN:Codeは2022年9月にステージデビューし、「in my case(自分の場合は)」というコンセプトを掲げて活動している5人組メンズアイドルグループ。文字を見るだけでは意味を読み取りにくいコンセプトだが、そこにはいったいどんな思いが込められているのか? ほかのメンズアイドルと比べてどんな特徴を持ったグループなのか? CDデビュー作にして別れを歌った楽曲「もう好きじゃないから」について紹介してもらいつつ、5人に話を聞いた。
取材・文 / 小林千絵撮影 / つぼいひろこ
「大変だったらすぐ辞めちゃおう」と思っていた
──音楽ナタリー初登場ということで、まずは1人ずつ自己紹介をお願いします。
そうた 水色担当のそうたです。特技は手を使わずに頭皮を動かすことです!
てんま 黄色担当、てんまです。とにかくごはんを食べることが大好きです!
りょうま 青色担当のりょうまです。特技じゃないですが、チャームポイントはファンデーションなどを何も塗っていないこの肌です。
るか 白色担当のるかです。運動が得意で、10年以上ずっと野球をやっていました。ポジションはピッチャーでした。
いめ 赤色担当、いめです。コーラが大好きで、ポメラニアンも好きです。よろしくお願いします!
──皆さんがアイドルを目指したきっかけ、表舞台に立ちたいと思ったきっかけを教えてください。
そうた 僕は大学生の夏休みに暇をしていて……(笑)。もともとアイドル文化が好きで、いろんなライブを観に行ってたんですよ。そんな中、友達に「面接に行くから一緒に来てほしい」と言われてついていったら、それがアイドルのオーディションで、自分だけ受かっちゃったんです。正直、当時は「大変だったらすぐ辞めちゃおう」と思っていたのですが、始めてみたら楽しくて今に至ります。
──もともとアイドルが好きだったということですが、理想のアイドル像は?
そうた ビジュアルはもちろんですが、パフォーマンスがしっかりしている人が好きで。特に素敵だなと思うのは、元Berryz工房の嗣永桃子さん。バラエティ番組で面白い一面を見せる一方、ライブでは歌もダンスもすごくて、その切り替えが完璧だったじゃないですか。自分もああいうふうになれたらなと、ももちさんを意識してここまでやってきました。
てんま 僕はアイドルにはまったく興味がなかったんですけど、EXILEさんが昔から好きで。大学入学のタイミングで上京してきたものの、進路を考える中で「働くのは面倒くさくて嫌だな、どうしよう。でも歌ったり踊ったりするのは好きだな」と思って……その結果、今に至ります。ゆくゆくはEXILEさんみたいになるんだと意気込んでいたんですけど、いつの間にかアイドルになってました(笑)。
──「なんとなく」で始まったアイドル活動をCDデビューするまで続けてこられた理由はなんだと思いますか?
てんま なんなんですかね。活動しているうちに目標ができたからかもしれないです。武道館でライブをしたいという思いがあったり。個人的にもやってみたいことがいろいろあるし、そういうものがモチベーションになっているんだと思います。
社会人野球からアイドルへ
りょうま 自分もグループでの活動を始める前、本当に暇で……友達の誘いでアイドル活動を始めた感じです。僕も「嫌だったらすぐ辞めたらいいや」と思っていたんですけど、結果的に続いてますね。
──りょうまさんが活動を続けられている理由は?
りょうま 綺麗事を言うわけじゃなく、やっぱりファンの存在ですね。ファンのみんながいるから続けられています。
るか 僕はずっと社会人野球をやっていたのですが、怪我をして続けられなくなってしまったんです。野球はできなくなったけど、いわゆるサラリーマンのような仕事はしたくなかった。そんなとき、僕はアイドル、特にジャニーズが好きなので、同じような活動をやってみたいなと。
──それまで歌やダンスの経験はなかったんですか?
るか はい。なので、特に歌に関してはかなり苦労しています。でも、ダンスは体を動かすという意味で野球と共通しているところがあると思っていて。もともとダンスは観る側として好きだったので、自分でやっているうちにだんだん表情のつけ方とかがわかってきました。
いめ 僕はもともと、なにわ男子のオタクをしていまして。就職して普通に働いてたんですけど、毎日同じことの繰り返しが嫌だな、新しいことをやってみたいなと思っていたときに今のプロデューサーさんから誘われて、このグループでの活動を始めました。
──なにわ男子のどういうところに魅力を感じていますか?
いめ (前のめりに)全部です! カッコいい曲のときはすごくカッコいいし、明るい曲のときはすごく明るく楽しませてくれる、理想のアイドルですね。
個人の目線で思いを歌う
──iN:Codeのコンセプトは「in my case(自分の場合は)」とのことですが、どういう意味なのか具体的に説明していただけますか?
そうた 世の中にある曲って“みんな”のこと、共感されるような一般的なことを歌っているものが多いように感じているんです。でも、1つの物事に対しての捉え方や考え方は個人個人で違う。そういうふうに、個人の目線でいろんな思いを歌ってみようというのがiN:Codeのコンセプトです。「自分の場合はこうです」「私の場合はこうです」という個々の気持ちを、曲やパフォーマンスで表しています。
るか iN:Codeはメンバー同士でそれぞれの考えを話し合うことが多いんです。
りょうま 月に1回は必ずそういう時間を持つようにしています。
そうた 「最近どう?」から始まって、「この間のライブは集客があんまりよくなかったから、次は告知を強化しよう」とか、今後の活動に関する真剣な話もしますね。
てんま 「in my case(自分の場合は)」というコンセプトのおかげか、曲名や歌詞に僕たちならではのオリジナリティが出ているように感じています。ほかのグループとの差別化が自然とできているなって。
そうた 個人的にはiN:Codeの音楽を表現するうえで語彙は必要ないと思っていて。「なんか楽しい」「なんか元気が出る」とか、聴いた人のそういう気持ちを大事にしたいと思っているんです。自分が大好きなハロー!プロジェクトさんの曲もコンセプトが複雑でわけわからないというか……言葉で表しにくい曲が多いんですよね。個人的な意見ですよ?(笑) でもそれがいいなと感じているので、僕たちもそういうグループになれたらと思っています。
──キャリアもモチベーションもバラバラだった5人が集まって結成されたiN:Codeですが、結束力が高まった瞬間や、活動に対する自身の気持ちが変わったタイミングなどはありましたか?
りょうま グループが結成されてから、ライブがなくてもレッスンをしていたり、レコーディングのお仕事があったりして、友達や家族よりも長くメンバーと一緒にいるんです。だから、何かのタイミングで結束力が強くなったり、モチベーションが変わったりしたというよりは日々の積み重ねですね。
そうた 僕はこのCDリリースが決定したことが大きくて。1stシングルがリリースされることが決まってから、それまで以上にメンバー同士でミーティングをするようになったし、グループのことを考える時間が多くなった。結束力が高まったのもそのあたりからかなと感じています。正直それまでは、自分たちはただのメンズ地下アイドルだという認識だったんですけど、CDデビューが決まったことで「芸能界でがんばっていくんだ」という意識、覚悟を持てました。
るか 僕もそうですね。芸能界で戦っていくためには、今よりももっと本気で活動に向き合わなきゃいけない。CDデビューが決まって意識が変わったと感じています。
てんま 自分もCDのリリースが決まったことが大きいかな。それに合わせてTikTokも始めたし、活動をいろんな方向に広げていこうというモードになっていて。グループ全体がいい方向に向かっているような気がします。
いめ 僕はこのグループで活動を始めるまで、仲間と何かを一緒にやるという経験がなくて。iN:Codeがステージデビューするまでメンバーとレッスンしていた期間は活動に対する実感があまりなかったんです。でも2022年9月にデビューしたとき、そこで初めてメンバーに対して「あ、これからはずっと一緒にいる仲間なんだ」と思えました。
次のページ »
吹っ切れてバカになる