池内ヨシカツ×ChargeSPOT|大野雄大、竹中雄大、川畑要とのコラボを振り返る (2/2)

大先輩・CHEMISTRY川畑要との制作

──そしてCHEMISTRYの川畑要さんが参加した「Rendezvous」は、シティポップのテイストを取り入れた楽曲です。川畑さんとも以前からつながりがあるんですか?

はい。僕は俳優の塚本高史くんとYouTubeチャンネルをやっていて。そのチャンネルに川畑さんがゲストとして出演したことあったんです。そのときに紹介してもらったのがきっかけで、今回のプロジェクトへの参加も快諾してくださいました。楽曲に関しては、川畑さんから「CHEMISTRYではやっていないテイストの曲がいいです」という話があって、いろいろ考えてみて今の楽曲の世界観がいいかなとなりました。

──川畑さんとのレコーディングはどうでした?

もちろん大先輩なんですけど、川畑さんのほうから「こういう感じで大丈夫ですか?」「ここは直したほうがいいですか?」と歩み寄ってくださって、こちらがディレクションしやすい環境を作っていただきました。CHEMISTRYはずっと聴いてきたし、川畑さんと一緒に制作できたのはいい経験になりましたね。

どこを切り取っても絵になるMVを目指して

──「さあ」「Lonely」のミュージックビデオが公開されましたが、見どころや制作エピソードを教えてください。

すべてのMV制作のプロデュースを自分で行ったのですが、ストーリーや構成などいろいろと大変でした。どこを切り取っても絵になる映像にしたいと思い、そのためにはどのような構成が必要なのか考えましたね。自分自身こだわりが強いこともあり、細かい部分まで作り込んで、撮影チームや制作メンバーには苦労かけました。でも、みんな「いい作品を作りたい」という思いは一緒だったので、結果的にとてもいいMVが完成しました。

音をパズルみたいに組み合わせる

──池内さんご自身のキャリアについても聞かせてください。先ほども話に出ていましたが、キャリアのスタートはEDMですよね。

最初はダンスミュージックですね。10代の頃からDAWで楽曲制作はしていたんですけど、本格的に音楽活動を開始したのは2010年代の前半にロサンゼルスに行ったのがきっかけです。その後、Spinnin' Records (EDMシーンをリードしていたオランダのレーベル)のオーディションで2位になって、そこからいろんなレーベルからオファーをもらうようになりました。

──なるほど。当時からJ-POPなどの歌モノも聴いていたんですか?

もちろん。流行っているJ-POPは基本聴いてました。当時からシンセサイザーでいろんな音色を作るのが好きで、自分の好きな音色を集めてはパズルみたいに組み合わせて遊んでました。「この音とこの音を重ねて曲を作りたいけどうまく混ざらないな……」みたいな挫折を何度も感じながら作曲をしてましたね。「Music Charge」の3曲もそうですけど、自分の好きなエッセンスだったり、いろんなジャンルのテイストを落とし込んでいきたいと思っています。

池内ヨシカツ
池内ヨシカツ

音楽の新しい可能性を求めて

──映画「怒り」の劇中歌をはじめ、池内さんは映画音楽も数多く手がけていますね。

映画自体は以前から大好きだったんですけど、自分が映画音楽に関わるようになるとは思ってなかったです。映画「怒り」の劇中歌を手がけたことをきっかけに多くのオファーをもらうようになりましたね。実際に制作していく中で「こんなに奥が深いんだな」と実感して。特定のジャンルにこだわっているわけではなくて、ダンスミュージック系のインスト曲も好きだし、映画音楽、歌モノにも興味があります。幅広いフィールドで自分の音楽を聴いてもらえるようになることを目標にしているので、いろいろなプロジェクトを通して、音楽の新しい可能性を見つけられたらいいなと思っています。

──今回の「Music Charge」も、池内さんご自身の活動の幅を広げるきっかけになりそうですね。

そうですね。「Music Charge」は“大型タイアップ”という印象を持たれているようなのですが、実はかなり少人数で進めたプロジェクトなんですよ。楽曲に参加してくれたアーティストは僕が直接連絡を取って、ChargeSPOTサイドとの打ち合わせにも参加して進めていきました。これからも音楽とのコラボで相乗効果を生めるようなプロジェクトを仕掛けたいですね。僕は作曲家 / 作詞家という仕事をしていますが、遊びの延長で作業することが多いんです。「めっちゃいい曲できた!」とアーティストに音源を送ったら、向こうも「歌いたい!」となって一緒に音楽を作っていくことが多いので、これからもそんな感じで楽しく制作をしていけたらいいなと思ってます。

──池内さんご自身の今後の活動については?

今手がけている映画音楽もあるし、ほかにも多くのプロジェクトを同時に進めているので2024年はいろんな発表があると思います。もちろん「Music Charge」の第2弾もやります!

池内ヨシカツ

プロフィール

池内ヨシカツ(イケウチヨシカツ)

作曲家 / 音楽プロデューサー。作曲家である叔父の影響で幼少期から音楽作りを始め、その後自身の名義で楽曲配信を行い、本格的にキャリアをスタートさせる。日本アカデミー賞で優秀作品賞を含む12の賞を獲得した映画「怒り」の劇中歌をはじめ、ソフトバンクのCMソングなどの作曲を担当。MBSラジオ「池内ヨシカツ our sound」のパーソナリティや地元・京都の観光大使を務めるなど幅広く活動を続けている。

2024年3月11日更新