ナタリー PowerPush - Droog

大分発・本能のパンクロック ついにメジャーシーンへ進出!

嫌いなものは嫌いってちゃんと言いたい

──3曲目の「アハハ」には、「悪魔が爆発して / 町が汚れてって / でも神に憧れて / 人が産んだって / 何を産みだしたの?」というラインがありますが、これは震災後に書いたものですか?

カタヤマ はい。3・11の後、初めて書いた曲です。そこは無視したかったというか、何もなかったように、今までどおりの生活をしていきたかったんです。今までどおり、やりたいことをやろうって。でも、やっぱり違和感があったんですよね。THE HIGH-LOWSでマーシーの曲に「64,928-キャサディ・キャサディ」っていうのがあって、俺、大好きなんですよね。「世界中ヒロシマになり 空がすっかりこわれても / オレは路上を歩いてく いつもと変わらぬ歩幅で」っていう歌詞があって、すげえ影響もされてると思うんです。ジャック・ケルアックの「路上」も好きやし。

──わかります。

カタヤマ まさにそうあるべきやなって思ってたし、俺もそうしたかったんですけど、やっぱり違和感を感じてしまって。これは歌にしなくちゃいけない、と……。社会に対する違和感は、ずっとあるんですけどね。そこを歌いたい、しかも、そのへんに落ちてる当たり前の言葉で歌いたいっていう気持ちもずっとあって。

荒金 震災があったとき、ちょうど東京でこのアルバムの制作をやってたんですよ。なんらかの影響はありますよね、やっぱり。このアルバムでいうと、一番古いのが最後の「狂気の沙汰」で、「LOVE SONG」が一番新しいんですよ。

カタヤマ 新しい順に並んでるんですよね。狙ったわけじゃないんだけど。

荒金 で、4曲目「愛に餓えてんなら 骨にしゃぶりつけ」と3曲目「アハハ」の間に震災が起こって。

──ドキュメントですよね、まさに。「愛に餓えてんなら 骨にしゃぶりつけ」もすごいタイトルですよね。ヒロキ君、好き嫌いがハッキリしてそうだし。

カタヤマ どうやろ?

荒金 ハッキリしとると思うよ。でも、嫌いなものは嫌いって、ちゃんと言いたいんですよね。そうしないと、自分がわからなくなるし。

カタヤマ それが一番怖い。

荒金 何が好きで何が嫌いかを探る、みたいなことはメンバーの間でもずっとやってるんですけどね。

カタヤマ 意識のすり合わせというか。幼稚園の頃からいっしょにいるから、自然とやってる感じなんですけどね。同じヒョウ柄でも、「これはロック、こっちは大阪のおばちゃん」とか(笑)。

荒金 そうそう(笑)。

そんな話より、ロックンロールを聴かせてくれ!

──「犬・犬・犬(ドッグ・ドッグ・ドッグ)」についても訊かせてください。

カタヤマ これ、好きなマンガのタイトルから取ってるんですよ。花村萬月の原作で、さそうあきらが絵を描いてて。多分バブルの頃の話なんですけど、出てくる人たちがみんなどこか狂ってるんですよね。でも、そこに愛を感じるというか……さっきの話と同じで、命削って、極限までいかないとリアルは出てこないと思うし。

──「親父の小言より / パンクロックを聞いていたい」というフレーズがありますが、“退屈な話を聞かされて死にそう”みたいなシチュエーションって、今もあります?

カタヤマ ありますよ! 「親父の小言」って、店のトイレとかによく貼ってあるんですよ。格言みたいなことが書いてあるんですけど。

荒金 「朝こそ、機嫌よく」とか。

右田智弘(Dr)

カタヤマ 「借りた金は使うな」とか。「そんな話より、ロックンロールを聴かせてくれ!」って思うじゃないですか(笑)。極論ですけどね。

──親父の小言にイラッとするって、すごいっすね(笑)。メンバー同士でケンカとかもする?

カタヤマ ありますよ。

荒金 音楽のことでぶつかることもよくあるし。

カタヤマ それ以外のことでもケンカしますけどね、生活態度とか。前は殴りあったことも……。今はないですけどね、解散しちゃうんで。

荒金 レコード屋に行くときも、結構大変で。「どっちが先に見つけるか?」っていう。

──まあ、同じようなレコードを探してるわけですからね。

荒金 そうなんですよ。で、なぜか俺のほうが先に見つけることが多くて。

──それ、一緒に聴けばいいんじゃないですか? 自分で持ってないとダメなの?

カタヤマ ダメダメダメ、絶対ダメ! 昨日もTHE DAMNEDのシングル「PROBLEM CHILD」を(荒金が)先に見つけたんですけど、譲ってくれました。

荒金 ケンカになるのが嫌なんで(笑)。

カタヤマ だから今日、レッドブルおごったんですよ。

──仲が良いのかなんなのかわかりませんが(笑)。「LOVE SONGS」へのリアクションが楽しみですね。

カタヤマ そうっすね。否定されるとやっぱりイラッとするだろうけど、自由に受け取ってほしいです。俺もそうでしたからね。昔のレコードを聴いて、「これはきっと、こういう歌だ」って思ったり、「俺だけの曲だ!」って思い込んだりしてたんで。

荒金 うん、好きなように聴いてもらえれば。

ライブはやったことに対してすぐに反応があって楽しい

──ちなみに最近はどんなのを聴いてるんですか?

荒金 ハードコアが聴きたいんですよね。

カタヤマ DEAD KENNEDYSとか。

荒金 CRASSとかね。

カタヤマ (笑)。掘り下げるのは、まだまだ飽きないですね。

──それがまた、バンドの音に反映されることも……。

荒金 あるかもしれないですね。

カタヤマ うん。アンサーとして。

荒金 それ以外、やり方がわかんないですからね。

──そして8月からは全国ツアーも始まります。

カタヤマ 今までで一番長いツアーやし、行ったことのない場所も多くて。バリバリ気合入ってますよ。

荒金 うん。各地のレコード屋にも行きたいし。

──どこ行っても同じことばっかりしてるみたいですが。

カタヤマ そうっすね(笑)。でも、ライブはいいですよね。アルバムだと作ってから出すまでのタイムラグがあるけど、ライブはそんなの全然ないですからね。こっちがやったことに対してすぐに反応があって、やっぱり一番楽しいですよ。当たり前のことですけどね。

ミニアルバム「LOVE SONGS」 / 2011年8月3日発売 / 2000円(税込) / avex trax / AVCD-38305

  • Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. LOVE SONG
  2. HORROR SHOW
  3. アハハ
  4. 愛に餓えてんなら 骨にしゃぶりつけ
  5. 犬・犬・犬(ドッグ・ドッグ・ドッグ)
  6. 狂気の沙汰
Droog(どるーぐ)

カタヤマヒロキ(Vo)、荒金祐太朗(G)、多田拓斗(B)、右田智弘(Dr)による4人組ロックバンド。メンバー全員大分県別府市出身。小学校6年生のときに原型となるバンドを結成し、2007年よりバンド名をDroogに変更。大分県内のライブハウスを中心に活動を始め、2010年2月にリリースした1stミニアルバム「Droog」は地元タワーレコード大分店で週間総合チャート1位を記録する。その夏「PUNKSPRING」「ROCKS TOKYO」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」「AOMORI ROCK FESTIVAL」「ロッケンロー☆サミット」といった大型ロックフェスに次々と出演。2010年10月に2ndミニアルバム「Violence」をリリースした。2011年にはエイベックスへの移籍を発表し、同年8月にメジャー1stミニアルバム「LOVE SONGS」をリリース。