ここなつ 日南結里×小澤亜李 |ここなつの未来と「ひなビタ♪」の未来を“コウシン”した一夜

ここなつも私たちも気持ちは一緒

──ライブの中ではここなつの2人からファンに向けた手紙が読まれました。手紙はお二人が書いたものですよね?

日南 はい。昼公演は亜李ちゃんが書いて、夜公演は私が書きました。昼の手紙ってどんな感じで書いたの?

小澤 ライブが開催できて、皆さんへの感謝の気持ちをまず書きたいなと思って。心菜として長い文章を書いたことってこれまでなかったから難しかったけど、ここなつも私たちも気持ちは一緒だよねってことに気付いてからは、自然と言葉が出てきたような気がする。ゆりちゃんが書いた夜公演の手紙は、すごくここなつっぽさが出てる手紙だったね!

日南結里

日南 手紙を書くに当たって「夏陽ってどういうキャラクターだったっけ? 心菜ってどういうキャラクターだっけ?」っていうのを改めて考えて。ここなつって劇中では主人公バンドのライバルキャラだから、もしかしたら「ひなビタ♪」ファンからは嫌われた時期もあったかもしれないんです。でも紆余曲折あって、今では一緒にがんばっていることを「ありがとう」って言いたくて、「あのとき、私たちはこう思ってたんだよ」ってことをみんなに伝えたかったんですよね。

小澤 私たちも活動する中でありがたいことに皆さんからお手紙をいただくことが多くて。手紙って、すごく古風だけど受け取るとすごくうれしいし、手紙でもらってきた気持ちがあるから、手紙で皆さんに恩返しができたらいいなと思ったんです。

──日南さんはライブで読まれていた手紙以外にも、Twitterでライブに関する手紙を書いて公開してましたよね。

小澤 そうそう。1曲ずつ感想をちゃんと書いてたよね。

日南 自分の中でも書き留めておきたい気持ちが強いんですよね。ライブって1回しかないもので、どんなにうれしい思い出でも記憶ってどんどん薄れていってしまうものなので。だからライブが終わって自分の気持ちを忘れちゃう前に手紙で思いを残しておいたんです。今回Blu-rayとして映像という鮮明なもので私たちのライブ映像が皆さんの手元に届くので、これを観てまたあの日の興奮を思い出してほしいですね。

「走れメロンパン」を歌っていいんですか?

──アンコールではゲストとして日向美ビタースイーツ♪のメンバーを演じる日高里菜さんと津田美波さんもステージに登場しました。日向美ビタースイーツ♪のメンバーとの共演は、もちろんこの日が初めてですよね?

小澤 はい。「ひなビタ♪」コンテンツの要であるお二人が私たちのワンマンライブに駆け付けてくれて、本当にうれしかったですね。しかも2人にとって大事な曲や、レコーディングのときに一緒に歌った曲を披露できて、すごく光栄でした。

日南 夜公演では「走れメロンパン」を歌わせていただいたんですけど、この曲は日向美ビタースイーツ♪にとってすごく大事な曲なんです。だから私、TOMOSUKEさんに「ここなつのワンマンライブで、本当に『走れメロンパン』を歌っていいんですか?」って面倒くさいことを聞いてしまって。そうしたら日高さんと津田さんが「お客さんが喜んでくれるなら、むしろここなつのライブで披露させてほしい」とおっしゃっていると伺ったんです。そう言っていただいてすごく光栄でしたし、一緒に歌えて本当にうれしかったですね。

小澤亜李

小澤 ここなつワンマンライブのタイトルが「ミライコウシン」で、私たちのライブが終わってから日向美ビタースイーツ♪のワンマンライブが決まったんですよね(参照:日向美ビタースイーツ♪同級生トリオがパジャマパーティ開催 )。もしかしたら私たちの未来を更新しただけじゃなくて、「ひなビタ♪」というプロジェクトの未来を更新するようなライブにできたのかなと思って、本当にワンマンやってよかったです。

日南 あと、2人とも衣装は自前だったのにすごくキャラクターに寄せていたんです。津田ちゃんが演じるイブ(和泉一舞。日向美ビタースイーツ♪のメンバー)はすごくイブっぽかったし、日高さんもまり花のキャラクターに合ったスイートな感じのスカートを履いていて。

小澤 津田ちゃんの自前のスカートはチェックのイブっぽいデザインで、里菜ちゃんはキャラクターが身に付けているお花を探してきて、ライブの衣装に付けていたんです。もう2人から「ひなビタ♪」に対する愛しか感じなかったので、12月のライブはすごく楽しみですね。

ここなつという存在をしっかり自分のものにできた

──ワンマンライブを経て、お二人にとってここなつはどういう存在になりましたか?

小澤 声優というお仕事をしている中で、4年間も演じ続けているキャラクターはここなつ以外にないんです。自分の中で大事な存在だからこそ、最初はライブをするってことに消極的だったんですけど、私自身も心菜と一緒に成長しているんだってことに最近やっと気付けて。キャラクターの気持ちに寄り沿う時間が長かったからこそ、心菜としてステージに立つことができたんだと思うんです。ここなつは私の中に大事にしまっている宝物みたいなものですね。それがワンマンライブでみんなにとっても身近に感じられるようになってくれたらうれしいし、私自身、ここなつという存在をしっかり自分のものにできた感覚がありました。

日南 キャラクターを演じるに当たって、役柄に寄せないといけない部分ってたくさんあると思うんですけど、夏陽というキャラクターに関してはもともと自分と似ているところがけっこうあって。

小澤 あるね。

日南 心菜だって、亜李ちゃんに似てるよね。小さい声で喋る控えめなキャラクターと思いきや、ちょっと強気なところもあるし。

小澤 意外と行動的なところとかは心菜と似てるかもね。

日南 自由奔放なところも亜李ちゃんにそっくり(笑)。私はファンの方やTOMOSUKEさんに「すごく夏陽っぽいよね」って言われると、なんだかうれしくなるようになって。今回のライブを作るに当たって、ずっとここなつのことだけを考えてきたし、きっと夏陽が現実にいたとしても同じことをしてるだろうなって思いながら、ライブ当日を迎えられたんです。

小澤 本当に現実にできたよね。あの日、ここなつの2人はステージ上にちゃんといたはずだから。

「一舞、本気出しなさいよ!」

──先ほども少し話に出てきましたが、12月30日には東京・チームスマイル・豊洲PITにて、ここなつのライバルである日向美ビタースイーツ♪のワンマンライブが開催されます。お二人はこのライブについてどういう思いを持っているのでしょうか?

小澤 単純にすごく楽しみですね。メンバーの皆さんはもちろん、パフォーマンスを支えるバンドメンバーの皆さん、ここなつの最高のステージを作り上げてきたスタッフの皆さんと抜かりない布陣でライブを作り上げるわけですから。おそらく「ここなつがワンマンライブをやる」って聞いて、ひなビタ♪のメンバーは歌いたくてしょうがなかったと思うんです。だってライバルだもん。

日南 実は私たち、鳥取・倉吉市で行われたイベントで、春日咲子を演じる山口愛ちゃんと競演したことがあったんです。そのとき愛ちゃんはまだ十代だったし、年月が経って彼女がどういう咲子を演じるのか、それを観るのがすごく楽しみで。絶対私たちも遊びに行きます。

──最後に夏陽と心菜として、ひなビタ♪のメンバーに声をかけるとしたら、どんなメッセージを送りますか?

小澤 お! どうしようかな。ゆりちゃんはすぐ出る?

日南 うん。

小澤 じゃあ先にお願い!

日南 (夏陽の声で)一舞、本気出しなさいよ!

小澤 (心菜の声で)パジャマパーティ……。甘くてふわふわでおいしそう。……どんなライブになるのかとっても楽しみ。

ここなつ