フェスができるくらいの楽曲制作陣
──雫さんはゲームクリエイターとしても活躍されていますが、「エイムズ」自体についてはどう感じていますか?
大勢のプレイヤーが参加するバトル系のゲームは、ほかのプレイヤーを倒すスキルがすべてなので、殺伐とすることもあって。でも「エイムズ」は、バトルの要素があるけどお金を集めることが目的なので、うまく立ち回れば相手を殺しまくらなくても優勝できるんですよ。FPSやTPSが好きな人だけではなくて、ライト層も取り込めると思うし、すごくポテンシャルの高いゲームだと思います。メンバーも全員やっていて、4人ともアンチを使ってる(笑)。スナイパーのキャラは操作にちょっとクセがあって、最初は難しいんですけど、慣れてくるとめちゃくちゃ強くて。キャラ自体がかわいいし、慣れるための努力も苦にならないというか。もちろん曲もカッコいいし(笑)。
──スナイパー、うまく使えると気持ちいいですよね。
そうですね。アンチは小さい女の子だから、離れた場所からゴリラみたいにデカいキャラを打ち倒すと、めっちゃうれしいんですよ。私も体が小さいから、自分とアンチを重ねているところがあるのかも。本当にいろいろな楽しみ方ができるし、チュートリアル(基本操作の説明プログラム)も簡単だから、普段ゲームをやらない人もぜひダウンロードして、やってみてほしいですね。課金しなくても楽しいけど、もし欲しいアイテムがあったら、運営の皆さんへの応援だと思って課金もぜひ(笑)。
──音楽ファンもすごく興味を持っていると思います。
参加しているアーティストのジャンルも多様だし、このメンバーでフェスができるくらいのラインナップですからね。私たちもひと通り曲を聴かせていただきましたけど、渡辺直美さんが歌ってる曲(「Venus」/ 渡辺直美 produced by 蔦谷好位置)がすごくて。渡辺さん自身のキャラクターのパンチ力がすごいのに、そのうえ歌もうまいなんてずるい!(笑) 私もがんばって、渡辺直美さんみたいにもっと面白くなりたいです(笑)。
“リスナー第一”がポルカドットスティングレイ
──「化身」はポルカドットスティングレイのニューアルバム「何者」にも収録されます。「女神」(MBS / TBSドラマイズム「左ききのエレン」主題歌)、SQUEEZE (ラッコズ、天然水スパークリングレモンとコラボしたマンガミュージックビデオのタイアップ曲)など、驚くほどバラエティに富んだ作品になっていますね。
ライブが少なかったこともあって、ライブ映えを今まで以上に意識しなくなりました。打ち込みの曲もあるし、聴いていて楽しいアルバムになったんじゃないかなと。ジャンルが幅広いので、曲順を決めるのも大変でした。「化身」なんて、始まった瞬間にビックリするような曲なので(笑)。どこに置いても「うわ!」となるからアルバムの最後のほうに置いて、もう1つのリード曲「FICTION」を最初のほうにしました。「化身」と「FICTION」はMVの内容もニコイチになっているんですよ。神風動画とコラボした「化身」のMVは、ポルカドットスティングレイの2.5次元的なところを誇張していて。タイトルが「何者」だし、「ポルカドットスティングレイとは何者か? 雫とは何者か?」ということを示したくて。
──なるほど。タイトルトラックの「何者」もアルバムのコンセプトとつながっているんですか?
「何者」という曲はファンサービスですね。既存の曲の歌詞を意味が通るように、パズルみたいに組み合わせて、ギターのフレーズもこれまでの曲から引っ張ってきて。ずっと聴いてくれてる人は「あの曲のフレーズだ!」という感じで楽しんでくれるんじゃないかなと。私たちはマーケティングして曲を作ることもあるし、今回の「エイムズ」のようにクライアントの方々と話し合って作ることもあって。「気持ちが入ってないんじゃないか?」とか「冷たい人間なんじゃ?」みたいなことを言われることもあるんですけど、全然そんなことなくて、リスナーのこと、お客さんのことを100%考えているんですよ。「何者」は「四六時中、お前のことばかり考えているんだよ!」という曲だし、“リスナー第一”がポルカドットスティングレイなのかもしれないですね。皆さんのことを考えて曲を作り続けてきた結果、これだけ振り幅があるアルバムになったということですよ(笑)。
──「化身」をライブで聴けるのも楽しみです。
私の誕生日に配信したオンラインライブ(10月15日に行われた無観客有料配信ライブ「ポルカドットスティングレイ ポルフェス48 #教祖爆誕 オンライン」)で初解禁したんですけど、難しいから演奏がおぼつかなくて。あとで映像を観たら「全然演奏できてない!」と思って恥ずかしかったです(笑)。メンバー全員が持っているスキルの140%くらい出さないとダメな曲だし、「化身」をしっかり演奏できるようになったら、かなりうまくなると思います。この先もライブでやっていくつもりなので、期待していてください!