2人っきりの部屋で「俺の知らないNAO☆が見たい」って（笑）

──そういう極端な構成と作り方を試してみて、実際にどうでしたか？

TADAHIRO　しっくりきますね。TOSHIYAが出してくる曲には自分はかかわってないけど、単純に仕上がりが楽しみですし、NAO☆が何を歌うんだろうというのも期待するし。メンバー同士でもそういうふうに面白がれるという。

──TADAHIROさんとTOSHIYAさんは歌い手に求めるものも違うのでは？

NAO☆　全然違います。真逆でした。TADAHIROは「NAO☆が出すものでいいから」って言うんです。歌詞にしろ、歌い方にしろ、自分で考えてぶつけてほしいと言う。でも、TOSHIYAの3曲は、歌詞にしてもメッセージ性より言葉の響きを重視していて、聴いて気持ちが良くなってもらえたらいいなという感じで。レコーディングのときに「いつも見られないNAO☆が見たい」って言われたんです。TOSHIYAの家でやってたんですけど、2人っきりの部屋で「俺の知らないNAO☆が見たい」って（笑）。普段、大切な人にしか見せないような雰囲気をニュアンスとして出してほしいということだったんです。でも、どうしても照れてしまう。でもTOSHIYAに「もっといける！」「もっと！」って言われて、やってるうちにフワーッと気持ち良くなって、そういう歌が録れました。

──なるほど。どっちかというとセクシーな方向というか？

NAO☆　そうですね。歌を歌っていて、曲に憑依できた感じがあった。歌っていて違う自分になれるっていうのは、すごく楽しいんです。それを引き出された感じです。

「これ、うちのメンバーが作ったんですよ」って言えるのがいい（笑）

──「ZIG-ZAG」というアルバムのタイトルはいつ決まったんでしょうか？

TADAHIRO　最後ですね。曲が出揃ってからです。

──どういう風にして決めたんですか？

TADAHIRO　降ってきました（笑）。

NAO☆　ホントに一瞬で決めたよね？ 電車の中で「タイトルどうしよう？」って話していたら突然「ZIG-ZAGしかない！」って（笑）。

──これ、曲の並べ方もジグザグなんですよね。前半4曲がバンドで、後半3曲がクラブなんだけれど、最後はもう一度バンドサウンドのパワーバラードになって終わるという。

TADAHIRO　そう。それが「ZIG-ZAG」なんです。

TSUYOSHI　完全に2つに分けるより、それによって面白い組み合わせになってますよね。バンドの成り立ちをそのまま表しているような、うまい着地点になっている。

NAO☆　1曲ずつバンドサイドとクラブサイドを並べてもみたんですけれど、それだと単にバラバラに感じてしまったんで。タイトル自体も、別にカッコつけずに、自分たちが実験段階で両方やっていることを1枚の作品にできたので、「ZIG-ZAG」という言葉が一番ストレートにハマっていると思います。

──なるほど。そう思って聴くと、アートワークもちゃんとバンドのあり方を表現していますよね。このジャケットを見たときにはどう思いました？

TADAHIRO　もう、鳥肌立ちましたね。しかも「これ、うちのメンバーが作ったんですよ」って言えるのがいい（笑）。

ヨダレが垂れるまでやれ！

──2月18日にはワンマンライブ「ZIG-ZAG iZm」が開催されますが、ここに向けてはどんなイメージを持っていますか？

ATSUSHI　いろんな方向に迷ってきた中で、ようやく着地点を見つけたんで、僕らも楽しみなワンマンになると思います。

──演出もかなり凝った感じになります？

ATSUSHI　いや、ライブは結構男くさい感じでやってるんですよ。

TADAHIRO　「こういうライブをやろうぜ」みたいにコンセプトを立ててやったことがないんですよ。TSUYOSHIにも「ヨダレが垂れるまでやれ！」って言うし（笑）。どんな方向でも、小さくまとまったらきっと面白くないだろうし、突き抜ければいいライブになると思う。そういうスタンスでやっていきたいと思っています。