アニメ「喧嘩独学」を“バズレシピ”の料理研究家・リュウジはどう観た?ケンカに勝ちたいならこれを食え、体づくりのお供に最適すぎる一品も伝授 (2/2)

原作が面白いんだから、そのままのアニメ化で面白いに決まってる

──リュウジさんにはアニメ「喧嘩独学」を第4話まで観ていただきましたが、どんな印象を抱きましたか?

かなり原作を読んだときのイメージをそのままアニメ化してくれていますよね。変な演出やオリジナル要素を入れてない。「鬼滅の刃」とかはアニメ化にあたっていろんな演出が足されて、「原作を超えた!」と言う人もいましたよね。「喧嘩独学」のアニメはそういう方向性ではなかったけど、原作の時点でめちゃくちゃ面白いから、そのままアニメ化してくれたら十分面白いに決まってる。まあマンガをアニメにするときに、「そのまま」と感じるふうにするのも難しいんでしょうけどね。

──原作ファンとしても満足いくものになっていたと。

はい。原作が面白いんだから、アニメはそのままでいいんですよ! 残念ながらそうならないパターンもありますけど。でも原作と違うからこそよかった作品もあるんですよ。昔「ぴたテン」というアニメがやっていたんですけど、あれは原作のマンガと全然違うのよ……って話は置いておいて。ただ「喧嘩独学」に関しては1つだけ言いたいことがあって。

──と言いますと?

まだ4話までしか観られていないから、バトルがどんな感じに描かれるのかわからないんですよ(※アニメでは第4話まで本格的なケンカが行われない)。で、5話ってきちんとバトルがある話のはずだから、その描写次第で「いや、これ原作よりいいんじゃね!?」となる可能性もあるんです。だから早く5話が観たいんですよ。

──5話は序盤のクライマックスですもんね。

そう、あそこからもうパーンって盛り上がりますから。展開的にはヤンキーものによくある話じゃないですか。イジメられっ子が、イジメていた相手に……という。でも勝ち方やその後のドラマなんかも少し捻っていて驚きがあるのがいいんですよね。もう、頼むから早く観せてくれ!

僕のYouTubeも“怒り”が原動力

──キャラクターやセリフについては共感される部分などありましたか?

たしか4話で闘鶏が志村に「自分を変えるには自分自身に対する怒りが必要だ」というようなことを言うんですが、そのセリフにはもう心の中で拍手でしたね。と言うのも、僕がYouTubeをやっているのも“怒り”が原動力だから。怒りってね、マジで強いんですよ。世の中に対する怒りだったり、料理界に対する怒りだったりをすべてぶつけてるからこそ、僕のYouTubeってここまでこれてると思うので。

闘鶏

闘鶏

志村

志村

──Xのフォロワーを急激に伸ばし、「バズレシピ」を次々と生み出せるようになったのも、とある出版社への怒りがきっかけだったとインタビュー(※YouTubeチャンネル「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」の「料理研究家 リュウジのバズレシピ/引きこもりから年商○億/侮辱した大手出版社に復讐/味の素アンチからの誹謗中傷…」回より)でおっしゃってました。

のほほんと続けてるとやっぱりダレちゃうので、僕は定期的に怒りを摂取するようにしてますね。たまに怒りが炸裂しすぎて炎上したりもするんですが、怒りは大事です。

リュウジ

リュウジ

──志村は怒りを原動力にしながらも優しさがあると言いますか、もともとお金を稼ぎたいというのも病気のお母さんのためというヒーロー感がありますよね。対して志村に動画配信を提案するカネゴンは、少し小狡さもあるキャラクターです。この2人だったら、リュウジさんはどちらが近いですか?

完全にカネゴンですね。あんなに人間っぽいキャラクターはいないと思います。

カネゴン

カネゴン

──最初は志村をいじめる立場でしたが、一緒に動画配信を始めてからは心強い参謀となります。

そう。悪いヤツだったけど、どんどんいいヤツになっていく。カネゴンがいてくれるから志村のよさが引き立つし、いい塩梅のバランスだと思います。原作を見てると、作者もちょっとカネゴンびいきっぽいんだよなあ。とにかくいいキャラクターです。

こげどんぼ*先生は神だから

──せっかくの機会なので、リュウジさんにマンガやアニメについてお伺いさせてください。まずリュウジさんの動画をいつも拝見していて個人的に気になっているのですが、「この素晴らしい世界に祝福を!」のダクネスやめぐみんのTシャツをよく着ていますよね。

はい。「このすば」は頭を空っぽにして観られるから大好きなんです。

──素朴な疑問なのですが、アクアのTシャツは持ってないんですか?

アクアはうるさいから、あまり好きじゃない(笑)。

──なるほど、ずっと気になっていた謎が解けました。いいキャラなんですけどね。

もちろん! いいキャラだし、めっちゃ面白いですけど、まあアクアはいいかなーって。最近だと(マンガ「デ・ジ・キャラット」の)でじこのTシャツを着ていたら、作者のこげどんぼ*先生から反応がありました。先生は僕のソーセージ丼を作ってくれたんです。

──やっぱり、そういった反応はうれしいものですか?

そりゃうれしいでしょう! こげどんぼ*先生って神だから。さっきも触れたけど、俺、人生で一番好きなマンガが「ぴたテン」なんですよ。「ぴたテン」はマジで面白い。もうね、本当に原作もアニメも両方を見てほしい! 原作はバッドエンドだけどアニメはハッピーエンドで結末が違うんだもん。しかも「ぴたテン」は……ってまた「ぴたテン」の話になっちゃってるけど(笑)。

──そういった話が聞きたかったので、大丈夫です。

「ぴたテン」は、一見萌え作品なのよ。でも実際はかなり救いようがない話ですげえ暗くて、「え、こげどんぼ*先生、何を描いてんすか?」ってなる。「魔法少女まどか☆マギカ」みたいに一見かわいいんだけど話はグロい、というのをこげどんぼ*先生はずっと前にやってるんですよ(※「ぴたテン」は1999年に連載開始され、アニメは2002年に始まった)。

──熱量がすごいですね。以前、「機動戦艦ナデシコ」が話題になったときもXでものすごい食いつきかたでした。

「ナデシコ」はね、ヤバい。人生でトップ3に入るぐらい好きなアニメです。でもね、僕は古のオタクなんですよ。最近のも観ていて「機動戦士ガンダム 水星の魔女」とかは、「ガンダム」シリーズでも一番くらいで好きだけど情熱的には昔のほうがあったなあ。この歳になると新しいもの入れるのがなかなかキツくなってきて。

──十分に新しいものを取り入れている気もしますが……。ちなみにマンガはどんなものが好きですか? 例えば「喧嘩独学」みたいなケンカやバトルものとかどうでしょう?

なんでも読みますよ。バトルものだと「喧嘩独学」を読んだときはちょっと「ホーリーランド」を思い出したし。あとは「刃牙」や「ケンガンアシュラ」は大好きだし、スタンドバトルだけど「ジョジョの奇妙な冒険」もめっちゃ好きです。

──では、料理マンガや料理アニメはどう見られていますか?

「食戟のソーマ」は好きですね。あれはちゃんと料理研究家がちゃんと監修してるからデタラメがないんですよ。最近だとTVドラマの「フェルマーの料理」も監修が入っていましたけど、あれが入ってると「ちゃんとやってんじゃん、この作品」って感心します。ただ「そこまでリアルさがいる?」という意見もわかりますよ。「焼きたて!!ジャぱん」みたいに、ちょっとデタラメなほうが面白かったりすることもあるから。でもね、あれとかこれ(※取材では実名を挙げていた)は監修が入ってないから全部デタラメなんですよ!

──まあまあ……。監修と言えばリュウジさんは「ツキウタ。 THE ANIMATION2」に料理監修として参加されていました。ああいった仕事があれば、またやってみたいですか?

そうですね。僕、アニメやゲームの仕事はほぼ断らないんですよ。割とギャラが安くてもやります。それはやっぱり好きだから。今日みたいなマンガやアニメの話なんて、もう何時間でも話せますよ。

──最近は企業案件でゲームなどのレシピを作る動画もありますが、案件関係なしに作ってみたいレシピはありますか?

ゲームに限らず、作品の料理を作るのは非常に好きです。再現して作中のものを食べると、一層その世界に入り込めるんですよね。最近の作品でやってみたいのだと……「ダンジョン飯」とか? でも「ダンジョン飯」はムズいのよ、だって存在しない食材なんだもん(笑)。ああいう、完全にファンタジーの世界で料理をするという作品は珍しいんです。それで「スライムってこういう味なのかな」と読者に想像させるという。再現は難しいけど、食材をどう変換するかが面白そうで。コカトリスだったら鶏肉でいいかもしれないけど、スライムだと……干しクラゲとか? やりがいがありそうですね。

リュウジ

リュウジ

──ここまでの話で、リュウジさんがガチ過ぎるオタクだとわかりました。では最後に、そんなリュウジさんが周囲の方にアニメ「喧嘩独学」を観てもらうならどんなふうにオススメするか教えてください。

この記事が公開されるのって5話が終わった後ですよね? まだ観られてないけどそこで絶対に盛り上がるはずなので、僕を信じてそこまで観てほしいと伝えます。1話や2話だけだと「ちょっとこの作品よくわからないな」となる可能性があるけど、それは本当にもったいないです。5話はグッと引き込まれるはずだから。アニメの「【推しの子】」みたいに、5話までまとめて初回放送すればよかったのに(笑)。5話でハマれなかったらその後もダメかもしれないけど……。

第5話の予告より。闘鶏の教えをもとにひたすらに努力を積んだ志村が、ハマケンに新たに立ち向かう。これが、配信を1カ月休んでいた喧嘩独学チャンネルの復帰作となる。

第5話の予告より。闘鶏の教えをもとにひたすらに努力を積んだ志村が、ハマケンに新たに立ち向かう。これが、配信を1カ月休んでいた喧嘩独学チャンネルの復帰作となる。

──逆に言うと、5話が気に入ったら「喧嘩独学」はハマるはずだと。

そうそう。しかも「喧嘩独学」ってすごいボリュームがあるのに、まったくダレないのがすごいんですよ。あまりほかの作品と比較するのはよくないですが、僕がまったく中だるみがないなと思う「SLAM DUNK」並みに中だるみがないんです。これ、僕的にはすごい褒め言葉ですよ(笑)。今回のアニメ「喧嘩独学」は1クールだとちょうどいいところまでやるはずですが、できればずっと先の話までアニメでやってほしいです。

リュウジ

リュウジ

プロフィール

リュウジ

1986年5月2日生まれ、千葉県出身の料理研究家。「今日食べたいものを今日作る!」をコンセプトに、簡単かつスピーディーにできる料理のレシピを日夜X(旧Twitter)で発信している。YouTubeでも料理動画を公開し、チャンネル登録者数は2024年5月時点で481万人。またメディア作品のレシピ監修、食品メーカーや大手スーパーマーケットとのタイアップによるレシピ開発、自治体での講演なども行なっている。著書は「バズレシピ」シリーズ(扶桑社)や、「リュウジ式至高のレシピ 人生でいちばん美味しい! 基本の料理100」シリーズ(ライツ社)など多数。