TVアニメ「D4DJ First Mix」水島精二監督インタビュー&Photon Maiden(紡木吏佐、前島亜美、岩田陽葵、佐藤日向)インタビュー|DJって何やってるの?そんなあなたも大丈夫! 音楽を楽しむことへの初期衝動、絆を描く王道の青春ストーリー

ここからは、水島監督が音楽プロデューサーを務めるユニット・Photon Maiden(フォトンメイデン)の魅力に迫っていこう。

Photon Maiden

全国からオーディションで選ばれた才能豊かな少女たちによる新星ユニット。結成を機に全メンバーが陽葉学園に転校した。未来感のあるビジュアルと一糸乱れぬパフォーマンスがポイント。

Photon Maiden
出雲咲姫(CV:紡木吏佐)
出雲咲姫(CV:紡木吏佐)

高校1年生。DJ兼リードボーカル。音楽に色彩を感じる「共感覚」の持ち主で、ライブ中に会場の雰囲気や音楽を色として察知し、フロアを盛り上げる。勉学も運動もそつなくこなす万能少女。たまたま目にしたDJライブの光景に心を打たれ、自らもDJをやってみたいと思うようになった。

もう、全部です(真顔)。まず顔面偏差値の暴力だし、口数少ないかと思ったら突然抜けたこと言いだすし、なんかもう、ああああああ妹にしたい……。家で飼ってる猫を「シュレディンガー」と名付けているのも、出雲節が出ていると思います(笑)。

新島衣舞紀(CV:前島亜美)
新島衣舞紀(CV:前島亜美)

高校2年生。Photon Maidenのリーダー。小さい頃から体を動かすのが好きで、いろいろなスポーツを経験している。中学からはダンスと歌の楽しさに目覚め、芸能スクールに通うようになる。常に周囲への気遣いを忘れることがなく、名実ともにリーダーシップを発揮している。

クールなお姉さんリーダーかと思いきや、天然なところ。グループマネジメントが得意なのにみんなにいじられたり愛されているところ。筋トレと生野菜が好きなところ。

花巻乙和(CV:岩田陽葵)
花巻乙和(CV:岩田陽葵)

高校2年生。家族が地域の青年団に所属しており、地元のお祭りにも積極的に参加してきた。地域イベントの写真にうつった姿がSNSで人気になったことがある。アイドルマニアで今でもライブに通い、パフォーマンス研究にも抜かりがない。

天真爛漫で、思ったことを真っ直ぐに言うところ。それゆえにおバカと言われることもありますが、乙和の言葉はいつも素直で嫌味がないので、そこがみんなに愛される魅力の1つなのかなあと思います。あとはもう、ビジュアルからとってもかわいい!!(笑) 見た目も中身も、かわいさの詰め合わせのような女の子です。

福島ノア(CV:佐藤日向)
福島ノア(CV:佐藤日向)

高校2年生。文学好きが高じて演劇に興味を持ち、参加したワークショップで評価されパフォーマンスの道を志す。好奇心が強く知識も豊富で、興味のあることには饒舌になる。“かわいいもの”に目がない。

ノアちゃんの台詞が「かわいいに勝るものはありません!」なのですが、そう言えるあなたがかわいい!! 美しいビジュアルに反してオタク要素満載というか、かわいいものに一直線な面があるので、いわゆるギャップ萌えをしてしまうこと間違いなし!

Photon Maiden(紡木吏佐、前島亜美、岩田陽葵、佐藤日向)インタビュー

知れば知るほど奥深い、DJの世界

──ついにアニメ化ということで、これを機に「D4DJ」というタイトルを知る方も多いかと思います。まずはそんな方に向けて、「D4DJ」とはどんなコンテンツかご紹介いただけますでしょうか。

前島亜美 前衛的な作品だなと感じています。アニメやゲームが始まる前から声優さんでのライブを重ねていて、それぞれの音楽性やストーリーにもとても魅力のある作品だと思います。

岩田陽葵 6ユニットそれぞれにまったく違う音楽や世界観があって、私が演じる花巻乙和ちゃんが所属するPhoton Maidenは、近未来的なメロディとビジュアル、そして一体感のあるダンスパフォーマンスが魅力なグループです。私たちの音楽で、壮大で神秘的な世界をお届けします!

福島ノア役の佐藤日向。

佐藤日向 各ユニットがまったく異なる音楽スタイルを持っているからこそ、どのユニットも魅力で溢れていて、気付いたときには全ユニットが大好きになっている、そんなコンテンツだと思います。

──ありがとうございます。皆さんはプロジェクトに参加が決まった当時、「DJ」というものに対してどのようなイメージを持っていましたか?

前島 「カッコいいけど難しそうだな」という印象でしたが、知れば知るほどとても楽しく奥深いものなんだなと、パフォーマンスをしながら感じています。DJさんを尊敬するばかりです。

佐藤 漠然と「曲と曲をつなげるプロフェッショナルなお仕事」という認識はあったのですが、そのつなぎに個性が出るということを、「D4DJ」を通して知ることができました。同じテンポの曲をつなげたり、少しずつテンポを上げて「次にどんな曲が来るんだろう」というワクワクをくれたり、知れば知るほど奥が深いです。

岩田 私も「D4DJ」が始まるまでは「DJって聞いたことはあるけど、なんだろう?」という感じでした。でもライブを重ねるたびに、音楽を通して会場にいる皆さんとの一体感をすごく感じることができて、DJを中心に皆でひとつになれる、なんて熱くて素敵な空間なんだろうといつも強く実感しています!

出雲咲姫役の紡木吏佐。

紡木吏佐 私はもともと「BanG Dream!」でDJを担当していたので、また違う形でDJをいろんな方に知っていただけるのでは!?と、ハッピースマイリーしていました。DJとは、本当に味わい深い……味付けも個性も、プレイヤー次第、本当に自由な楽器なんです。私も関わる前までは、クラブの兄ちゃん姉ちゃんアゲアゲうぇい!!な、お祭りなイメージを持っていて。にもかかわらず、DJの方が何をしているのかはよくわかっていない……そんな感じでした。きっと私と同じような方も、はたまた詳しい方もいらっしゃると思いますが、予備知識あるなしにかかわらず、敷居が高くなく気軽にDJに触れ合えるコンテンツ、そう、それこそが!「D4DJ」だと思います!

──以前の紡木さんのように、「DJって何してるの?」という方はたくさんいらっしゃるでしょうね。DJへの知識もですが、2018年12月の発表からライブはもちろん、楽曲リリース、生配信など、コンスタントに活動をしてきて、ユニットとしてもどんどん成長してきました。

前島 最初はキャラやユニットも決まっていなかったところから、ユニットでのリハやライブ、ゲーム収録などを重ねて、徐々に担当キャラクターとユニットについて理解が深まって来たのがうれしいです。メンバーともコミュニケーションを重ねてきて、今ではとても信頼する頼もしい存在です。

「静かな煽り」の難しさ

──ご自身で「ここが成長したな」と思うことはありますか?

紡木 「静かな煽り」に向き合ったことですかね……。先ほどお話しさせていただいた「BanG Dream!」のライブでは、本当に「挑発! こいよ! もっと声出せよ!」な、ガンガンに煽っていくDJスタイルだったので、最初はけっこう苦戦してました。

──確かに出雲咲姫は口数の少ないキャラクターですから、DJだからといってライブでオーディエンスをガンガンに煽ることはしなそうですね。同じDJでも、全然タイプが違ったと。

紡木 あくまで私が担当させていただいている出雲咲姫として、胸の内は熱くても周りを冷静に見れる彼女としてステージを盛り上げるDJスタイルを、ライブを重ねながらに進化、そして追求していくよう、現在進行形で努めています。

岩田 私が演じる乙和ちゃんはアイドルに憧れていて、パフォーマンスを日々研究して磨いている女の子なので、私もそんな乙和ちゃんらしさをパフォーマンスで出せるように研究中です。メンバーのみんなからもいい刺激をたくさんもらって、私も成長できているのではないかな?と思います。

──水島監督からは、パフォーマンスやキャラクターについて、何かディレクションなどはあるのでしょうか?

岩田 ライブでは常にPhoton Maidenの世界観を大切にすることを心がけているのですが、先日水島監督が、セットリストを決めるときに私たちの意見も聞いてくださったのがとてもうれしくて。4人でPhoton Maidenの魅力をたくさんの人に伝えていきたいと、ますます気合いが入りました!

佐藤 歌については水島監督が、ノアちゃんのキャラクター性を意識するというより、楽曲のイメージを優先で自由に歌ってほしいと言ってくださったので、これまでレコーディングしてきた楽曲は、ノアちゃんを通して普段の佐藤日向ではなかなか歌えない歌い方をさせてもらっています。

──Photon Maidenは未来的なサウンドが特徴のユニットで、楽曲もいわゆる「アニソン」としてイメージされるものとは違ったタイプの曲ですよね。

岩田 レコーディングのときに一番苦戦するのが、英語の発音です(笑)。Photon Maidenの楽曲は歌詞にも英語がたくさん入っているところが魅力の1つだと思うんですけど……実は私は英語が苦手で。英語が得意な紡木吏佐ちゃんや佐藤日向ちゃんの発音を頼りに、いつも必死に歌ってます。あとはライブでのダンスのシンクロも魅力の1つですね。

前島 こんなに踊る声優ユニットはないのではと思います。リハーサルやライブのたびに限界までがんばってパフォーマンスをしているので、ライブクオリティを上げることを意識し努力しています。

佐藤 世界観がしっかりしているので、私たちはライブでパフォーマンスをする際、彼女たちに寄り添えるようなものを創りあげたいという意識があって。カバー曲の立ち位置、曲中のMCにもこだわって、必ず4人で決めています。ゲームからセリフを引用したこともあるので、気付いてくださった方がいたらうれしいなあ。

──ほかに「これは苦労したな」と思うことはありますか?

紡木 “静かな煽り”もそうですし、何よりもおダンス……(笑)。本当に、ダンスへの苦手意識は小さい頃からずっと拭えなくて、お仕事としてやらせていただく以上、今の自分にできる最大限のものはやるぞ!という気持ちですが、何せフォトンちゃんのフロント3人がバッキバキのゴリッゴリにダンスがうまくて……。そこが強みであるのと同時に、「絶対足は引っ張りたくない!!」と心で叫んでおります。DJ機材をいじっていないときや煽ってないときは、基本メンバーと同じダンスをしているので、もう出口の見えない戦いの日々です(笑)。


2021年3月12日更新