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バッファロー吾郎の2人がコミックシーモアから選んだ 年末年始に読みたい10冊

「キン肉マン」はバイブルとしか言い様がない

「キン肉マン」1巻

バ吾A やっぱり僕らがお薦めするなら「キン肉マン」は外せない。これに関しては、子供の頃からずっと読んでいるバイブルとしか言い様がないんです。もともと僕は「キン肉マン」のギャグが好きだったんですよ。で、途中から格闘路線にシフトして、どんどん超人が出てくるじゃないですか。出てきたときはみんな3枚目なんですけど、ストーリーが進むに連れて2枚目なキャラになってく。そういうキャラの立て方も上手いなと思って読んでました。

竹若 キャラの魅力っていうのはありますね。あとリアルタイムで読んでた立場から言うと、ギャグから格闘路線へのシフトがすごく自然。初期のギャグが好きだった人も、路線変更してからが面白いと思ってる人もいると思うんですけど、どっちもしっかり押さえてほしいですね。

バ吾A インタビュー中に言っていいことじゃないかもしれないんですけど、僕は理論立てて何かを説明するのがホントに苦手で(笑)。そういう意味で頭脳派キャラのロビンマスクに憧れてました。

竹若元博

竹若 頭脳派ってことで言えば「ONE OUTS」はお薦めですよ。ストレートしか持ち球のない投手が、駆け引きだけでプロ野球の世界でのし上がってく。甲斐谷先生は何か制約がある中でキャラクターを勝負させるのが上手いんですよ。

──「LIAR GAME」も同じ系統ですね。

竹若 そうそう。あと終わり方もすごくきれいにまとまってる。頭脳戦とか心理戦を描くマンガって、設定とかキャラを活かしきれずに、迷走しちゃったり尻切れトンボで終わることも多い中、「ONE OUTS」はスパッと終わらせましたから。

島本キャラのギャグは異質

「アオイホノオ」1巻

竹若 僕ら2人とも島本和彦先生の作品を挙げてるんですよね。

バ吾A 僕は「アオイホノオ」をお薦めしましたけど、島本キャラのギャグとか言動って異質なんですよね。先生ご自身は至って真面目に描かれてると思うんですけど、ギャグじゃない場面でも笑いがこみ上げてきてしまうというか。焔燃が「あーでもない、こーでもない」と真剣に悩んでるシーンも読者からすれば、「お前何言っとんねん」って感じじゃないですか。

竹若 燃にしても「炎の転校生」の滝沢昇にしてもそうですけど、自信満々の熱い男なんですよね。ただあのキャラたちも言動が行き過ぎてしまうと、単なる変な奴になってしまうと思うんです。そこら辺を絶妙なバランスでキャラを描かれてるのがすごい。これは島本先生にしかできないことだと思いますよ。

バッファロー吾郎A

バ吾A あと「アオイホノオ」に関して言うと、「エヴァ」の庵野秀明監督とか、いろんなクリエイターと一緒に過ごしてたんや、というのを知れたのはすごく面白かったですね。

竹若 島本作品からは、自分に自信を持ってとりあえず1歩前に進んでみることの大切さを学べると思いますよ。燃なんかは自信過剰すぎですけど(笑)。

おっさんがキュンキュンするジャンプマンガ

バ吾A こうしてみるといまだにジャンプだけは買ってるからか、やっぱりジャンプ作品が多い。

竹若元博

竹若 僕のだと「ハイキュー!!」がそうだ。雑誌でマンガを読むというのが、年齢を重ねるごとに減ってきてるんですけど、ジャンプだけはもう習慣になってる。「ハイキュー!!」も連載当初から読んでるんですけど、こんなおっさんがキュンキュンしてしまうんですよね。

──(笑)。それはどういったところに。

竹若 全部のキャラクターがしっかり描かれてるので、感情移入しやすいんですよね。巻数も少ないし、試合もそんなにこなしてるわけじゃないのに主人公たちが所属する烏野高校だけじゃなくて、他チームとの人間関係とかも描写されてる。よく同時にあんなに沢山のキャラを動かせるなと思います。あと「ネウロ」「銀魂」もジャンプ作品ですね。

バ吾A 「ネウロ」はたまたまジャンプで読んだんですけど、最初の印象が「え、何これ」って感じで。このマンガ、主人公側が絶対的な正義ってわけではないでしょう。一見ジャンプっぽくなくて異質な感じがするんですけど、実は「味方も敵も成し遂げたいことがあってそのために行動する」っていう、熱いジャンプイズムみたいなものが根底にある気がしていて。そういう部分に惹かれたんでしょうね。「銀魂」に関してはTwitterのプロフィール欄に、好きだと書いてるくらいですから。

「銀魂」1巻

──「銀魂、スペース☆ダンディ大好き!キョンキョンと結婚したい!」というプロフィールですね。

バ吾A まあキョンキョンは今はいいんですけど(笑)。「銀魂」は実はアニメから入ったんです。もちろん作品自体は知っていたんですけど、読むまでに至ってなくて。原作もそうですけど、アニメ版の全力で悪ふざけしてる感じがすごい好きなんですよね。ガンダムみたいなロボと一緒に、本家でアムロ役をやってた古谷徹さんとか、シャア役の池田秀一さんが出てくる回があったんです。原作にも同じ話があるんですけど、その面白さを崩さず、声優さんを大胆に起用してオリジナリティを出してる。パロディって各所の許可が必要な場合もあるでしょうから、大変だろうなと思いつつ見てましたけど。

竹若元博

竹若 「銀魂」って台詞量が多いから、そこで敬遠しちゃう人もいると思うんですよ。ただ実際読んでみるとスラスラと入ってくる。台詞回しとか掛け合いが面白いから、何だったら一字一句見逃したらアカンくらいの感じですよね。

バ吾A 僕もマンガの方を初めて読んだときは「ああ、今までこれを読んでなかったって、なんて損してたんや」って思いましたから。ホント、偶然アニメを見れてラッキーでした。これはマンガもアニメも合わせて見てもらって、なんでもありの世界観を楽しんでほしいですね。

コミックシーモア

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バッファロー吾郎(バッファローゴロウ)
バッファロー吾郎

1989年に結成されたバッファロー吾郎Aと竹若元博からなるお笑いコンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。コント芸のナンバーワンを決める「キングオブコント2008」では優勝者に輝いている。バッファロー吾郎の2人が主催するお笑いイベント「ダイナマイト関西2014」のDVDも発売中。なおバッファロー吾郎Aはタナカカツキ協力のもと、2014年10月にコミックエッセイ「グル名刺」を上梓した。