「一発屋長い目で見て」たけし東スポ映画大賞で芸人を激励

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昨日2月24日、東京・東京プリンスホテルにて、東京スポーツ新聞社主催、ビートたけし審査員長による「第22回 東京スポーツ映画大賞」「第13回 ビートたけしのエンターテインメント賞」授賞式が開催された。

「第22回 東京スポーツ映画大賞」の「第13回 ビートたけしのエンターテインメント賞」日本芸能賞記念撮影の一場面。中央で写真を撮っているのは林家パー子。

「第22回 東京スポーツ映画大賞」の「第13回 ビートたけしのエンターテインメント賞」日本芸能賞記念撮影の一場面。中央で写真を撮っているのは林家パー子。

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ビートたけしは開会の挨拶で「私の独断と偏見じゃないですよ。いろいろな映画祭が選考に参加してるんだから」と前置きした上で、「アカデミー賞なんて、あんな汚い賞はない。俺の映画をノミネートしない」と早々にジョークを飛ばして会場を笑わせた。そして、ITやインターネットの普及により、映画もデジタルの撮影が増え、配信で見ることができることを危惧。「やっぱり映画は映画として手作りの感じがないと。文化芸術の世界はおかしくなってしまうかなと。歴史を踏んできたものを東スポ映画大賞では大事にしたい」と真面目に語ったものの、最後は照れて「話がつまんなくなってしまったので、さっさと始めてください」と逃げてしまった。

映画大賞の中で今回唯一受賞した芸人は、映画「苦役列車」で主人公のアルバイト先の先輩を演じ、挿入歌も担当したマキタスポーツで、新人賞が与えられた。同じ事務所だけに、たけしは「しょうがなくやる」とぶっきらぼうに表彰状を手渡し、マキタが受賞のコメントを言い始めたところで「はい、ありがとう」と切ってしまうなど、からかう場面も。改めてマキタは「3年前に期待賞をいただいたときは、まごうことなくコネ受賞でしたが、3年ぶりに返り咲いて感慨もひとしおです」と言葉を述べた。その後マキタは、ネタ「59の夜」を披露。最後まで司会のガダルカナル・タカとマキタをいじっていたたけしだったが、「売れないと思ってたけどなぁ。売れてきたな」と感想を語った。

そして、作品賞は自身である北野武監督、作品賞は「アウトレイジ ビヨンド」、男優賞は「アウトレイジ ビヨンド」から12名の俳優陣が受賞という快挙。たけしは、監督賞では「ただいま紹介されました……バカヤロー!」とボケ、作品賞ではプロデューサーに対して「宣伝費で多額のお金を使い、4月発売のDVDでどうにかしのごうというあなたの勇気。110万人も観てるのに何カ月もこんなに俺を使って、どうなってんだ!」とたけし節を炸裂させるなど、笑い満載の受賞に。そして、三浦友和、加瀬亮、小日向文世ら9名(3名欠席)の俳優がズラリと壇上に揃うと、たけしは「俺、町内会のおじさんみたい」とはにかみながら、1人1人にそれぞれの役柄を表彰した表彰状を授与。「これだけ揃ってよく目立ってくれた。力のある俳優さんは、カメラが回るとき、ちゃんと仕事してくれる。皆さんのおかげだから、主演とか助演とかわかんない」と授賞理由を語った。

「エンターテインメント賞」は、グレート義太夫のギター生演奏にのせて表彰。日本芸能賞は、芸人では、バイきんぐハマカーンアルコ&ピースキンタロー。が受賞していたが、「賞金は来た人だけがもらえるシステム」ということで、仕事のため来られなかったバイきんぐはもらえないことに。しかし、たけしは「あいつの顔はなんだ、坊主のほう」と気になっている様子だった。また「キンタロー。ちゃんは良かったね。全体が頭みたい、すごいね」と苦笑。ハマカーンとアルピーには「この間の『THE MANZAI』はすごかったね。実質的な決勝戦は準決勝だったな。息切れしたほうが負け。運だな」と声をかけた。ハマカーンは「本日は『THE MANZAI』優勝で呼ばれたとは思っておりません。東スポ一面を飾ったことで呼ばれたと。AKB48ライブの件であることないこと書かれて」と浜谷が怒ってみせると、「東スポはね、きちっとないことしか書かない」(タカ)、「東スポの中でエルヴィスは生きてることになってる」(たけし)と訂正が。アルピーはたけしにコンビ名の由来を聞かれ、さりげなくボケをスベり込ませると、「ちょっとした小ネタを会話の中に入れちゃう」と思わず笑ったたけし。そんなアルピーを「漫才のスタイルを変えたね。つかこうへいの芝居を観てるみたい。あの短い間によく入れて。うまいもんだ」と評した。キンタロー。には「あんまり似てなくてもこの人がやると面白い。モノマネって勝手に進化するから。違うものになっちゃう。だからいい。大したもんだ」とコメント。キンタロー。は「バイト先の人に似てると言われたことからこんな賞をいただけるように。本当に、初めて自分で自分をほめたいと思いまっ!」と最後はほとんど叫ぶようなデフォルメモノマネで会場を笑わせ、「たけしさん公認フライングゲット」とポーズを決めた。

そしてカムバック賞に高田文夫と並んで鉄拳が受賞。たけしが「一度原宿で会ったんだよ」と声をかけると、鉄拳は「2年前に芸能界を辞めようと思って、会社にも話してました。最後の仕事がパラパラマンガで、人生というテーマだったので、そのリサーチで原宿へ。そのとき『お前、何やってんだ』『頑張れよ』って声をかけられて。もう一度頑張ってみようと」と、たけしとの不思議な縁について話した。また、高田の代わりに松村邦洋が登場し、出演者たちの目の前で、たけしのほか、小日向、加瀬、中尾ら「アウトレイジ ビヨンド」モノマネにチャレンジ。しかし、緊張のため珍しくネタが飛ぶハプニングもあった。

そのほか授賞式では、話題賞の壇蜜に「書き初めてください」と筆を渡されたたけしが、壇蜜の太ももを半紙代わりにしたり、特別賞の大島渚監督とのエピソードを語ったり、外国作品賞では「この監督は絶対俺の影響を受けてるから賞あげなきゃ。松本人志にはあげることない」と笑わせるなど、終始賑やかなやりとりが繰り広げられた。

最後にたけしは「スギちゃんもそうだけど、キンタロー。にしても、世の中の風潮が『一発屋』って言い方をして、これから出てくる人に対して、一発屋で終わらせようとしている。それが嫌な感じがする。長い目で見ていただいて。この賞も22回も続いて。今後ちゃんとした映画が観てもらえるように」と真剣にメッセージ。果たして来年は同賞でたけしと芸人たちのどのようなやりとりが見られるのか。この2013年のお笑い界から目を離さないように。

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

たけし「世の中の風潮が『一発屋』って言い方をして、これから出てくる人に対して、一発屋で終わらせようとしている。それが嫌な感じがする。長い目で見ていただいて」/お笑いナタリー - 「一発屋長い目で見て」たけし東スポ映画大賞で芸人を激励 http://t.co/UgoJkv6cp2

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