ナタリー PowerPush - ゆゆ式

アニメ「ゆゆ式」キャラソンアルバム発売記念 声優メールインタビュー&楽曲関係者11人座談会

アニメ「ゆゆ式」情報処理部インタビュー

──「ゆゆ式」という作品について、どういう印象を受けましたか?

津田美波 3人のバランスがとてもいい作品だなあと思いました。誰か1人欠けてしまったら、こんなに面白いお話になっていたんだろうか……。ゆずこがおバカなことをして、縁がそれに乗っかって、唯がそれにツッコむ。そんな3人を見ているとつい笑っちゃったり、ほわっと癒されたりするのが「ゆゆ式」のいいところだと思います。

大久保瑠美 本当にかわいい作品だなと思いました。高校生のときのことって、私の中でもすごく大切な思い出なんです。この作品を見ているとその頃を思い出すことができて温かい気持ちになりますね。

──それぞれのキャラクターを演じる際、心がけたことがあれば教えてください。

種田梨沙 「ゆゆ式」は女の子たちの何気ない日常の中にとても癒しを感じることのできる作品で、その中でも特にフワッとした空気感を持っているのが縁ちゃんだと思います。見ているだけで幸せな気持ちになれる、とてもかわいいキャラクターです。作中で「今が一番楽しい」というセリフが出てくるんですが、縁ちゃんを演じるときは「楽しく明るくかわいく!」を特に重要視して演じさせていただきました。

大久保 ゆずこは最初は不思議で、行動の読めない子だなと思っていました。でもゆずこの気持ちや唯と縁との関係がわかってくるようになってからは行動もなんとなく読めるし(笑)、本当にかわいい子だなと思いましたね。演じる際に意識したことは「いかにはっちゃけるか」ということです!

津田 唯ちゃんは、私は最初「もっと男らしい子かなあ」と思っていました。でも胸を触られたりすると女の子っぽいところが出るんですよ。あとノリがいい。「なんつって、つっちゃった 」とか、一緒になってやってますもんね。だから演じ方としては、もっとノリよくツッコんじゃってもいいんだなあって思ってツッコみました。ツッコミを楽しんでる唯ちゃんもいるって思ったので、私もツッコみを楽しもうと思いました。

──同じキャラクターを演じる場合であっても、お芝居とキャラクターソングでは演技に対する意識は違うものですか?

種田 歌とお芝居で声色に多少の変化が出ることもありますが、基本的には先ほど答えたように「楽しく明るくかわいく!」を心がけてキャラクターソングを歌わせていただいています。縁ちゃんのかわいさを出すために、まったりとした曲のときには少しゆるさを増して歌ったりもしていました。

津田 お芝居も音楽も変わらないです。私は櫟井唯ちゃんとして歌うことを心がけて歌わせていただきました。これを津田美波として歌うなら、たぶんもっと違う歌い方になっているんじゃないかなあと思います。「せーのっ!」を歌ったとき、私は3人の中で最後にレコーディングしたんですけど、2人が歌ったのを聴く前と後じゃ、全然印象が違いました。「2人がここをこんなふうに歌うなら、唯ちゃんはこう歌うかな?」と想像することができたので、最後に歌わせていただいてよかったなって思っています。

大久保 私自身はあまり違いはないと思っています。ゆずこは意外と真面目な子なので、「遊べる曲はとことん遊んで、逆にしっかり歌うような曲はちゃんと真面目に歌うような気がする」というイメージが私の中にありまして……。「あくまでゆずこというキャラクターが歌っている」という意識の中で、そういったメリハリがありましたね。

──キャラクターソングアルバムの中で、特にスムーズに歌えた楽曲と、反対に試行錯誤が必要だった楽曲はありましたか?

種田 どの曲も、縁ちゃんっぽさをなくさないように気をつけながら歌わせていただきました。特に情報処理部の3人で歌った「ミラクルファンシー」はアップテンポで元気な曲なので、縁ちゃんのゆるさを残しつつ歌うのに少し苦労した記憶があります。

津田 私も一番難しかったのは「ミラクルファンシー」かな? 音とリズムが難しかったです(笑)。でも、どの曲も覚えてしまえばスルッと頭に入ってきたので、歌いにくかった曲はないです。「せーのっ!」はオープニング曲ということもあって、やっぱり思い入れは強いですけどね! あの曲でアニメが始まって、みんなも好きって言ってくれて……。3人で歌っていて楽しいし、大好きな曲です。

大久保 どの曲もあまり悩まずに収録できたかなと思っています。しいて言うならばソロのキャラクターソングですね。遊べるポイントが多すぎて、どこまでやっていいのか悩みました(笑)。私の遊びを最大限に生かしてくださったスタッフの皆さんに本当に感謝しています!

──ボーカリストとしての自分と、ボーカルグループとしての情報処理部に点数を付けるなら、それぞれ何点ですか?

津田 ……難しいですね。歌とか曲って、聴く人によって好みも違うと思いますし……。あえて付けるとしたら 津田美波に34点 情報処理部に100点って感じで! 情報処理部が100点だとしたら、3人で割って約34点ってことで(笑)。やっぱり3人そろっての情報処理部ですからね!

種田 情報処理部の歌声は、自分で聴いても歌声の相性やバランスがバッチリで、花丸100点をつけたいくらい気に入っています! ボーカリスト・種田梨沙は……、がんばって楽しく歌えたので75点くらいでしょうか(笑)。

大久保 キャラクターソングはゆずこと2人で楽しみながら歌ったと思っているので、ゆずこに50点、私に50点で100点! なぜならゆずこと私の息がピッタリだったから、と私は思っています! えへへ(笑)。「せーのっ!」には点数がつけられませんね! 大きな花丸をつけて無限点です! なぜなら、私たちが3人でいればすっごく楽しくて、さらにそこにこの曲を楽しんでくださる皆さんが加われば「楽しい」は無限大になるからです。

──先行リリースのシングル「せーのっ!」は18曲入りで、オリジナルトラック以外に大量のリミックスバージョンと、さらにはアカペラバージョンまで収録されています。自らの声や楽曲がさまざまなデザインにリミックスされていること、そしてアカペラを聴かせることはご本人的にはいかがでした?

種田 リミックスという試みがとても好きなので、今回自分が参加した曲がいろいろな方にリミックスしていただけてとてもうれししかったです! アーティストさんによって違う個性を持った「せーのっ!」が聴けるので、とても新鮮な気持ちで楽しく聴かせていただきました。ずっとメロディを聴いて録音をしていたので、アカペラバージョンが聴いていて一番緊張しました。

──アルバム20曲目であり、劇中にも登場した「なんつって、つっちゃった 」ですが、弾み倒しで気持ちいいリズムを実際に歌ってみた感想を教えてください。

大久保 意外と3人とも音をとるのが大変で……(笑)。アフレコのときは何回も歌ったんですよー。でも息が合ってくるとテンションも同時に上がっていって、これは弾み倒しに笑っちゃうなと思いました! これぞ三位一体!! なんつって。……あ、なんつって、つっちゃった (笑)。

──津田さんはブログに「私はね、実はね、セツナイロおすすめっ(●´∀`●) あの切ない感じ…好きだなぁー」と書いています。「セツナイロ」に対する思い入れを存分に語ってください。

津田 「セツナイロ」はですね、最初のPVに使われていた曲なんです。そのときはまだ歌は入っていなかったんですけど。ということは「せーのっ!」よりも先にできていた曲? ということはということは! 「ゆゆ式」のイメージを一番反映している曲? と、勝手に考察していますが(笑)。この曲が「イメージソング」というのは、私はなんだか納得しています。曲の雰囲気は明るいけれど、歌詞を聴いていると切なくなってくる。アニメにもそういうところがあって、3人がいる日常が明るくて楽しいのに、ときどきふと切なさを感じる。「終わらないよ」という、最後の3人の言葉は本当であってほしいと、そう願いたくなってくる。いや、きっと3人が言うんだから、終わらないよ! あー、やっぱり「セツナイロ」好きです(笑)。

キャラクターソングアルバム「いちげんめ!」 / 2013年7月17日発売 / EXIT TUNES
初回限定盤[CD+DVD] 2500円 / QWCE-00287
通常盤[CD] / 2000円 / QWCE-00294
「ゆゆ式」

高校で情報処理部に所属する野々原ゆずこ(CV:大久保瑠美)、櫟井唯(CV:津田美波)、日向縁(CV:種田梨沙)の女子3人の日常を描いたアニメ。インターネットを使って気になることを調べ、出てきた情報をもとに3人がトークを繰り広げる。アニメーションを制作するのは「東京マグニチュード8.0」のキネマシトラス。監督は「CODE:BREAKER」のかおり、キャラクターデザインは「コードギアス 反逆のルルーシュ」の田畑壽之、シリーズ構成は「もやしもん」の高橋ナツコが務める。