音楽ナタリー Power Push - 「VIVA LA ROCK 前夜祭」特集 Creepy Nuts / BRADIO(真行寺貴秋)

Creepy NutsとBRADIO(真行寺貴秋)が語るビバラへの思い

BRADIO(真行寺貴秋)インタビュー

「VIVA LA ROCK」は僕らの指針

──「VIVA LA ROCK」の印象を聞かせてください。

「VIVA LA ROCK」は僕らの中でライブをするうえでの1つの指針になってますね。立ち上げた人がどういう思いで開催して、自分たちにどんなことを期待して、それを通じて何を伝えたいかが伝わってくる。フェスとか大きなイベントに出させてもらえるようになって、作ってる人の顔が見えにくいと感じてた時期があるんですよ。だけど、「ビバラ」はプロデューサーの鹿野淳さんを筆頭に、バンドや音楽に対する作り手の情熱が伝わってくるので、気持ちのいいフェスだなと。例えば、開催前の段階でアーティストごとにコメントをくれたり、当日現場に行ったら手紙が届けられてたり、ライブ以外でも丁寧な対応をしていただける。お客さんにとっても心に残る日を作ってるんじゃないかなと思います。

──昨年出演してみてどうでしたか?

真行寺貴秋

メンタル的にすがすがしい状態で臨めたのと、会場の熱気を受けてけっこうひっちゃかめっちゃかやりました(笑)。客席に降りて歌うようになったのって、あのときくらいからなんですよ! 最初に指針と言ったのはそういうところで、BRADIOにとってターニングポイントだったと思う。音楽の渦に飛び込みたい気持ちというか、とにかく高揚してましたね。

──BRADIOのパフォーマンスはここ最近、さらによくなってると思います。

1月に出したアルバム「FREEDOM」でファンキーで踊れるだけじゃない、すごく人間臭い部分を出したことで、ライブも騒げるし曲を聴かせられるムードにだんだんなってますね。セッション的な部分を強く出したり、そのときその場所ならではの演奏をしたいと思うようにもなって。お客さんの空気で、アレンジやテンポを変えたり。バンドとして生ならではの部分を楽しめるように変わってきたかな、という段階です。新しい試みって不安もあるじゃないですか。だけど、そういう不安も音楽に取り入れてしまおうみたいな動きが、今のBRADIOにはありますね。

いい意味でふざけるようになった

──フェスの現場で心がけてることってありますか?

簡単に言えば、どうやって目立つか。目立つと言ってもBRADIOを知ってもらうというより、パフォーマンスを通して「音楽ってやっぱり素晴らしいよね!」みたいなものを伝えられたらいいなと。ライブハウスとはまた違って、フェスは本当にたくさんのお客さんがいるので、「どうすれば自分たちの思いが届くのか?」とは常に考えてますね。笑っちゃうくらいのテンションでお客さんを煽ったり、フロアに突っ込んでめちゃくちゃしたり。いい意味でふざけるようになりました。あ、でも、これは僕だけかも。メンバーは真面目にやってるはずです(笑)。演者なんて遠くから見たら小っちゃいもんだし、思いっ切り動いたほうがいい。ステージの端から端まで走ったり、かなりヘンテコな動きをしたりしてますね。大きなアクションで股間を触ってみたり、下ネタも取り入れたり。運動量が増えた。カッコ悪いかもしれないけど、BRADIOはそういう一生懸命やってる感じが伝わったらいいのかなと思います。

──泥臭いパフォーマンスで音楽そのものの素晴らしさを感じてもらって、結果としてBRADIOを知ってくれたらうれしいと。

真行寺貴秋

ですね。「なんか俺、今日ここで生きてるな」みたいに感じてもらえるのが理想的かな。自分もいいライブができたときは、終わったあとにそう思うんで。最初の最初は「なんだ? あの頭」「なんなんだ? あのカラフルな連中」って目で見られてもいい。

──そういう視線を感じてるんですね(笑)。

もう、これはしょうがない(笑)。だけど、そういう空気があっても、やっていくうちに変えられる。最後の曲になったとき、「お前ら、もっとやれよ!」みたいにお客さんが思ってくれてるのを感じた瞬間はね、生きてることを実感するんですよ。フェスは“普通は出会わなかった僕らが、音楽を通して出会う”ことができる場でもあると思います。

もっとくどいパフォーマンスをしてもいいのかな

──いろんな経験を重ねて、貴秋さんがスキルアップしてること、パフォーマンスに自信を付けてきてるのがわかってきました。

ありがとうございます。あと、最近思ったのはもっとくどいパフォーマンスをしてもいいのかなって。意味わからんぐらい長いセッションとか、シュールなコール&レスポンスをやりまくるとか、そういうほうが人の心に残って、実は面白いのかもしれない。なんてことを考えるんです。

──例えばウルフルズの「トータス! トータス!」っていうアンコールの呼び込みも、意味はよくわからなくても印象に残りますもんね。

そうそう! いいですよね。昔のソウル、ファンク系の人だって、ワケわからんセッションを数曲分やったりしてたし。僕らもフェスでやりたいくらいの気持ちになってます(笑)。3曲とか演奏して、後半全部をセッションにしちゃうこともいつかはやってみたいですね。フェスで5、6曲を単純に並べたセットリストのライブをやってもなんか弱い感じがしてきてて。

──フェスメニューのマンネリ化というか。

真行寺貴秋

はい、まさに。以前、氣志團さんをフェスで観たのが衝撃で! 実質2曲だけのステージをやったことがあって。2曲やって、その2曲のパロディをやって、最後はなんか「もう、時間だから」って、スタッフがメンバーをステージから引きずり下ろす演出で終わるっていう。本当よくわかんないことを普通のフェスでかましてて(笑)。たぶん35分以上持ち時間があったと思うんですけど、イントロで2、3分のセッションが続いたり、空手の型をやったり。それがめちゃめちゃ心に残った。

──「ビバラ」に話を戻しますが、前夜祭の競演者の印象について聞かせていただけますか?

フレンズとは去年の「ビバラ」も一緒のステージで、僕らの次がフレンズでしたね。ギターの(三浦)太郎くんはHOLIDAYS OF SEVENTEENのときから知り合いだし、仲よくさせてもらってます。Creepy Nutsさんはお会いしたことはないけど、ずっと気になってました。イベンターやライブハウスの方が「対バンどうですか?」ってよく言ってくださるんですよ。でも、なかなかタイミングが合わなくて。ウチのマネージャーも好きだったりして、曲はバッチリ聴いてますね。ライブもカッコよさそうだし、楽しみ。

──Creepy NutsのDJ 松永さんはかなり前からBRADIOを愛聴してるそうです。

マジっすか!? めちゃめちゃうれしい。僕らは自主企画で2マンイベントをやってて、イベントの最後にはお互いの曲をマッシュアップしたりしてるんですけど、Creepy Nutsとそういうことができたら絶対に面白いだろうなって。妄想だけは膨らんでました(笑)。

──エンターテイナー同士としても前夜祭は負けられないですね。

負けられない!

カッコ悪い姿を観に来てほしい!

──前夜祭のオーディエンスはすべて25歳以下なので、普段のイベントとは違う現場になるのではと思います。

音楽の素晴らしさを味わってもらえるライブがしたいですね。当日はオーディエンスの若さに触れて、届けたい言葉や演奏が変わるかもしれないし、そのときならではのステージをBRADIOはやります。汗流して音楽やって、歌ってる。そんなカッコ悪い姿を観に来てほしい!

真行寺貴秋

──いや、カッコいいと思いますよ。

いえいえ。バシッと決めてはみたいけど(笑)。

──「ビバラ」の前夜祭でBRADIOを知る人も多いかもしれませんね。

きっと「なんだ、コイツらは?」的な空気になりますよ。でも、そういう人を巻き込んでいくのが楽しいんです。「うたパス」で僕らのことを知る人もいるだろうし。面白い時代ですよね。聴く音楽の幅は本人次第で広げやすくなってる気がします。デジタルサービスを使えば掘り下げやすいし、ルーツや歴史も見えやすいんじゃないかな。あと音楽アプリで「これも好きかも?」ってすすめてくれるじゃないですか? 僕、ああいうのはけっこうチェックしますよ。自分の好きな音楽に対しては貪欲に。で、盤を買いに行ったりする。

auスマートパス・うたパス presents 「VIVA LA ROCK 2017 前夜祭」
2017年5月2日(火)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ CAVE STAGE
OPEN 18:00 / START 19:00 / END 22:00(予定)
出演者 Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永) / BRADIO / フレンズ / リーガルリリー / DJライブキッズあるある中の人
25歳以下の「auスマートパス」「うたパス」会員1200名様をご招待。詳しくはコチラ
VIVA LA ROCK 2017
  • 2017年5月3日(水・祝)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
    OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30(予定)
  • 2017年5月4日(木・祝)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
    OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30(予定)
  • 2017年5月5日(金・祝)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
    OPEN 9:00 / START 10:30 / END 20:30(予定)
BRADIO(ブラディオ)

真行寺貴秋(Vo)、大山聡一(G)、酒井亮輔(B)、田邊有希(Dr)の4人からなる“日常に彩りを加えるエンターテインメント”をコンセプトに活動するロックバンド。多彩なビートを生み出すリズム隊を軸にしたサウンドや、シャウトやファルセットを使い分ける個性的なボーカルが話題を呼ぶ。2013年10月に1stミニアルバム「DIAMOND POPS」をリリース。2014年には「TREASURE05X」や「イナズマロック フェス」といったライブイベントにも出演した。2015年6月には1stフルアルバム「POWER OF LIFE」を発表する。2017年1月には2ndフルアルバム「FREEDOM」をリリースし、3月から今作を携えたワンマンツアー「FREEDOM tour 2017」を開催中。


2017年4月10日更新