音楽ナタリー Power Push - T-SQUARE

結成40周年 “音楽の宝”追い求める冒険者たち

そもそもEDMって何?

──坂東さんは、本作では9曲中5曲を書き下ろしています。曲作りに際して、今流行っている音楽の感覚をバンドに取り入れたいという思いはあったのですか?

坂東慧(Dr)

坂東 それは大きくありました。だからタイトル曲「Treasure Hunter」ではEDMを意識しましたね。EDMって今までのT-SQUAREにはなかった音ですから。

──EDMはお好きなんですか?

坂東 以前はそんなに聴かなかったんですけど、サポートドラマーとしてさまざまなミュージシャンの楽曲をライブで演奏していくうちに、EDM的なアプローチからT-SQUAREの音を作ってみたら面白いのでは?と、自分の中で盛り上がってきて作ったっていう流れがあるんですよ。

──ポップなメロディとグルーヴ感で楽しませるT-SQUAREのサウンドと、EDMってジャンルこそ違いますけど、共通点があるような。

伊東 俺はお口ポカーンだね。君たちが何を話しているのか、さっぱりわからない(笑)。そもそもEDMって何?

──“エレクトロニックダンスミュージック”の略です。

伊東 なんだ、そういうことなんだ(笑)。1980年代に“クラブミュージック”という言葉ができる前から、そういうエレクトロニックなタイプの音に興味がありましたし。実際に試したこともありますよ。

──河野さんはEDM好きですか?

河野啓三(Key)

河野 僕は率先してEDMを聴くタイプではないですけど、最近はラジオなどで耳にする機会が増えましたね。例えば移動中に耳にしたりすると、職業柄なのかどうしても初めて聴く音に敏感になっちゃって、目的地を通り過ぎてしまうこともあります(笑)。それが今回の楽曲制作にどういう影響をもたらしたのかは、自分ではよくわからないですが。

安藤 僕も最近になってひさびさに車でラジオを聴くようになったんです。そこで今、こういう若手がいるんだとか、こういう音楽が流行っているんだとかを知って。でもジャンルや流行がどうこうという理由で音楽を判断することはないです。例えば近年流行っているEDMにしたって、いいものもあるし、つまらないものもある。一番大切なのは、楽曲の完成度。僕の場合はそれがメロディのよさということなんですけど、それがちゃんと構築されていれば、どんなタイプの音楽でも好きですね。最近だと、星野源さんや三浦大知さんの楽曲が素晴らしいと思いました。

目を引くやんちゃなアルバムアートワーク

──河野さんは本作で「Metro 7」「Pearl of the Adriatic」の2曲を書き下ろしていますね。

河野 伊東さんと安藤さんがこのバンドの顔だと思うんですけど、あえてそれを意識しない楽曲を収録したかったんです。「Metro 7」は伊東さんのサックスをひたすら強調させた曲にしてますけど、「Pearl of the Adriatic」は自分の楽器をふんだんに使った”ピアニスティック”なものに仕上げました。

──「Pearl of the Adriatic」もそうですし、「Treasure Hunter」も個人的にはアニメのサントラに入っていそうなキャッチーな印象を受けました。

坂東 アルバムジャケットはアニメっぽいですけど、特にそこは意識していなかったですね(笑)。「Treasure Hunter」は“これから冒険に出かけていくぞ”という気持ちを込めて作りました。

安藤正容(G)

安藤 ジャケットのイラストに関しては確かにアニメとかゲームっぽいですよね。最初は、もっと冒険映画のようなイメージを伝えていたんですけど、時間的に間に合わなかったみたいで(笑)。最終的に青木幹夫が持ってきたデザインが採用されました。でもフォントだけは冒険映画っぽいでしょ?(笑)これがT-SQUAREのアルバム?って驚きがあるだろうし、結果的によかったんじゃないかな。

河野 最初見たときは、「こうなったんだ……」って正直思いましたけど、アルバムのテーマに沿ったいいジャケットだなって思いますよ。

伊東 ジャケットも含め、今のバンドの状況がきちんと表現できているアルバムになっていると思います。やんちゃなイメージというか、がんばっている感じが。

──一方、安藤さんが書き下ろした「Night Light」は、美しいメロディで陶酔感に満ちた仕上がりになっていますよね。

安藤 とにかくフリーにギターを弾きたくて作った曲ですね。ほかのメンバーは、T-SQUAREでやるときはコレ!とか、ちゃんとバンドのことを考えて作曲してると思いますけど、僕はそういうのを考えないんで。僕はみんなの役割を考えずに曲を作っています(笑)。

伊東 これは、譜面に起こしにくいメロディの曲なんですよ。カチッとしているメロディが多いT-SQUAREの楽曲の中で、安藤は最近こういうタイプの楽曲を提示するようになってきましたね。彼の作曲家の部分と演奏家の部分が融合している感じがするし、ハートやセンスが出ているなって思います。

ニューアルバム「TREASURE HUNTER」 / 2016年4月27日発売 / [CD+DVD] 3700円 / T-SQUARE Music Entertainment / OLCH-10003
ニューアルバム「TREASURE HUNTER」
CD収録曲
  1. Treasure Hunter
  2. Chops!!
  3. Metro 7
  4. Night Light
  5. 7-6-5
  6. Pearl of the Adriatic
  7. Double Rainbow
  8. Scissors Paper Rock
  9. Last Scene
DVD収録内容

「T-SQUARE LOOK BACK second half of 2015」

  1. Prologue
  2. T-SQUARE Live at 「VOYAGE to Jarasum」 / 「Jarasum International Jazz Festival」
  3. Truth(THE SQUARE YEAR END LIVE 2015.12.26 AT KOBE CHICKEN GEORGE)
  4. Travelers(THE SQUARE YEAR END LIVE 2015.12.27 AT KOBE CHICKEN GEORGE)

T-SQUARE「ツアー2016『Treasure Hunter』」

2016年7月2日(土)
東京都 中野サンプラザホール
2016年7月9日(土)
大阪府 なんばHatch
2016年7月18日(月・祝)
愛知県 Zepp Nagoya
2016年7月24日(日)
福岡県 電気ビルみらいホール
2016年7月29日(金)
大分県 BRICK BLOCK(※延期)
2016年7月30日(土)
鹿児島県 CAPARVO HALL(※延期)
2016年7月31日(日)
熊本県 熊本B.9 V1(※延期)

※大分・鹿児島・熊本公演は、熊本および大分での地震の現況を考慮し、今秋に延期となりました。詳細はオフィシャルサイトまたはFacebookページにてお知らせします。

問合せ先:RGプランニング 096-320-8777(平日10:00~18:00)

T-SQUARE(ティースクエア)
T-SQUARE

1976年に安藤正容(G)を中心に結成されたインストゥルメンタルバンド。現在のメンバーは安藤、伊東たけし(Sax, EWI, Flute)、河野啓三(Key)、坂東慧(Dr)の4人。THE SQUARE名義で1978年に1stアルバム「LUCKY SUMMER LADY」でデビューし、1989年にT-SQUAREに改名した。1987年発表のアルバム「TRUTH」の表題曲はフジテレビ「F1グランプリ」のテーマ曲として有名。日本のみならず海外でも精力的に活動しており、アメリカや韓国など国外でも人気を得ている。2008年5月には旧メンバーも参加したスペシャルバンド・T-SQUARE SUPER BAND名義でデビュー30周年記念アルバム「Wonderful Days」を発表。同年9月、東京・日比谷野外大音楽堂で「T-SQUARE 30th Anniversary Concert 2008 “野音であそぶ”T-SQUARE SUPER BAND THE SQUARE×T-SQUARE~since1978」を開催し、歴代メンバーが一堂に会してライブを行った。2013年4月にデビュー35周年記念アルバム「Smile」をリリースした。その後2014年6月に「NEXT」、2015年7月に「PARADISE」と1年に1枚のペースでスタジオアルバムを発表。結成40周年のアニバーサリーイヤーとなる2016年、4月27日に通算42枚目のアルバム「TREASURE HUNTER」をリリースし、7月には全国7都市を巡るツアーを開催する。