ナタリー PowerPush - THE ポッシボー

まだまだ行ける! 右肩上がりな結成7年目の現状

THE ポッシボーのニューシングル「全力バンザーイ!My Glory!」が4月10日にリリースされる。このシングルはビクター内に新設されたガールポップ / アイドル専門レーベル「バージョンミュージック」の第1弾作品。ここ最近の彼女たちを象徴するような、勢いあふれるパワフルなポップロックに仕上がっている。

ナタリー初登場となる今回はメンバー5人に新曲について話を聞きつつ、前作「なんじゃこりゃ?!」リリース以降の活動を振り返ってもらった。

取材・文 / 西廣智一 撮影 / 笹森健一

「なんじゃこりゃ?!」以降ライブに来てくれる人が増えた

──THE ポッシボーは2011年夏の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2011」以降、さまざまなアイドルグループとイベントで競演してます。でもそれ以前はあまりほかのアイドルと競演することはなかったですよね?

岡田ロビン翔子 なかったです。ずっと。

橋本愛奈 ほかのアイドルとあんなに絡んだのはTIFが初めて。すごく新鮮でしたね。

諸塚香奈実 かなり刺激になりましたし。

後藤夕貴 以前は楽屋で会って軽く挨拶する程度だったけど、最近では仲良しのアイドルグループも増えたので顔を見ると逆に安心するし。

秋山ゆりか どんどん仲が深まっていって、一緒にごはん食べに行ったりとか。以前とは環境がガラッと変わりましたね。

──イベントに出演すると、それまでTHE ポッシボーを観たことがなかったお客さんの前でもパフォーマンスする機会が増えますね。

後藤 THE ポッシボーの名前は知ってたけどライブを観たことがなかった人が、イベントライブで初めて観て「THE ポッシボーのライブ、よかったな」って言ってくれるようになって、そこから握手会に来てくれる人も増えてます。

岡田 特に「なんじゃこりゃ?!」のリリース以降「TIFで初めてライブを観ました」とか「Twitterで初めて知りました」とか、改めてTHE ポッシボーを知ってライブに来てくれる人が徐々に増えた気がしていて。「来てるな」とまでいかないですけど、以前よりもいろんな人が目を向けてくれてるなっていうのは感じます。

このメンバーじゃなかったらここまで続いてない

──ハロプロを離れて5、6年経ってもTHE ポッシボーがこのメンバーで活動を続けていられることって、実は奇跡的なことだと思うんです。それこそモーニング娘。のように10年以上続いているグループはあるけど、ほぼ同じメンバーで活動が続いてるグループはあまりないですし。メンバーの卒業はあったけど、それでもこの5人で変わらず続けてこられたモチベーションって何だったんでしょう?

諸塚香奈実

諸塚 この5人だったからこそ続けてこれただけで、逆にこのメンバーじゃなかったらここまで続いてないと思う。

岡田 それはある。

橋本 この5人じゃないと今のこの雰囲気やグループ感っていうのは出せなかっただろうなって思いますね。

諸塚 なんだろうね?

後藤 同じ元ハロプロエッグだったアップアップガールズ(仮)のメンバーとひさびさに会うと、「あ、やっぱりエッグで一緒にがんばってきた仲間だな」ってすごく感じるんですけど、アップアップの雰囲気とポッシの雰囲気って真逆ってくらいに違っていて。アップアップはキャピキャピしていて、ポッシも盛り上がるところはあるけど、どこかちょっとサバサバしてるし。たぶん私たちって、女の子特有のキャピキャピした雰囲気が苦手な子たちなんですよ。だから一緒にいると変に落ち着くし、それでずっと続けようと思えたんです。

諸塚 大きいステージでも歌ったし、それこそ洗濯機の前でイベントをやったりもしたし、どこに行っても一緒で。青春時代というか、自分の10代の一番大切な時間の、うれしいことも悲しいことも全部一緒に感じてきたから。

橋本 7年間の熱い絆がね。

一同 あははは(笑)。

諸塚 改めて言うと恥ずかしいからやめよう(笑)。そういうの本当に恥ずかしいから。

中途半端な立ち位置だなとずっと思っていた

──じゃあこの7年間で「つらいな、もう辞めようかな」って思ったことはありましたか?

諸塚 2年間シングルを出さなかった時期(2010年10月~2012年8月)があって。その時期はたぶん、みんなそれぞれ考えたことがあるんじゃないかと思います。

岡田 それぞれちょうど高校を卒業したり、もうすぐ20歳っていうタイミングだったし。

──それはお互い口に出したりすることはなかった?

橋本 なかったね。

岡田 その2年間はなんかふわふわしていたというか。ふわふわしたまま進んでいた感じ。

秋山ゆりか

秋山 自分もそういう気持ちだった。で、ほかのメンバーからもそういう空気が漂ってるなとは感じていて。

後藤 うん。なんとなく感じるぐらい。

秋山 あえて聞いたりはしないんです。

岡田 聞けないみたいな(笑)。聞けないけど、心の中では「どうする?」ってメンバーに問いかけてるみたいな。

──でもそんなつらい状況からここまで持ち返すことができたのは……。

岡田 逆にすごいですよね(笑)。

秋山 特にアイドルの場合は、1回フェードアウトしかけたら普通はそこで終わっちゃうことが多いじゃないですか。

橋本 本当に、意地になってしがみつきましたよね。「絶対に負けない!」みたいな気持ちがみんなの中にあったんだろうなって思います。

──ここ数年のアイドル界の盛り上がりを前にして、もう一旗あげなきゃっていう気持ちもあった?

秋山 ありました。私、自分たちのことを中途半端な立ち位置だなとずっと思っていて。ハロプロの盛り上がりが一段落した頃にエッグの一員としてハロプロに入って、グループとしてはAKBさんとほぼ同期で、同じ秋葉原でかたやドン・キホーテ(AKB48)、かたや石丸電気でライブをやっていて、そのうちにワーッとアイドルブームが始まっていろんなアイドルが出てくる中、THE ポッシボーはハロプロでもないし、ピチピチのアイドルでもない、中間の立ち位置なんです。でもここまで続けてきたんだったら、うちらにしかできないこともあるんじゃないかって気づいて。みんな歌が好きだし、ライブが好きだから、そこを突き詰めていこうって決めたんです。

ニューシングル「全力バンザーイ!My Glory!」 / 2013年4月10日発売 / Victor Entertainment
通常盤 [CD] / 1000円 / VICL-36771
タイプA / ロビン盤 [CD] / 1200円 / VICL-36772
タイプB / はしもん盤 [CD] / 1200円 / VICL-36773
タイプC / あっきゃん盤 [CD] / 1200円 / VICL-36774
タイプD / もろりん盤 [CD] / 1200円 / VICL-36775
タイプE / ごとぅー盤)」 [CD] / 1200円 / VICL-36776
通常盤収録曲
  1. 全力バンザーイ!My Glory!
  2. さぁ来い!ハピネス!
  3. 全力バンザーイ!My Glory!(instrumental)
  4. さぁ来い!ハピネス!(instrumental)
ソロ盤収録曲
  1. 全力バンザーイ!My Glory!
  2. Blossom~だからね 絶対だよ。~
  3. 全力バンザーイ!My Glory!(instrumental)
  4. Blossom~だからね 絶対だよ。~(instrumental)
  5. 全力バンザーイ!My Glory!(各ジャケットメンバーのソロバーカルバージョン)
THE ポッシボー(ざぽっしぼー)

つんく♂プロデュースによる女性アイドルグループ。現在のメンバーは秋山ゆりか、岡田ロビン翔子、後藤夕貴、橋本愛奈、諸塚香奈実の5人。2006年、ハロプロエッグのメンバーにより結成されライブやリリースを重ねていく。2007年10月にハロプロエッグを卒業し、NICE GIRL プロジェクト!に所属。2009年8月より現在の5人になり、精力的な活動を展開する。2012年8月、ビクターエンタテインメント移籍第1弾シングル「なんじゃこりゃ?!」を発表。2013年4月にはビクター内の新レーベル「バージョンミュージック」からニューシングル「全力バンザーイ!My Glory!」をリリースする。