ナタリー PowerPush - THE 野党

軽快なフットワークが生み出した刺激的新作「9:10 pm」

昨年2月にリリースした1stアルバム「8:10 pm」から約1年。新藤晴一(ポルノグラフィティ)、SHOCK EYE(湘南乃風)、トラックメイカーの篤志が結成したユニット・THE 野党のニューアルバム「9:10 pm」が完成した。

前作では異ジャンルで活躍する3人の化学反応により、濃厚で振れ幅の広いナンバーを聴かせてくれた彼ら。待望の2ndアルバムもそれを上回る驚きと興奮が詰まったバラエティ豊かな1枚となっており、うち3曲は親交の深いアーティストとの刺激的なコラボ楽曲。THE 野党というユニットのコンセプトを改めてなぞりながら、3人に今作の制作秘話を訊いた。

取材・文 / 川倉由起子

湘南乃風のメンバーが「楽しそうで良かった」って

──1stアルバム「8:10 pm」リリース以降、THE 野党はどのような活動をしていたんですか?

新藤晴一 そもそもTHE 野党は1回きりのプロジェクトとして始まったものではないので、そこはほかのグループと同じように。1stを出して次は2ndだね……っていう感じで、普通に制作は続けていました。

──じゃあこの1年はリリースこそありませんでしたが、THE 野党としての動きは止まっていなかったと。

新藤 そうですね。制作をいったんストップしていたっていうわけではないです。ただ3月に東日本大震災があって、みんなほかにもいろいろ考えることがあったりして。で、6月くらいかな? また徐々に集まって、制作を本格的に始めたのは。

──ちなみに前作のリリース後は、皆さん本体の活動とTHE 野党を両立させてきたわけですが、双方にフィードバックできたことは何かありましたか?

SHOCK EYE 間接的なことで言えばたくさんありましたね。「8:10 pm」の反響とか、自分がそこで受けた刺激は本体に絶対いい影響を及ぼしてると思うし。具体的なところでいうと、ひとつは自信。本体から自分ひとりで外に出ていって、(ガッツポーズで)かましてきたぜー!みたいな。初めて目にするものや、これまでと全く異なるジャンルのセッションを経験して得たものが多くありましたから、「こんなことがあってさ……」みたいな話を(湘南乃風のほかの)3人にしてました。

──新藤さんはいかがでしたか? THE 野党を経てのポルノグラフィティの活動は、また違った感触はありましたか?

新藤 THE 野党はみんな本体に確固たるものやキャリアがあるから、そんな簡単に変わるっていうものではないと思うんですけど……でも視野という意味では確実に広がったと思うし、それがいい影響を与えたかはわからないけど、与えていないとも言い切れない。あまり比較論で考えないので変な表現になってしまうんですが、その広がった視野で本体の活動を見られるようになったところもあるとは思います。

──湘南乃風のメンバーからTHE 野党についてのリアクションは?

SHOCK EYE 僕はRED(RICE)と(若)旦那がライブを観に来てくれて、「楽しんでる感じでいいじゃん」って。REDなんて「俺も混ぜて!」って言ってましたよ。多分、俺らは全員が歌い手だしライバル関係でもあるので、お互いがすごく気になるんです。で、いいもん作ってたら「この野郎、カッコいいじゃねーか!」って(笑)。僕自身もそういう思いをほかのメンバーに感じることがよくあります。

「メル友か!?」ってくらいのやり取り

──では、ここからは2ndアルバム「9:10 pm」についてじっくりと。まず、タイトルが前作から1時間進みましたね。

新藤 これはなんというか、単純にライトな発想で(笑)。

SHOCK EYE 1時間進んで、飲みもよりディープになってきたっていうか(笑)。

篤志 だんだん盛り上がってきた感じですね。

──全体的な制作スタイルは前回同様、まず篤志さんがトラックを作って……という感じですか?

篤志 そうですね。アトリエに集まって「今こんなのが欲しい」っていうアイデアをバーッと出し合って、その“タネ”になるものが決まったら持ち帰ってトラックを作る、というのが基本的な流れでしたね。必ずしも3人同時に集まるわけじゃなく、SHOCKさんに提案されたトラックをリアレンジして返すとか、晴一さんからリフをもらってトラックにするっていう遠隔作業も多かったですけど。

──皆さん、本体の活動もそれぞれ忙しかったですからね。

SHOCK EYE はい。だから相当工夫しましたね。今って、メールやらSkypeやらでいろいろできちゃうんですよ。顔を合わせて作らなきゃいけない作業っていうのも絶対あるけど、みんながそれぞれのフィールドでしっかりやってる方たちなので、そういう信頼感もあるし。今回は宿題スタイルの部分も結構あって、そのやり取りの多さときたら「俺らメル友か!?」ってくらいでしたよ(笑)。

篤志 1stを経ての今作なので、この人にこれを渡したらこのくらいでレスが返ってきて……っていうのがつかめてた部分も大きくて。そういった信頼関係ができていたので、前回よりいろいろなやり取りがスムーズでしたね。

ニューアルバム「9:10 pm」/ 2012年4月25日発売 3059円(税込) / SME Records / SECL-1042 / Amazon.co.jpへ

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CD収録曲
  1. Second H.S.A
  2. Golden Hen
  3. Better Days with TEE
  4. UNCHAIN
  5. 帚星
  6. My Steady Home
  7. ゲラップ!!!
  8. Brave Heart
  9. Break JAM with Diggy-MO'(SOUL'd OUT)
  10. ヘイ!タクシー
  11. Cradle Song
  12. 一滴 with 吉井レイン
LIVE INFORMATION

THE 野党の野会 ~vol.0~
2012年4月13日(金)東京都 渋谷Glad
OPEN 18:30 / START 19:00
※SOLD OUT

Ray-Van
2012年4月20日(金)東京都 渋谷club asia
OPEN&START 23:00

THE 野党(ざやとう)

新藤晴一(ポルノグラフィティ)、SHOCK EYE(湘南乃風)、篤志の3人からなるユニット。音楽番組出演やアルバム制作を通じて知り合った3人が2010年に結成し、約1年にわたって音源を制作。2011年2月に1stアルバム「8:10 pm」をリリースし、その直後より全国6公演の初ツアー「遊説2011 ~First~」を開催した。その後も楽曲制作を継続し、2012年4月25日に約1年2カ月ぶりのニューアルバム「9:10 pm」をリリースする。