朝ドラに出たいかどうかで言えば出たい
──考えたら真部さんも西浦さんも、自分のバンドがメジャーレーベルに所属するのは今回が初めてなんですね。
真部 正直言って、今この時代にメジャーレーベルからリリースするメリットってアーティストにとっては少しもないんですよ。でも僕は、メジャーデビューというものをしてみたかった。1985年生まれの自分は、バブル期の残り香だけを嗅いで育ったような世代なので、自分の妄想の中にあった“豪華絢爛なメジャーの世界”というものに対して折り合いを付けたい思いがあったんです。
──なるほど。
真部 相対性理論では個人事業主的にレーベルをやっていたんですけど、大きな会社が共同歩調をとって何かするとやっぱり強いなと、メジャーレーベルがトップダウンで人海戦術を使ったら勝てないものなんてないんだなと、ずっと思っていたんです。インディーズの現実を知る10年間だったわけなんですよね。だからその、僕の中で1つやり残した気持ちになっているものに、ただの青い誇大妄想なのかもしれないけど、ちゃんと現実的な行動として挑戦してみたいなって。
──齋藤さんはメジャーデビューというものについて感慨はありますか?
齋藤 私は音楽に興味がなさすぎて、インディーズとメジャーの違いがわからないし、メジャーデビューがすごいというのがまったくピンときてないです。
西浦 それは世代的なものなのかもしれない。
──ちなみに齋藤さんは、そもそも何になりたくてミスiDに応募したんですか?
齋藤 いや特に。ノリです。
真部 わはは(笑)。
齋藤 別にこういう芸能関係の仕事にめっちゃ興味があったわけではないし。私は20歳まで11年半ずっとバレーボールしかやってこなかったんですけど、バレーボールを辞めたときに、何もしていない自分にすっごい違和感があって。代わりに何かできることないかなと思ってたら、TwitterでたまたまミスiDっていう変なオーディションをやってるのを見つけたんです。
──それですかさず応募したと。
齋藤 いや、そのときはまだ募集が始まってなかったので、あとで受付期間になったら応募しようと思って。でも「別に特技とかあるわけじゃないし、面接で何も話せないな」とか考えてるうちに募集が終わってて……と思ったらなぜか期間が1週間延びてたので、とりあえずやってみようかって感じで、受かる気もなくポンって応募しました。
西浦 それでファイナリストか。なんかドラマチックなのが癪だね。
真部 いやー、すごく嫌いだな。そういう奴は。
西浦 これで「本人じゃなくて友達が勝手に応募しました」って言ってたら殴ってたかも。
齋藤 なんでそういうこと言うんですか(笑)。
真部 「芸能に興味あったわけじゃない」って言うけど、最初に会ったときは「朝ドラに出たいんです」って言ってたよね。
齋藤 応募したときは興味なかったんですけど、2次審査で「なんかやりたいことないの?」って言われたときに「朝ドラに」みたいな……。
真部 朝ドラって言っとけばいいやって? それすごいな、ちょっと(笑)。
齋藤 真部さん、いろんな人に「『朝ドラに出たい』って言うんですよ、この人」みたいにめっちゃ言うんですけど、私そんなに「朝ドラ出たい! 朝ドラ出たい!」って言ったつもりないんですよ。
真部 なんだ、それが本気だったらちょっと僕もキュンとするなと思ったのに。その話を聞いてちょっとがっかり。
齋藤 でも出たいです。
西浦 出たいのは出たいんや。
齋藤 出たいかどうかで言えば出たい。朝ドラに出てるってカッコいいですよね。そういう理由です。
齋藤と仲良くなれる人を募集
──4月にお披露目ライブをやって、この3人でステージに立ってみて手応えは感じましたか?
真部 とにかく合わないんです。不思議なくらい(笑)。合わないとどうなるかというと、メンバーがそろってないせいにし出す。
西浦 今いない人に責任転嫁する。
真部 でも、1つひとつ噛み締めるように演奏のタイム感を合わせていく作業が本当に新鮮で、僕は楽しんでやってますね。
──さっき「バンドの組み方がわからない」って話をしていましたが、本当にバンドを初めて組んだ人たちみたいな状況なんですね。
西浦 だから「この10年はなんだったんだろう」ってヘコみますよ。まあ、フレッシュ感があって、いかにもメジャーデビューっぽくていいんじゃないですかね。
──集団行動は現在バンドメンバーを募集していますが、バンドの完成形はイメージできてるんですか?
真部 僕の中ではまだ完成形は見えないんですよ。どんな人が来てほしいというのも特になく、人数も特に決めてません。今の僕の興味は「バンドという装置を作りたい」ってことだけなので、それに対してよりオープンな姿勢でいたいんです。
──1年後にものすごい大所帯バンドになってることもありえるんですね。
西浦 渋さ知らズみたいになってるかもしれない。
真部 可能性としてはありますね。
──じゃあ、ボーカルが増えることもありえる?
真部 ボーカルが増える可能性もとっておきたいんですよね。この人は嫌がってますけど。
齋藤 いやいや、そんなことないです。
真部 木こりが泉に鉄の斧を落としたら金の斧になって戻ってくるっていう童話があるじゃないですか。僕にとってバンドというのはこの泉なんですよ。自分でも把握できないものを作ったときに、そこに投げ込むと思いもよらない形に変えてくれるブラックボックス。
西浦 うわー、なんか今すごいプレッシャーかけられてますね、僕。
──齋藤さんはどんな人に来てほしいですか?
齋藤 友達になれる人がいいです。ずっとバレーボールをやってたから性格が体育会系で、「チームワークが何より大切」って思ってるところがあるので。バンドってメンバーが集まって一緒に曲を演奏するわけじゃないですか。だから人間的に合わない人だと噛み合わない部分が出てきちゃうのかなって。楽器がうまければいいっていう問題でもないと思うし。
西浦 齋藤と仲良くなれる人を募集。
真部 と言うわけだ。これから応募してくれるみんな、気を付けてくれ。
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今は僕の芸風がスタンダードとして捉えられているかも
- 集団行動「集団行動」
- 2017年6月28日発売 / CONNECTONE
-
[CD]
2160円 / VICL-64801
- CD収録曲
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- ホーミング・ユー
- ぐるぐる巻き
- 東京ミシュラン24時
- バイ・バイ・ブラックボード
- 土星の環
- AED
- バックシート・フェアウェル
集団行動メンバー募集
- 応募資格
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- 年齢、性別等に制限はございません。
- プロ / アマは問いません。
- 集団行動のできる方に限ります。
- 応募方法
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メール
ct_audition@ve.jvcmusic.co.jp
※件名に「集団行動メンバー募集」と明記ください。
郵送
〒150-0011
東京都渋谷区東1-2-20 渋谷ファーストタワー
ビクターエンタテインメント CONNECTONE制作部
「集団行動 メンバー募集」係 宛 - 応募必要事項
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アーティスト情報
- お名前(所属しているマネージメントやレーベルがある場合は明記ください)
- 生年月日 / 年齢 / 性別
- 住所 / 電話番号 / メールアドレス
- その他プロフィール、HPアドレス等
写真
- 全身
- バストアップ(胸より上で顔がわかるもの)
音源
- 演奏または歌唱している音源をCD-RやDVD-Rなどに収録しお送りいただくか、演奏している動画をWEB上にアップしていただき、その動画のURLをお知らせください。
※ご応募頂いた方の中から、選考に通過された方のみにご連絡させていただきます。
- 集団行動の単独公演
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- 2017年9月13日(水)東京都 WWW
OPEN 18:15 / START 19:00
- 2017年9月13日(水)東京都 WWW
- 集団行動(シュウダンコウドウ)
- 相対性理論の元メンバーである真部脩一(G)、西浦謙助(Dr)と、女性アイドルオーディション「ミスiD2016」ファイナリストの齋藤里菜(Vo)によって2017年に結成。同年4月に東京・TSUTAYA O-EASTで行われたイベントにてお披露目ライブを行い、6月にビクターエンタテインメント内のレーベル・CONNECTONEよりメジャーデビューアルバム「集団行動」をリリースした。現在メンバー募集中。