ナタリー PowerPush - NANO-MUGEN FES.2012
アジカン山田&伊地知が語る 今年の見どころ、聴きどころ
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催する恒例フェスティバル「NANO-MUGEN FES.2012」が、今年も横浜アリーナで7月15日・16日に行われる。アジカンファンにはおなじみのバンドからフレッシュな新人アーティストまで、「NANO-MUGEN」ならではの豪華ラインナップが顔を揃えた。また、フェス直前の6月27日には、こちらも恒例のコンピレーションアルバム「NANO-MUGEN COMPILATION 2012」がリリースされる。この作品にはフェス出演アーティストと、前哨戦となった全国サーキットツアー「NANO-MUGEN CIRCUIT 2012」の出演アーティスト、合計22組の音源が収録されている。
今回ナタリーでは、記念すべき10回目の「NANO-MUGEN FES.」を直前に控えた主催者ASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田貴洋(B)と伊地知潔(Dr)にインタビューを敢行。今年のフェスの見どころや出演アーティストの魅力、コンピレーションアルバムの収録曲などについて、存分に語ってもらった。
取材・文 / 高橋美穂 インタビュー撮影 / 高田梓
今年の出演者はベストセレクト
──いよいよ今年の「NANO-MUGEN FES.」のラインナップが出揃いましたね。
伊地知潔(Dr) ぶっちゃけ、今回はあんまり気張ってないんですよ。っていうのも、いつもは何カ月も前からみんなで出演してほしいアーティストを書いたリストを出すんですけど、今年は10回目ということもあって、今まで出したリストの中からベストセレクトしたっていう。
山田貴洋(B, Vo) いや、でもSUEDEはびっくりしましたけどね。引き締まりました、こういう大物が入って。
伊地知 建ちゃん(喜多建介 / G, Vo)がリストで出していたんだよね。
──お2人がリストで出したアーティストは、今回は入っていますか?
伊地知 僕は2回目の出演になるSPACE COWBOYと、80KIDZと、MOTION CITY SOUNDTRACKかな。
──前にSPACE COWBOYが出演したときは、交流もあったんですか?
山田 すごくいい人だったよね。めちゃめちゃ腰が低いというか。
伊地知 通訳さんも言ってました、こんな優しい人はいないって(笑)。
山田 ライブも盛り上がったよね。
──80KIDZはどういう経緯で出演が決まったんでしょう。
伊地知 何年も前から挙げていたけど、スケジュールが合わなくて出てもらえなかったんです。去年は前夜祭には出てもらえたんですけど。今回やっと出演が実現しました。
──元々つながりもあるんですね。
伊地知 はい。僕が好きだ好きだって言っていたら、どっかで伝わって、全部CDをくれたんですけど、僕は既に全部持っていたっていう(笑)。
──じゃあ、MOTION CITY SOUNDTRACKのオススメポイントは。
伊地知 アジカンの1st、2ndあたりを好きな子は、絶対好きだと思います。後藤(正文 / Vo, G)も結構好きで。僕ら、あんまり音楽の話は合わないんですけど(笑)、彼らに関しては「カッコいいね」ってお互い言い合っていて。
Dr.DOWNERはドカンと行ってほしい
──山田さんがリストで挙げていたアーティストはいますか?
山田 僕はリストというよりは、今年は激プッシュしたいアーティストがいるので(笑)。
──プロデュースしている片平里菜さんですね(笑)。
山田 はい(笑)。まだちゃんと音源もリリースしていない、これからの子なので、本人もドキドキだと思いますけど。
──プロデューサー山田さんから見て、彼女の魅力って?
山田 びっくりしたのは歌声かな。コンテストで、1人でやっているライブを観たのが最初だったんですけど、1人だけ明らかにたたずまいが違ったんですよ。その歌声の魅力を引き出そうと思って、プロデュースするにあたっていろいろ考えました。
──片平さんもそうですし、アジカンの個々のメンバーとのつながりが見える出演者が多いですね。
山田 そうですね。メンバーがいろんな活動をし始めたこともありますし、これまでの蓄積があって出てくれている人たちもいますし。
──Dr.DOWNERは後藤さんがプロデュースしていることもありますけど、去年はサーキット、今年はフェスへの出演っていう積み重ねを感じますね。
伊地知 そうですね。僕は彼らとはアジカンに入る前から仲良しですからね。スタジオも一緒で、良きライバルとしてやってきた仲間なので、彼らがねえ、ドカンと行ってくれるとうれしいですよ。ライブもすごくいいので、広いところでも大丈夫だと思いますね。
──横浜アリーナでも、いつものようにステージを降りますかね?(笑)
伊地知 絶対降りますね(笑)。
山田 降ろさせてやろうよ、せっかくだから(笑)。
マネージャー 去年リヴァース・クオモ(WEEZER)が降りて客席を走っていたから、大丈夫(笑)。
──大物が前例を作っていますね(笑)。
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2012
2012年7月15日(日)
神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 10:00 / START 11:30
<出演者>
ASIAN KUNG-FU GENERATION / FOUNTAINS OF WAYNE / MOTION CITY SOUNDTRACK / MATES OF STATE / FEEDER / ストレイテナー / SPACE COWBOY / 秦基博 / Dr.DOWNER / PHONO TONES
and more
2012年7月16日(月・祝)
神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 10:00 / START 11:30
<出演者>
ASIAN KUNG-FU GENERATION / FOUNTAINS OF WAYNE / MOTION CITY SOUNDTRACK / MATES OF STATE / SUEDE / the HIATUS / チャットモンチー / 10-FEET / Chara / 80KIDZ / 片平里菜 / PHONO TONES
and more
コンピレーションアルバム ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2012
DISC1
- 夜を越えて / ASIAN KUNG-FU GENERATION
- フランジングサン / bloodthirsty butchers
- オルタナ・ガールフレンド / Chara
- Yes or No or Love / チャットモンチー
- Pascal & Electus / the chef cooks me
- We Rolled Again / The Cigavettes
- ロストホープ / Dr.DOWNER
- Turbo Town / 80KIDZ
- IDAHO / FEEDER
- Someone's Gonna Break Your Heart / Fountains Of Wayne
- 朝が来る前に / 秦基博
DISC2
- Superblock / the HIATUS
- 東京 LIFE / 岩崎愛
- 始まりに / 片平里菜
- PALOMINO / Mates of State
- True Romance / Motion City Soundtrack
- Underneath My Tree / OZMA
- The World Is Yours / PHONO TONES
- ほどけた靴紐 / QUATTRO
- ネクサス -acoustic version- / ストレイテナー
- Trash / SUEDE
- 淋しさに火をくべ / 10-FEET
ASIAN KUNG-FU GENERATION
(あじあんかんふーじぇねれーしょん)
1996年に同じ大学に在籍していた後藤正文(Vo, G)、喜多建介(G, Vo)、山田貴洋(B, Vo)、伊地知潔(Dr)の4人で結成。渋谷・下北沢を中心にライブ活動を展開し、エモーショナルでポップな旋律と重厚なギターサウンドで知名度を伸ばす。2003年にはミニアルバム「崩壊アンプリファー」がキューンレコードから異例の再リリースとなりメジャーデビュー。同年「FUJI ROCK FESTIVAL '03」や「SUMMER SONIC 2003」などの夏フェスに出演し、メジャー1stアルバム「君繋ファイブエム」を発表。2004年には2ndアルバム「ソルファ」でオリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得し、初の日本武道館ワンマンライブを行った。2010年には映画「ソラニン」の主題歌として書き下ろし曲「ソラニン」を提供し、大きな話題を呼んだ。2003年からは自主企画によるフェスティバル「NANO-MUGEN FES.」を開催。海外アーティストや若手の注目アーティストを招き、幅広いジャンルの音楽をファンに紹介する試みも積極的に行っている。2012年1月には初のベストアルバム「BEST HIT AKG」を、4月には最新シングル「踵で愛を打ち鳴らせ」をリリースした。6月27日発売のコンピレーションアルバム「ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2012」には、新曲「夜を越えて」が収録される。