EDMはスポーツ

山口　まあこんな話をしてたら、たぶんフェスに呼ばれなくなるんだけど。

石毛　あはは（笑）、俺らは休むんで大丈夫ですけどね。あと、あっち系はどうですか？ 「ULTRA JAPAN」とか。すごく動員あるんですよね。

山口　「ULTRA」のときってあれでしょ？ 新宿のキャバ嬢とかみんな休むんだってね。

石毛　そこの客層が動くんですよね。だってアヴィーチーとか、その気になったら武道館くらい余裕でできるだろうし。

山口　武道館はやらないだろうけど（笑）。でもEDMはスポーツだよ。日本のロックもそうなってきてるけど。

石毛　機能的ですよね。それはそれですごいことだと思う。問題なのはリスナーがそこから先に行かないことなんです。アヴィーチーとかゼッドとか聴いてる子は、ヘタしたらThe Chemical Brothersすら知らないかもしれない。その場が楽しければいいっていうものになってるでしょ。

山口　そうだね。マイルドヤンキー層にウケる音楽はやっぱり売れるし、評価される。そういう新しく生まれたものに対抗しようとするのって無謀なんだけど、でも自分たちが思う音楽の面白さを問いかけていかないと、本当にただ機能性の高い音楽だけになって、音楽っていうもの自体がすごく悲しい結末を迎えると思う。そこをあきらめないで、ちゃんと信じてやるっていうのが、たぶん俺らの仕事だと思うんだよね。

11月3日はバッキバキのステージを

石毛　あ、そうだ。11月3日出演ありがとうございます。

山口　いやいや、誘ってもらえてうれしかった。当日は何かしないの？ 「サライ」的な。

石毛　あはは（笑）。何か面白いことできればいいんですけど、今はまだ考えられないですね。サカナクションはどんな感じになりそうですか？

山口　俺らはツアー始まってるから、たぶんバッキバキだと思うよ（笑）。きっとすごいことになる。

石毛　恐ろしいけど負けないです（笑）。でもツアーの真っ最中で来てもらうの申し訳なくて。普通なら断るタイミングじゃないですか？

山口　ふふふ（笑）。じゃあ逆だったら断る？

石毛　絶対断らない（笑）。

山口　その代わり、あれだよ、もしサカナクションが解散とかってときはthe telephonesでライブやってね。

石毛　すぐみんなに電話します。「やるぞ！」って。

山口　復活だ（笑）。

石毛　受けた恩は返さなきゃ（笑）。

山口　あと俺が死んだら葬式でお焼香しながら「DISCO!!!」って言ってね。

石毛　絶対やだ（笑）。怒られるから心の中で言いますよ。

山口　いや、ちゃんと声に出して（笑）。でも本当に11月3日は楽しみにしてるんだよね。

石毛　曲のリクエストとかしたら応えてくれるんですか？

山口　応えない。

石毛　即答だ。ちょっと考えてくれてもいいのに（笑）。

山口　いや、けっこう演出とか準備があるからさ。でも絶対期待には応えるよ。

石毛　ありがとうございます。楽しみにしてます！