ナタリー PowerPush - 伊藤祥平

憧れの人と同じ世界へ 22歳の超絶ギター青年現る

コミックナタリーPower Pushにて伊藤祥平×阿部敦「バクマン。」対談公開中!

デビュー曲「Dream of Life」が人気アニメ「バクマン。」第2シリーズのオープニングテーマに起用され、一躍注目を浴びている新人シンガーソングライター・伊藤祥平。弱冠22歳ながら卓越したギターテクニックを持ちソウルフルなボーカルを響かせる彼は、エリック・クラプトン、ルーサー・ヴァンドロス、レイ・チャールズ、デイヴィッド・T・ウォーカーなどの偉大なアーティストを、こよなく愛する誠実で実直な青年だった。

今回、伊藤は自慢のアコギを大切そうに抱えながらインタビューに応えてくれた。音楽とともに歩んできた彼の半生、メジャーデビューを果たした今の心境、そしてこれからの夢について迫る。

取材・文 / 鳴田麻未 インタビュー撮影 / 中西求

最初はクラシックギターにスチール弦を張って弾いていた

──早速ですが、伊藤さんの生い立ちについて訊かせてください。ギターを初めて手にしたのは10歳とのことですが、それ以前はどんな子供だったんですか?

伊藤祥平

親から聞いた話だと、家族旅行のときバスの中でCHAGE and ASKAさんの「SAY YES」を歌ったり、保育園にアンパンマンのCDを持参していったりしてたそうです。その頃の思い出も割と音楽に関連することですね。

──音楽が特別好きだという自覚はあったんですか?

好きっていう感情が芽生える前から、ブラックミュージック好きの両親の影響で、生活の中で自然と音楽を耳にしていたと思います。

──その後10歳でギターを始めたのは、どういうきっかけで?

小学5年のとき、友達と地元のお祭りに行ったら、お祭りのステージで人気のJ-POPソングを弾いているお兄さんがいたんですよ。それを見て自分も弾きたいなっていう気持ちが沸き起こって、母親にせがんでギターを買ってもらいました。でも最初は、クラシックギターだったんです。

──今メインで使っているアコースティックギターではなくて。

ギターに種類があることすらわからなくて、当時はクラシックギターにスチール弦を張って弾いてたんですよ。10歳でクラシックギターでスチール弦って結構無茶なことだと思うんですけど(笑)。で、練習し始めてようやくアコースティックギターっていうのがあるんだって認識できて、翌年自分のお年玉で2~3万円のギターを買いました。そこから徐々にギターっていうものをもっと知りたくなっていったんです。

「これは"ジョージ・ベンソンコード"だな」

──でも当時はまだ小学生なわけで、ギターはかなり高額な買い物ですよね。

そうなんです。だからすごく大切にしましたね。ただ、そのギターは友達に取られちゃって、今どこにあるのかわからないんですけど(笑)。

──そうなんですか(笑)。じゃあほかに、歴代のギターで思い出深いものはありますか?

伊藤祥平

中学校に上がって塾に通い出したんですけど、塾の先生がエリック・クラプトンの大ファンで、仲良くしてるうちに、先生が当時使ってたMorris W-50っていうものすごく枯れた良い音が出るギターを譲ってくれたんです。それが今までで一番長く使ったものですね。

──ギターの演奏テクニックはどのように習得していったんですか? それこそ塾の先生や周りの人に教えてもらったり?

ギターの演奏は全部、好きなアーティストのCDから学びました。音楽理論や専門用語はあまり勉強せず、例えば……(アコギを鳴らしてみる)「この和音はちょっとデイヴィッド・T・ウォーカーぽいな」とか「これは"ジョージ・ベンソンコード"だな」とかいう感じで(笑)。

──お手本のセレクトがめちゃくちゃ渋いですね。

ロバート・ジョンソンだったり、B.B.キングだったり、ああいった黒人ブルースに対する憧れが強いんです。多分ルーツを探っていった結果こうなったんですよね。例えばクラプトンを好きになったら、クラプトンが自分と同じ年齢のときに何を聴いていたか気になって、彼のようになりたいなら同じ音楽聴かないとなって調べてみたり。

──なるほど。しかし1989年生まれの中学生でそこに興味を持つなんてなかなか珍しいですよね。

だから学生時代は、友達よりも先生と音楽の趣味が合っちゃって。高校生ながらバーみたいなところに行ってセッションを観たり、そこに集まるおじさんたちからオススメの音楽を教えてもらったりして、おじさん集団とコミュニケーションを取ってました(笑)。

ニューシングル「Dream of Life」 / 2011年12月7日発売 / 1000円(税込) / Warner Music Japan / WPCL-11012 / Amazon.co.jpへ

CD収録曲
  1. Dream of Life
  2. My Friend
  3. Music on my mind (one take ver.)
伊藤祥平(いとうしょうへい)

1989年7月31日生まれ。福岡県久留米市出身のシンガーソングライター。10歳の頃、知人の影響でギターを弾き始める。エリック・クラプトンをこよなく愛し、クラプトンのルーツを探求していくうちR&B、ソウル、ジャズや黒人ブルースに魅せられ、ギターテクニックを独学で学んでいく。その後作詞・作曲を始め、14歳の頃より地元久留米を中心にライブ活動を開始。2009年からは活動の場を福岡市内や北九州などに広げ、翌年春に上京して東京での活動をスタートさせる。 2011年12月、アニメ「バクマン。」のオープニング曲に起用されたシングル「Dream of Life」でメジャーデビューを果たす。