こんなアナーキーな部分もあるんだな

──2組はいつ頃、どんなきっかけで知り合ったんですか？

KURO　一番初めは宜野湾のフェスだったかな。確か2005年頃。ただ、そのときは同じステージの出演者っていう程度でそこまで面識はなくて。そのあと飲み屋で偶然、知人を介して同じ席になって、っていうところからですね。

──その飲み屋にいたORANGE RANGEのメンバーはNAOTOさんひとり？

NAOTO　いや、あとメンバーが1人、2人いた気がします（笑）。

──いた気がするって。そんなに記憶があやふや？（笑）

KURO　相当酔っ払ってたからね。あと2人くらいいた気はするね（笑）。もう3次会くらいだったから。

──その頃、NAOTOさんが感じていたHOME MADE 家族の印象は？

NAOTO　僕は元々、キューンレコードの担当ディレクターが知り合いだったんで、CDはずっと聴かせてもらってたんです。だから「あ、いつも聴いてます。僕は知ってますよ」っていう感じで。でも実は、最初はラップを聴いて、日本人っぽくないなあと思ってたんですよ。で、こないだディレクターに訊いたら「日本人だよ。でもMICROもKUROも帰国子女だけど」って。「ですよねー？」みたいな（笑）。

──予想が当たってた。

NAOTO　そう。5年越しくらいにやっと謎が解けた（笑）。

KURO　僕らはNAOTOくんはレンジのブレインだと思っていたんだけど、彼がやってるdelofamiliaを観に行ったら、レンジと全然違うことをやってて。なんて言うんだろ、「絶対流行らないだろ、これは！」っていう（笑）、好きなヤツしか好きじゃないだろっていうような音楽をやってて。こんなアナーキーな部分もあるんだなって。それがすごい意外でしたね。いい意味で期待を裏切られた。

NAOTOの持ってる引き出しが僕らを開花させてくれる

──今回の曲は、いつ頃、どんなふうにプランが立ち上がったんですか？

MICRO　「AKATSUKI」のときに新しいディレクターに変わって、僕らも新しいことをやりたいし、何か面白い化学反応が起きそうな人はいないかな？っていう話をしてたときに、NAOTOとかいいんじゃない？っていうアイデアをもらったんです。僕らとしても、いつもと制作スタイルは変わるだろうし、彼の持ってる引き出しで僕らを開花させてくれるんじゃないかと思って、それは面白そうですね、と。そこから1回メシでも食いに行こうかという話になって。

──それがいつ頃の話？

MICRO　最近ですね。2011年の9月とか。で、メロディが立ってる曲がいいなっていうのと、アッパーじゃなくてミッドテンポの曲を作りたいっていう思いがあったので、それを話してNAOTOくんにデモを作ってもらって。いいメロだなと思ったし、サウンド的にも自分たちが普段作ろうとしてるものとは違うので、「これ、いいねー」って。そこからすぐ歌詞を当てていく作業に入ったんです。

U-ICHI　3人でデモを聴いたんですけど、レンジというかNAOTOくんが作る世界は構成がすごいなって思いましたね。打ち込み中心だと思うんですけど、打ち込みばかりやってる人の感覚ではない構成、展開になってて。

NAOTO　僕の中では漠然と「バラード」っていうところから始めたんですけど、HOME MADE 家族の作品をいろいろ聴き返すとストリングスの世界観がマッチするんじゃないかなと思って。メロにどうストリングスを絡めていくかっていう作業から始めたんです。だから、ちょっと異質な作り方だったかもしれないですね、ビートをあとから付けたから。環境が変わると、そういうのもできるから楽しかったし、僕としてもいい経験でした。

KURO　今、初めて知ったけど、リズムが先にできてたと思ってた。あとからビートを打ち込んだんだ？

NAOTO　基本的にピアノを入れたらビートを打ち込むんですけど、今回はストリングスから作っちゃったんですよ。多分メロからすぐに連想できたんですよね。で、気づいたらそう作ってた。