ナタリー PowerPush - ハンサムケンヤ

浅野いにお&椙本晃佑が“ケンヤ”徹底解剖

そのインパクト大のアーティスト名と、聴き手の心をくすぐるポップなメロディセンス、そして日常を切り取った繊細な歌詞で注目を集めている京都在住のシンガーソングライター・ハンサムケンヤ。彼にとってメジャーでの初パッケージ作品となる1stミニアルバム「ゴールドマッシュ」がこのたびリリースされることになった。

カラフルな才能が弾けた全6曲を収録した本作は、CDジャケットをマンガ家・浅野いにおが担当し、ビデオクリップをはじめとする映像群を映像作家・椙本晃佑が手がけていることでも大きな話題を呼んでいる。今回ナタリーではそんな極上のコラボレーションを繰り広げたクリエイター3人での鼎談を実施。それぞれが持つクリエイティビティの共通項をあぶり出しつつ、「ゴールドマッシュ」という作品の魅力について迫ってみた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 広川智基

 
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ミュージシャン冥利に尽きるコラボ

──メジャー1stミニアルバム「ゴールドマッシュ」では、豪華なクリエイター陣とのコラボが実現しましたね。

ハンサムケンヤ はい。これはもうミュージシャン冥利に尽きる感じですね。めちゃくちゃうれしいです!

──まずジャケットを手がけられたのはマンガ家の浅野いにおさん。おふたりは以前から面識があったそうですね。

浅野いにお 以前、雑誌で対談したことがあったんです。そのときに僕のマンガを好きだと言ってくれて、実際にものすごく読み込んでくれていたんですね。それがうれしかったんですよ。で、そういう流れの中で今回のジャケットの話もいただいて。

ケンヤ ぜひ浅野さんにジャケットをお願いしたいっていう気持ちが強かったんです。雑誌での対談もどうしてもっていう感じでお願いして実現したんですけど、じゃあ今度はジャケットをお願いしてみようと。引き受けてくださって、もうウハハーって感じですね。

浅野 僕はそもそもマンガの絵をCDのジャケットに使うことに関しては懐疑的な部分もあるんです。せっかくミュージシャンが一生懸命作った作品に対して、マンガの絵という印象が付いてしまうのがもったいないなあと思うから。でも、今回は対談からの流れもあったし、ケンヤくんがそれを望んでるんだったら、ぜひやらせてもらおうかなって。しっかり打ち合わせをしてから作ることができたので、すごくいい仕上がりになったとは思いますね。

ケンヤ 僕からもリクエストをいろいろさせてもらったんですよ。浅野さんからいただいたイメージもすごくいいなあと思ったんですけど。

──浅野さんの中で思い浮かんだイメージというと?

浅野 最初はケンヤくんの見た目的な部分から、ちょっとサイケデリックな感じのイラストがいいんじゃないかなって僕は思ってたんですよね。でもちょっと時間がない中での作業になるから、それだとキツそうだと。じゃあ僕が普段描いてるようなマンガっぽい絵にしたらいいんじゃないかっていう話になって。そこでケンヤくんから住宅街とか裏路地っぽい、生活感のあるものにしてほしいっていうリクエストをもらって。で、それは僕の得意分野な感じだったので、じゃそれでいこうと。

ケンヤ 浅野さんのマンガを読んでると、そういった街並みの描写がすごく印象的だったんで、それをそのまま使ってほしいなって思ったんです。

高校生時代の自分に聞かせてやりたい

──出来上がったものはコマ割りもしてあって、ジャケットとしては斬新ですよね。イラストレーションではなく、ほんとにマンガというイメージ。

浅野 そうですね。ここで僕ががんばってイラストを描くよりも、普段やり慣れてる“マンガ”をそのまま使ってもらったほうがジャケット的には新鮮だし。いい組み合わせになったと思いますね。

──ちなみにあのジャケットに描かれたマンガにはストーリーがあるんですか?

浅野 僕が描いたのは2ページ分なんですけど、前後の流れを含めて、全くストーリーは決めてないんです。好きなように読んでもらえればという感じなんですけど。

ケンヤ めっちゃ妄想膨らみましたよ、この続きとか。

浅野 そういえば、このマンガの中には吹き出しがあって、そこにセリフを入れてほしいってケンヤくんに言ったんだけど、結局アルバム名とアーティスト名が入ることになったんですね(笑)。

ケンヤ 浅野さんの描いた絵に自分でセリフを入れるなんて、高校生時代の自分に聞かせてやりたいくらいの大イベントだったんですけど、どうしても良いのが思い浮かばなくて。何パターンか考えたんですけどね。

浅野 そっかあ。すごく期待してたんだけどね。

ミニアルバム「ゴールドマッシュ」 / 2012年10月3日発売 / Victor Entertainment
ミニアルバム「ゴールドマッシュ」初回限定盤 [CD+DVD] 2500円 / VIZL-492
ミニアルバム「ゴールドマッシュ」通常盤 [CD] 1600円 / VICL-63928
CD収録曲
  1. ポップミュージック
  2. 集積ライフ
  3. ボディーライン
  4. 夜叉
  5. どんなに
  6. これくらいで歌う
DVD収録内容
  1. 集積ライフ music video
  2. ミュージックビデオ・ノイローゼ(ミュージックビデオ収録「これくらいで歌う」「蟲の溜息」「決心速度」「アラハラ」「この街の歩き方」)
  3. アニメ「ハード・サーモンズ・ナイト」第1話~第6話
番組情報

リリースやライブなどの最新音楽情報をビデオクリップとあわせてお届けする「SELECT」。ハンサムケンヤは、今伝えたいアーティストをマンスリーセレクトする「MONTHLY」コーナーに5週連続で登場!

放送スケジュール
【第1週】

初回放送 10月1日(月)9:30~10:00
再放送 10月1日(月)29:30~ / 10月2日(火)18:30~ / 10月3日(水)29:30~ / 10月4日(木)9:30~ /10月5日(金)9:30~ / 10月5日(金)18:30~ / 10月5日(金)29:30~

【第2週】

初回放送 10月8日(月)9:30~10:00
再放送 10月8日(月)29:30~ / 10月9日(火)18:30~ / 10月10日(水)29:30~ / 10月11日(木)9:30~ / 10月12日(金)9:30~ / 10月12日(金)18:30~ / 10月12日(金)29:30~

【第3週】

初回放送 10月15日(月)9:30~10:00
再放送 10月15日(月)29:30~ / 10月16日(火)18:30~ / 10月17日(水)29:30~ / 10月18日(木)9:30~ / 10月19日(金)9:30~ / 10月19日(金)18:30~ / 10月19日(金)29:30~

【第4週】

初回放送 10月22日(月)9:30~10:00
再放送 10月22日(月)29:30~ / 10月23日(火)18:30~ / 10月24日(水)29:30~ / 10月25日(木)9:30~ / 10月26日(金)9:30~ / 10月26日(金)18:30~ / 10月26日(金)29:30~

ハンサムケンヤ(はんさむけんや)

1987年生まれ、京都在住のシンガーソングライター。2011年に立命館大学を卒業。大学時代のバンド仲間が立ち上げたインディレーベル・古都レコードの第1弾アーティストとして、同年5月に1stミニアルバム「これくらいで歌う」を発表する。同年8月に12曲入りの1stフルアルバム「エフコード」をリリース。2012年にビクターエンタテインメントと契約し、同年7月に配信シングル「集積ライフ / カサブタ」でメジャーデビューを果たし、10月にメジャー1stミニアルバム「ゴールドマッシュ」をリリース。

浅野いにお(あさのいにお)

1980年9月22日茨城県生まれ。1998年に「ビッグコミックスピリッツ増刊Manpuku!」にてギャグマンガでデビュー。2002年より「サンデーGX」で「素晴らしい世界」の連載を開始する。個々の短編からひとつのストーリーを紡ぎ出す構成力と抒情的な作風が話題になり、「ヤングサンデー」で連載された「ソラニン」は、バンド経験を持つ作者によるインディーズバンドのリアルな心理描写で人気を博し、映画化もされた。現在は「ビッグコミックスピリッツ」で「おやすみプンプン」、「エロティクスf」で「うみべの女の子」を連載中。

椙本晃佑(すぎもとこうすけ)

1983年生まれの映像クリエイター。2004年頃から映像・アニメーション制作を独学で学び始め、2005年に発表した作品「Friday Night Fever」をきっかけにさまざまな賞を受賞。緻密かつ独創的な手法が国内外で評価されている。これまで発表されたハンサムケンヤのビデオクリップの全作品を手がけ、作品ごとに異なる世界観を提示している。