音楽ナタリー Power Push - BiS&渡辺淳之介(BiSマネージャー)

個性派ぞろいの新生BiS大解剖

今のBiSは課題しかない

──この5人のチームバランスはどうですか?

渡辺 今回バランスはあまり考えなかったんですよね。まあ、合宿の最後まで悩んだんですけどね、プー・ルイを入れるかどうかは(笑)。

プー・ルイ これガチですからね! 松隈さんがいなかったら私入ってないですから!

渡辺 入れなくてもいいかなって思ってたら松隈さんが「オマエ、頭おかしいんじゃないの?」って(笑)。合宿中すごい大変で1日30分くらいしか寝れなくて頭おかしくなってたんですよ。あれ、たぶん僕が一番疲れましたね。

──じゃあプー・ルイさんがいない新生BiSというのもあったわけですね。

プー・ルイ そうそう。GANG PARADEにいるかもしれない(笑)。

──オーディションの翌日にはすぐにライブを行いました。すごい数のお客さんが集まりましたね。

渡辺 70人くらいしか入れないのに10倍くらい人が集まっちゃって。

──最初のライブはどうでしたか?

ペリ・ウブ

ペリ・ウブ めちゃくちゃ緊張しました。完璧に歌も踊りも入ってるわけじゃなかったし不安もありました。でも最初の「Give me your love全部」で感動しちゃって、やってみたらもう緊張はなくなって楽しめましたね。

プー・ルイ 自己紹介のときにずっと「ぺぺぺぺぺぺぺぺ」って言ってたけどね。ライブが終わってから握手会のときにお客さんに「日本人ですか?」って聞かれてた(笑)。

ペリ・ウブ 「中国人ですか?」って言われて。

キカ 私はアイドルになりたかったから一生忘れられないライブになりましたね。でも出来はよくなかったので戒めとしてずっと覚えておきたいライブでもあります。

プー・ルイ レッスン時間がほとんどなかったのは仕方ないんですけど、史上最低のライブでしたね。旧BiSの頃と比べてもヤバかったと思います。当時のBiSよりも今のほうがどうしても期待値が大きいから、求められるレベルは高いじゃないですか。

ペリ・ウブ 熱さだけで乗り切った感じはありますね。

──記念すべき1stライブを終えて、次のライブがいきなり幕張メッセの「@JAM×ナタリー EXPO 2016」で(笑)。

プー・ルイ こんなに恐ろしいことはないですからね。よく言われるのが今のBiSはレベル1の勇者がレベルの高い武器を持って戦ってる、みたいな。確かにその通りで「nerve」とかの楽曲は長い時間をかけて育ってるわけですよ。むしろBiSがいなかった2年の間に聴きたい欲求っていうのも増していってたから求められるんですけど、それをやる私たちがまだその曲を生かせるレベルにないという。でも、すでに8回くらいライブやってるので、もうそろそろ初心者とか言ってられないレベルだなって思ってて、ちょっとヤバいなって。課題しかないんですよ、今のBiSは(笑)。

──具体的にはどんな課題があるんでしょうか?

プー・ルイ BiSってもっとハチャメチャで、ダンスがそろってなくてもいいみたいなところがあったじゃないですか? でもBiSHができたことによって、ちょっと軌道修正されてるんですよ。ちゃんとしてないといけない、みたいな。大人が求めるものもそうだし、旧BiSで立つことができなかった日本武道館に行くためにはアレではダメなんだっていうのをみんなわかってしまったので。だからちゃんとやらないとダメで、超初歩的なことなんですけど、そろえることから始めてます。

プー・ルイ

──BiSという名前に実績はありますけど、プー・ルイさん以外のメンバーには特に何もないですし覚えることが多いですよね。

プー・ルイ この子ら、BiSに入ったくせにBiSのことを何も知らなかったりするんですよ。自分が入るグループのことなんだからそれなりに調べると思うんですけど、本当に知らなくて。私の前で平気で「BiSHかわいい」とか言うんですよ?

──その話題、行きますか?(笑)

プー・ルイ なんなんですかって感じですよね! いろんな歴史がある中でできた曲もあって、それを知った上で歌ってほしいっていうのはババアの思いとしてあるんですよ。小姑みたいな立ち回りになってますけど、嫌われてもいいからやらないとなって。私、BiS大好き人間なのでね。でも心がだいぶ大人になっちゃったので、BiSを始めた頃よりも言葉は選ぶようになりました。早く内部でバトルがしたいんですよ。個性の出し合いで潰し合うみたいな(笑)。

BiSにはジョーカーしかいない

──旧BiSのときは全裸PVなどのとがったこともやってきましたけど、今後そういったことも視野には入っているんでしょうか?

プー・ルイ BiSHよりもとがったことをやるというのは渡辺さんの中にあると思うんですけど、おそらくはもっと大衆向けだったり面白い方向性だったりするのかなって勝手に想像してます。過激なことは一部の人に刺さるのかもしれないですけど、それは諸刃の剣ということがよくわかったので。経験してる分、そこはちゃんと舵を取っていきたいです。

キカ・フロント・フロンタール

渡辺 そういうことをやるかやらないかは、これからみんながうまくいくかどうか次第じゃないですかね。うまくいけばBiSHみたいにいくだろうし、うまくいかなければそれは今までのBiSみたいになっちゃうだろうし。もちろんみんなが楽しいこととか驚くようなことはやりたいとは思っているんですけど、今後どうなるかは現時点ではわからないですね。メンバーには「BiSだからね」とは言ってあるので。

ペリ・ウブ BiSなのでね。

──ちなみに同じ事務所にBiSHがいてGANG PARADEがいる状況ってプー・ルイさんとしては若干モヤっとするんじゃないかと思うのですが。同じ次元に違うBiSがいくつかあるような状況ですし。

プー・ルイ 逆に面白いなって思いますよ。私のわがままで始まったグループが解散して復活して、今こんなことになってる。その過程の中で派生してできたBiSHという存在は、やっぱりどこかにBiSイズムもあってうれしいけど、ムカつく存在でもありますね。だから時期を狙って心臓をひと刺しに(笑)。まだ直接対決できるような土俵にBiSがいないので、だいぶ先の話だと思いますけどね。例えばポケットビスケッツとブラックビスケッツのような関係になったら面白いなと思います。同じくらいの勢力になったときに、どんなことが起こるかワクワクしますね。

渡辺 そこまで持つといいよね。

プー・ルイ 持つかわかんない(笑)。ギャンパレと戦ってるかもしれないし(笑)。

ゴ・ジーラ

──ギャンパレについては思うところは特にないと?

プー・ルイ がんばってって感じです(笑)。サキちゃんは私がアドバイスしても自分の理想像っていうものがちゃんとある人なので言うことを聞かないし。だったらもうがんばってって言うしかない(笑)。BiSはBiSHにもギャンパレにもなれないと思いますよ。同じようにはできないし、渡辺さんもジョーカーみたいな人しか選んでないし(笑)。

──ジョーカーが5枚って、トランプならあり得ない状況ですけどね。

プー・ルイ でもBiSっていつでもそうだったような気がする。まともな人ってそんなにいなかったような。誰とは言わないけどみんな頭おかしかったですよね。

渡辺 頭おかしかったね。

1stアルバム「Brand-new idol Society 2」/ 11月16日発売 / 3240円 / SPACE SHOWER MUSIC / XQJZ-1057
「Brand-new idol Society 2」
収録曲
  1. Give me your love全部
  2. My Ixxx
  3. Nerve
  4. primal.
  5. BiSBiS
  6. Human after all
  7. IDOL
  8. Happy Birthday
  9. レリビ
  10. Not Special
  11. BiS
  12. 太陽のじゅもん
  13. CHANGE the WORLD

SHELTER 25th Anniversary「Brand-new idol Society」

2016年11月20日(日)
東京都 下北沢SHELTER

「Brand-new idol Society」2年間おまたせ!いま会いにゆきます

2016年12月10日(土)
愛知県 DAYTRIVE
2016年12月11日(日)
愛知県 DAYTRIVE
2016年12月18日(日)
北海道 COLONY
2016年12月23日(金・祝)
福岡県 DRUM SON
2016年12月24日(土)
大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
2016年12月25日(日)
宮城県 enn 2nd
BiS(ビス)
BiS

プー・ルイ、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、キカ・フロント・フロンタールの5人からなるアイドルグループ。BiSは2014年7月をもって解散したが、マネージャーの渡辺淳之介、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ、プー・ルイの3人によって再始動がアナウンスされ、2016年9月に新体制として活動が再開。11月16日に1stアルバム「Brand-new idol Society 2」を発表し、11月20日に1stワンマンライブを東京・下北沢SHELTERで開催。12月より全国ツアー「『Brand-new idol Society』2年間おまたせ!いま会いにゆきます」を実施する。