みんなを大号泣させたボイトレの先生の言葉

──僕は以前から「みさこさんが書く歌詞がある時期から強いメッセージ性を帯びてきた」という話をしていたんですが、ここまでメッセージ性が前面に出た曲は今までなかったなと感じました。

鈴姫　「歌手が自分のことを歌って、それに共感したリスナーが感動する」っていうパターンの曲は世の中にいっぱいあると思うんですけど、これはそうじゃなくて「俺たちを見ろ！ それで、お前はどうする？」って問いかける感じの曲にしたいなと思って。

大桃子　そう。“生き様提示ソング”っていう。メンバーそれぞれキャラクターとか生きてきた背景が多彩なのはバンもん！の大きな武器だと思うし、この曲の歌詞にはそれが込められてるから、これを聴いてより深くバンもん！を知ってもらえたらいいなって思います。

──歌い出しから「メジャー契約解消されたときもある とーちゃんもかーちゃんもいないやつがいる オーディション落ちまくった過去もある でも人生は続くらしい」という歌詞なのは、聴き流せないインパクトがあるなと。

鈴姫　ただまあ、言葉だけ見たらハッとするかもしれないけど、事実を言っているだけで、別にそれでつらかったとは言ってないんですよね（笑）。

望月　ここまで到達するのに、そういうこともあったなーくらいの感じ（笑）。

大桃子　そう。重要なのは「愛さえあればなんとかなる」って部分だから、“不幸売り”みたいなのではまったくない。

恋汐　メンバーのプライベートな部分も歌ってるけど、メンバーのことを知ってるかどうかに関わらずたくさんの人、1人ひとりに自分の歌として刺さる曲だと思ってます。「君の笑顔で世界がやばい」のときも汐は感じたんですけど、みーちゃんが歌詞を書いた曲は聴いていると自分の今までの人生のことを考えさせられるので、今回もちゃんとみんなの心に刺さる曲になってると思います。

大桃子　サビはホントに、聴く人の顔面に思いっきり愛のパンチを食らわすような歌詞だから、歌ってて自分も同時に食らっちゃう。音楽でじゃなかったら言えない言葉だと思うので、これからいろんなところでたくさん歌いまくりたい。

甘夏　自分はへこたれそうなときに音楽に逃げて、背中をバシバシ叩かれてるみたいな気持ちになって復活することがいっぱいあって。今回のシングルは自分にとってそういう曲だし、聴いてくれる人たちにとってもたぶんそういう曲になるだろうなと思います。

七星　私も自分がつらいときに自分たちの曲に助けられたことある。一時期、気分が落ち込んでたときにセカヤバ（「君の笑顔で世界がやばい」）を毎日聴いてたし。今回のシングルもそういう曲になる予感がしてるって言うか、自分で歌いながら「この曲に助けられそうだな」って感じてる。

大桃子　裏テーマは「セカヤバ2」だよね。

望月　前にボイトレの先生に「今まで人生の中で、歌に助けられて、音楽に助けられて生きてきたでしょ？ 音楽に助けられてきた人は、音楽で返していくようになるんだよ」って言われたんです。

鈴姫　ボイトレ中にみんな大号泣したんだよね（笑）。

望月　売れてる人も、ずっと今まで誰かの音楽に助けられてきて、今それを返してる状態なんだって。だから君たちもそうなりなさいって言われて。今回の曲はみんなも言ってるように、誰かを助ける、支えることができる曲になったと思うんですよね。

甘夏　なんかまた涙出そうになってきた（笑）。

恋汐　これを聴いたみんなが、「人生それでいいのかい？」って聞かれても「YES」って言えるようになってほしいです。

聴かず嫌いしてる人こそ現場に来てほしい

──「Q.人生それでいいのかい？」を初めてステージで披露するのは、この記事が公開される10月11日に東京・代々木公園野外ステージで行われるフリーライブになるわけですね。

恋汐　たくさんの人に来てほしい！

望月　みんな大好き無料ライブ！ このインタビュー読んでる人、まだ間に合えば、CDショップかiTunes Storeで曲を買って聴きながら来てください！

鈴姫　5周年のお祝いパーティなので、この1日だけでバンドじゃないもん！の歴史が振り返られるようなライブにしようと思ってます。

甘夏　しかもこの日はみさこの誕生日なんだよ！ 5周年ありがとう！ みさこおめでとう！

大桃子　バンもん！を応援するのって、たぶん再メジャーデビューする前後の時期がかなり面白かったと思うんですよ。わーって盛り上がってきて、「この調子でどこまでも行けるのでは」みたいな雰囲気になってきたところで再メジャーデビューが決まって。「ここからどこまで登り詰めるの？」って思いながら一緒に参加できるのが一番楽しいものだし、私たちはまだまだ登り続けるつもりだから、このフリーライブから“もんスター”（バンもん！ファンの呼称）になるのはかなりオススメ。代々木新規、略して“よよしん”の皆さん待ってます！

甘夏　バンもん！はメジャーに戻って1年半以上経ったけど、この間アイドル好きの人が話してるのを聞いてたら「バンもん！ってこういうグループで、こういう音楽性なんでしょ？」って、イメージで聴かず嫌いしてる人が意外と多いんだなって知って。

鈴姫　うん、聴かず嫌いはきっといっぱいいる。私のせいもあると思うけど（笑）。まだ「神聖かまってちゃんのみさこが、なんかアイドルみたいなことやってんでしょ」みたいな人もいるかも。どっちも全然違うしどっちも本気なんですが。

甘夏　そういう、普段「バンもん！だったら観なくていいか」で流してるような人こそ、無料だからぜひ代々木公園に来てほしい。きっと心をつかめる気がするんです。音楽だけじゃなくパフォーマンスにも自信があるし、何より、みんなが楽しんでやってることがライブで伝わると思うから。

鈴姫　バンもん！のライブって歌って踊るし楽器も弾くし、情報量多いパフォーマンスだからわかりづらいかもしれないけど、観たら楽しめるからとりあえず観に来てほしい。

望月　今も昔もバンもん！はライブに賭けてるところがあるから、ぜひ現場に来てほしい。タダで観れるんだから、とりあえず来ればいいじゃん。

大桃子　昔のバンもん！と今のバンもん！は全然違うと思う。パフォーマンスはどんどん進化してます。

七星　だからバンもん！のライブに行くのをしばらくやめてた人もさ、もう1回来てみたら何か違うことを感じられるかも。

望月　バンもん！のパーフェクトイヤー（2017年を“完璧な1年”にしてさらなる高みへ昇るべく、今年元日に始動したプロジェクト「バンドじゃないもん！PERFECT YEAR 2017」）はまだまだ終わってませんからね。

その場に見合うアイドルとして、アイドルの聖地に

──そう言えばパーフェクトイヤーって、年末のホールツアーが締めくくりになるわけですか？

大桃子　パーフェクトイヤーって終わるのかな？

望月　私もそれ思ってた。

大桃子　12月で完全に終わっちゃうんじゃなくて、ふわっとさせるのはどうですか？

甘夏　それいいね。1月からは「エクセレントパーフェクトイヤー」。

大桃子　「ゴールデンエクストリームパーフェクトイヤー」。

恋汐　「パーフェクトイヤー ～フォーエバー～」。

鈴姫　そうやってすぐサブタイトル付けようとする（笑）。

大桃子　ホールツアー、東京は日本青年館でやるんです。初めてのホールコンサートが日本青年館っていうのは、例えばAKB48さんもそうだし、昔っからあらゆる名立たるアイドルさんが通ってきた道なんです。バンもん！もその道を通るべきアイドルだと思ってる。私たちはその場に見合うアイドルとして聖地に立ちます。

鈴姫　バンもん！は「アイドルらしからぬ」って言われる部分もいっぱいあるけど、芯の部分は超アイドルだと思っているので、ホールではその思いを込めてライブをしたいですね。

望月　ライブハウスだから来れなかったって人、今までけっこういると思うんですよ。だから今後は席がある会場でも戦えるようになるのも必要なことで。ゆくゆくは日本武道館でもやりたいですから。私、ファミリー席でちっちゃい子に観てもらうの憧れなんだよね。

甘夏　バンもん！のファンには若い子だけじゃなくて、ちっちゃい子もいるしおじいちゃんもいるし、本当にいろいろな層の人がいるから、ホールはすごく合ってるんだろうなって思う。もちろんライブハウスでも今後もやっていきたいけど、ホールで楽しめるバンもん！のコンサートっていうものをこれから作っていかなきゃと思ってます。

──ホールツアーはバンもん！にとって、今後さらにステップアップするための重要な公演になるのかもしれませんね。

七星　あと、ぐみは幼稚園とか老人ホームでライブしたいんですよ。

大桃子　刑務所も！

鈴姫　いいね。「昴」っていうバレエのマンガで刑務所の慰問公演する話よかった。

望月　少年院のほうがいいんじゃない？ 「Q.人生それでいいのかい？」を一緒に歌おうよ。

大桃子　「Burning Man」（アメリカ・ネバダ州の砂漠で毎年1週間にわたって開催される大規模イベント）でもライブやりたい。

鈴姫　バンもん！だからこそライブしたら面白そうな場所とかイベントはいっぱいある気がするから、いろんなことにどんどん挑戦していきたいですね。