コミックナタリー Power Push -「タイガーマスクW」

気分が安らぐ“腐れ縁”? 対象的な2人がW主人公に挑む

八代拓&梅原裕一郎インタビュー

梶原一騎・辻なおき原作によるテレビアニメ「タイガーマスクW」が、10月1日よりテレビ朝日にてオンエアされる。東映アニメーションの創立60周年を記念し制作される同作では、若きプロレスラー・東ナオトと藤井タクマの2人がそれぞれタイガーマスクとタイガー・ザ・ダークとなり、所属していた団体・ジパングプロレスを潰した組織・虎の穴に立ち向かうという物語が展開される。新日本プロレスともコラボし、オカダ・カズチカや棚橋弘至ら、実在のプロレスラーが登場する場面にも注目だ。

コミックナタリーでは放送開始を記念し、タイガーマスク/東ナオト役の八代拓、タイガー・ザ・ダーク/藤井タクマ役の梅原裕一郎という、W主人公を務める2名にインタビューを実施。以前から共演の機会も多く、普段から気を使わない相手だという八代と梅原にお互いの印象や相性を聞いた。また実際にプロレスを観に行った際の感想や、アニメへの意気込みも語ってもらっている。

取材・文 / 熊瀬哲子 撮影 / 上山陽介
スタイリスト / 久芳俊夫(BEAMS) ヘアメイク / fringe

腐れ縁っスね

──おふたりは以前から共演される機会も多かったと思いますが、W主人公の相手がお互いであると聞いたとき、どう感じましたか?

梅原裕一郎 ちょうど「タイガーマスクW」のオーディションを受けさせていただいた数日後くらいに、たまたま僕が1人でラーメンを食べてたらバッタリ八代くんに会ったことがあって。

八代拓 ああ、あった。とんこつしょうゆのラーメン屋さんでね。

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梅原 そう(笑)。そのときはまだ結果を知らなかったんですけど、お互いの近況を話したりしていたんです。そんなことがあったあと、後日事務所から合格の連絡があり「もう1人の主人公は八代さんです」と伝えられて。僕は「……はい」と。

八代 えっ、感想は!? 特になし!?

梅原 「はい、わかりましたー」って。ふふふ(笑)。

八代 「八代さんです」って聞いて、何か思うところはなかったんですか?

梅原 いや、本当に昔からご縁があるなと思いましたよ。今までいろんな仕事を一緒にやったこともありますし。今回2人でW主人公をやることが決まって、しかも八代くんの初主演に立ち会えるのはなかなか面白いなって思いました。

八代 なかなか“面白い”?

梅原 興味があるなって。うれしいなって思いました。

八代拓

八代 こちらこそです(笑)。僕は正直、東ナオト役に決まったときは「タイガーマスク」という歴史ある作品の新作で、しかもテレビシリーズの主人公役をやらせてもらうのは初めてということもあったので、ものすごく責任を感じてたんです。なので相方が「梅原裕一郎」って聞いたときは安心したんですよ。前から知ってる人で、しかもよく……よくしてくれているというか。

梅原 大先輩だしね。

八代 (笑)。やっぱりその……梅原さんっていう偉大な先輩と一緒にやれるなんてうれしいなって。こんなに偉大なのにも関わらず、先輩風も吹かせないですし。

梅原 急に嘘くさくなった(笑)。

八代 ははは(笑)。でも本当に、普段から仲良くしている相手だったので、一緒にW主人公を演じられると聞いたときはすごくうれしかったですね。

──そのあと、おふたりで直接会ったときには「よろしくね」みたいなお話もされたんですか?

梅原 八代くんは(スカした口ぶりで)「腐れ縁っスね」って言ってたよね。

八代 ちょっと!(笑) そんな言い方してないよ、絶対!

梅原 ははは(笑)。いや、覚えてるよ。なんか「腐れ縁やな」みたいなことを言ってたよ。

八代 本当? じゃあしたのかも。

梅原 僕は(低姿勢に)「あっ。そ、そうっスね」って。

八代 いや、おかしいでしょ!(笑) 少なくともその反応は嘘でしょ!

梅原 ははは(笑)。でも確かに「お互い縁があるね」っていう話をしてました。

国民的作品「タイガーマスク」

──ちなみにおふたりは初代「タイガーマスク」のマンガを読んだ際には、どんな印象を持ちましたか?

八代 やっぱり、すっごくカッコよかったです。命を張ってプロレスをやってお金を稼いで。孤児院にお金を寄付したり、子供たちにプレゼントをあげたりする。だけど自分がタイガーマスクだと言うことは明かさずにやっているのが、まさしくヒーローだなと。そこがまずカッコいいなと思いました。

梅原 タイガーマスクに扮する主人公の伊達直人は結構悩むシーンが多くて、悩みつつも前に進んでいくというその姿がすごく印象的でした。今回僕が演じさせていただくタクマも負のところから始まって這い上がっていくキャラクターなので、そういう部分では通じるものがあるなとも感じました。

──初代「タイガーマスク」は1968年から1971年までマンガが連載され、アニメは1969年から1971年まで放送されていました。世代的におふたりのご両親にも馴染みのある作品だったのではないでしょうか。

八代 父は子供の頃に観ていたと話してました。国民的に認知されていた作品ですよね。

梅原 僕は母がちょうど「タイガーマスク」世代で。子供の頃「『タイガーマスク』っていう作品はこういう話なんだよ」と母から聞いた記憶があります。「悲しいお話でもあるけど、そういうところがいい」とよく言っていて。それくらい母は「タイガーマスク」が好きだったみたいです。

アニメ「タイガーマスクW」ビジュアル。左から東ナオト(CV:八代拓)、藤井タクマ(CV:梅原裕一郎)。
アニメ「タイガーマスクW」ビジュアル。左からタイガーマスク(CV:八代拓)、タイガー・ザ・ダーク(CV:梅原裕一郎)。

──じゃあ梅原さんが「タイガーマスクW」で主人公をやると聞いたときは喜ばれたんじゃないですか?

梅原 メールが来ましたね。「髪が長いね」って。

八代 それだけ?(笑) キャラのビジュアルの話?

梅原 「裕一郎のやる役、髪長いんだ」って、そういうメールが来ました。

八代 そっか。衝撃だったんだろうね、お母さんにとっては。「ウッソ! 裕一郎の役、髪長いんだ……」ってなったんだろうね、きっと。

梅原 うん、それだけでした(笑)。

八代 それで言ったら、うちの父親も「『タイガーマスクW』っていう作品でタイガーマスク役をやるんだよ」って伝えたら、「タイガーマスクって急になれるんだ」って言ってました。

梅原 ははは(笑)。両親のそういう反応って面白いよね。

テレビアニメ「タイガーマスクW」

テレビアニメ「タイガーマスクW」

放送情報

放送日:2016年10月1日(土)より毎週土曜26:45~

放送局:テレビ朝日

あらすじ

現代のタイガーマスクは2人いる──!? 主人公は「東ナオト」「藤井タクマ」、2人の若きプロレスラー。彼らは小さなプロレス団体「ジパングプロレス」の練習生だったが、「ジパングプロレス」は悪質プロレス団体「GWM(グローバルレスリングモノポリー)」に潰されてしまった。 報復のためナオトは富士の裾野で訓練を受け「新タイガーマスク」となり、一方タクマは「GWM」を裏で操る組織「虎の穴」にあえて入り「タイガー・ザ・ダーク」となる。「光のタイガー」「闇のタイガー」2人を待ち受ける戦いと友情の行方は──!? リング上では敵だが、目的は同じ。「虎の穴を潰せ!」

スタッフ
  • シリーズディレクター:小村敏明
  • シリーズ構成:千葉克彦
  • キャラクターデザイン:香川久
  • アクション作画監督:羽山淳一
  • 美術デザイン:渡辺佳人
  • 音楽:高梨康治(Team-MAX)、刃-yaiba-
キャスト
  • タイガーマスク/東ナオト:八代拓
  • タイガー・ザ・ダーク/藤井タクマ:梅原裕一郎
  • 高岡春奈:三森すずこ
  • オカダ・カズチカ:森田成一
  • 棚橋弘至:鈴村健一
  • 藤井大助:草尾毅
  • 山科ルリコ:千葉千恵巳
  • 高岡拳太郎:田中亮一
  • 来間ヒカリ:橘田いずみ
  • 若松龍:岸尾だいすけ
  • 永田裕志:てらそままさき
  • ミスターX:柴田秀勝
  • ミスX:小林ゆう
  • イエローデビル:島田敏
  • ケビン・アンダーソン:福山潤
  • マイク:ロドリゲス:内匠靖明
  • オーディン:竹本英史
  • 真壁刀義:真壁刀義
八代拓(ヤシロタク)

岩手県出身、1月6日生まれ。主な出演作は「アイカツスターズ!」(結城すばる役)、「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(十王院カケル役)、「アイドルマスター SideM」(柏木翼役)など。

梅原裕一郎(ウメハラユウイチロウ)

静岡県出身、3月8日生まれ。主な出演作は「ヤングブラック・ジャック」(間黒男役)、「美男高校地球防衛部LOVE!」(由布院煙役)、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(ユージン・セブンスターク役)など。