「ジュラシック・パーク」大ファン・ミキが熱く語る最新作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」 (2/2)

シリーズ過去作とのリンクに大興奮

──ここからは印象に残ったシーンやセリフ、キャラクターについて具体的に教えていただけますか?

昴生 印象に残っているシーンとか言い出したらもうキリないですって!

亜生 そうやなあ。登場人物で言うと、「ジュラシック・パーク」に出てきた3人の博士がまた全員集結するのが今作の見どころの1つなんですが、キャストの方が歳を重ねてなおカッコよくなられているというのが素敵でした。「おっちゃんになったな~」とかじゃなくて、ワイルドになっていて。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、アラン・グラント博士とエリー・サトラー博士。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、アラン・グラント博士とエリー・サトラー博士。

昴生 古生物学者のアラン・グラント博士ね。カッコよかったなあ。恐竜と共存する世界なのに、まだ化石の発掘してますからね(笑)。生きた恐竜がそこにいるのに。

亜生 それは、人間に作られた恐竜じゃなくてオリジナルを研究したいってことやねん! 彼のこだわりや。

昴生 「SNSとかわからん!」「アイドルとか知らん!」って言うてるおっさんいるじゃないですか。グラント博士はそういうタイプかなと(笑)。アナログなところが1作目から変わっていないのもよかったです。

亜生 途中、乗り物が故障して博士たちが洞窟みたいなところを歩いているとき、心の中で「ありがとう!」って思いました。また冒険が見られる!と。場面的にはピンチなんですけど(笑)。あと、古植物学者のエリー・サトラー博士がイナゴの大群に荒らされた農園を見たときにサングラスをバッて取るところ。あれが、「ジュラシック・パーク」で博士たちがブラキオサウルスを最初に見た場面と重なって、胸がキュってなりました。

興奮ぎみに語るミキ亜生。

興奮ぎみに語るミキ亜生。

昴生 あれはほんまに映画史に残る名シーン。当時あの演技で、ほんまにそこに恐竜がいると思った。あれをアイロンヘッドの辻井ちゃんと何回真似したことか!(眼鏡を取って真似をする)2人とも下手すぎでしたけど……。その「ジュラシック・パーク」レジェンドの俳優さんたちが、今も衰えずリアリティあふれる演技をやられているのが本当に素晴らしいと思う。

亜生 もしかしたら意図されていないかもしれませんけど、ファンだからいろいろ勝手にリンクさせてしまうんです。「これはあのシーンのオマージュちゃうか!?」と。車がひっくり返るだけでもドキドキしました。「ジュラシック・パーク」であったやつや!って。

昴生 数学者のイアン・マルコム博士がたいまつを持ったときは、また「ジュラシック・パーク」のときと同じことやってるやんと思いました(笑)。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より。

ミキ

ミキ

亜生 (「ジュラシック・パーク」では)そのあと、藁の屋根のトイレに逃げ隠れた人が食べられちゃう。

昴生 あのトイレがパカーンって壊れるシーン、大好き(笑)。あと「ジュラシック・パーク」で最高やなと思っているのが、T-レックスが現れる恐怖をコップに入った水の揺れで表すところ。それをだんだんアップにしていって、観ている側の恐怖が掻き立てられる。今回も水を使って恐竜の怖さを表現しているシーンがめちゃくちゃよかったです。

亜生 ただ、「ジュラシック・パーク」で真緑のゼリーを食べるシーンがあるんですけど、あれが出てこなかったのは残念でした。

昴生 あれな(笑)。味が気になるよな。

亜生 見た目、トイレの芳香剤みたいやけどおいしいんかな?(笑)

前作で泣いた嫁と見届けたい完結編

──ファンとしてシリーズ全作を観てきたお二人にとって、完結編となる今作はストーリー、描写、そして終わり方など、全体を通していかがだったでしょうか。

亜生 大満足です!

昴生 素晴らしかったです。ファンをこんなにも歓喜させてくれるとは。2画面で見たかったですもん、「ジュラシック・パーク」1作目と。

亜生 それは見づらいやろ(笑)。前作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」が最高でしたからね。恐竜たちの協力プレーが。

昴生 前作は嫁と観に行ったんですけど、ブラキオサウルスが噴火に巻き込まれていくシーンで泣いてました。うちの嫁が映画を観て泣くことなんてめったにないんですよ。嫁が泣いているのを見たの、「炎の王国」とテレビドラマの「Mother」だけ。芦田愛菜ちゃんとブラキオサウルスで泣いてました。「炎の王国」は悲しい話でもあったから、それが今作にどう響いてくるのかというのは気になっていて。それを踏まえて今作のこの終わり方は納得というか。

ミキ

ミキ

──では今作が公開されたら、改めて奥さまと映画館でご覧になる?

昴生 行きたいけど、子供がいるから難しいかもなあ。

亜生 預かるで? 俺。

昴生 嫁がお前のこと信用してないからなあ……。

亜生 おい!

昴生 いやいや、それやったらほんまにありがたいよ(笑)。「ジュラシック・ワールド」も嫁と一緒に観に行ったんですけど、「ジュラシック・パーク」の劇中では完成しなかったテーマパークの“ジュラシック・パーク”が、“ジュラシック・ワールド”としてオープンしていて、お客さんがたくさん入っている様子を画面上で見られたことがうれしくて僕が号泣しちゃったんですよ。それを隣で見て、嫁も「そんなに好きやったんやね」と僕の「ジュラシック・パーク」愛を理解してくれた。だから完結編も一緒に見届けたいですね。ただ……、今回でっかいイナゴが出てくるでしょ? 嫁、この世で虫が一番苦手なんです。

亜生 今回の虫は大きいからなあ……。おっきくて、いっぱい(笑)。イナゴって、焼いたらエビみたいな味やん。だから巨大イナゴが燃えるシーンで、香ばしいええ匂いしてんのかなと思った。

──4Dでの上映では、風や匂いも体感できるそうです。

亜生 え、エビの匂いするんかな!?

スタッフ イナゴの匂いも出るのか確認しておきます。

昴生 いいですよ、そんなこと確認しなくて!(笑) でもほんまにアトラクションみたいで楽しそう。まさにジュラシック・ワールドに遊びに来ているような。

亜生 芸人と一緒に行くときは4Dで観たいですね。

恐竜ポーズのミキ。

恐竜ポーズのミキ。

「ジュラシック・パーク」で車のサイドミラーに恐竜が映る場面を再現するミキ。

「ジュラシック・パーク」で車のサイドミラーに恐竜が映る場面を再現するミキ。

「ジュラシック・パーク」は永久に不滅です

──ちなみに今日は試写でしたけれど、こうして2人で映画を観ることはよくあるんですか?

昴生 こういう大作はけっこう2人で観に行きますね。

亜生 そういえば、お兄ちゃんが2年前の誕生日に「ジュラシック・パーク」のDVDをプレゼントしてくれました。

──へえ!

亜生 別にサブスクで観られるし、いらんなあ……と思いました。

──モノとして手元に置いておくのもいいじゃないですか(笑)。

昴生 今日観て思いました。次の誕生日は「ジュラシック・ワールド」のDVDにします。

亜生 おい! 「お前にオススメのとっておきの映画があんねん」って「ジュラシック・パーク」渡されたときに、こいつナメてんのか?と思ったから。最高な映画ってことは全員知ってんねん!

昴生 その前の年のプレゼントはよかったやろ?

亜生 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のDVDでした。

昴生 その前の年は「インディ・ジョーンズ」な。

亜生 え、俺のこと映画観ない奴だと思ってる? 映画観ない奴でもその3作は観てるって!

──名作を贈っているんですね。

亜生 名作すぎて! お兄ちゃんの色なさすぎて。

昴生 結局、みんなが好きな映画が名作なんですよ。たまにいるじゃないですか、外国の白黒映画とかを勧めてくる自称映画好き。

昴生亜生 色つけろ!

亜生 色ついてるほうが絶対おもろいねん。CGや、CG。「ジュラシック・パーク」のCG見てみい!

──(笑)。では、最後に「ジュラシック」シリーズファンを代表して読者にメッセージを!

昴生 これを読んで、ファンだから楽しめると思った人もいるかもしれませんけど、ファンじゃなくても十分楽しめるし、最新作を観てから「ジュラシック・パーク」をいちから追いかけていくのも贅沢。うちの子はここから全部観られるわけやもんなあ。その楽しみがまだあるなんて、僕はうらやましいです。で、全部観てもらったら、みんなで感想を言い合いたい。語り合いたくなる作品なんです。

──亜生さんもお願いします。

亜生 「ジュラシック・パーク」は永久に不滅です。(なんとも言えない空気を察して)……あれ? こんなにサワサワすることある? 見出しになるフレーズやと思ったんやけど。イナゴがいる畑くらいサワサワサワ~ってなった。

昴生 「永久に不滅」ちゃうねん。今回で完結やねん。

亜生 「僕らの心の中で永遠に生きてますよ」ということや。これで終わりとは思いたくない!

昴生 やっぱり泣けますね、この作品は。ずっと楽しみにしてきた映画なので。続けていい権利をもらえるなら僕が続けたい。

亜生 絶対にやめてくれ! ショボい作品になるから! でもほんまに「ジュラシック・パーク」によって恐竜映画のハードルが上がってしまいましたよね。

昴生 いや、もう無理よ。この世の恐竜映画は「ジュラシック・パーク」で始まり、「ジュラシック・ワールド」で終わりました。これ以上の作品はない!

ミキ

ミキ

プロフィール

ミキ

写真左 / 亜生(アセイ)
1988年7月22日生まれ、京都府出身。

写真右 / 昴生(コウセイ)
1986年4月13日生まれ、京都府出身。

兄の昴生と弟の亜生が2012年4月に大阪で結成。2016年2月に「第46回NHK上方漫才コンテスト」で優勝したのが初タイトル。同年、「27時間テレビ」(フジテレビ)内で行われた「笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI」でも優勝しその名は全国区へ。2017年から2年連続で「M-1グランプリ」決勝進出を果たす。2018年に単独ツアーを開始し、東京に拠点を置きながら全国で漫才を披露している。2022年に「第54回上方漫才大賞」奨励賞獲得。「ラヴィット!」(TBS、火曜隔週出演)、「よるのブランチ」(TBS)、「ミキの兄弟でんぱ!」(KBS京都ラジオ)、「ミキの深夜でんぱ!」(文化放送)などにレギュラー出演中。