お笑いナタリー PowerPush - 謎とき冒険バラエティー 世界の果てまでイッテQ!

内村光良×宮川大輔 ヘルメットおじさん&お祭り男が語る番組の魅力

2005年に深夜バラエティとしてスタートし、2007年に現在の番組名でゴールデン進出を果たした「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)。このたび番組にとって初となるDVDが3巻同時に発売された。

番組では「世界で一番盛り上がる祭りは何祭り?」「人喰いザメでワサビはおろせるの?」といった素朴な疑問に、タレントたちが答えを見つけるべく世界中で奮闘。DVDには人気企画の原点ともいえるエピソードや、撮り下ろしのスタジオトークが3巻にわけてたっぷりと収録されている。

お笑いナタリーではDVDの発売に合わせ、MCの内村光良と“お祭り男”として活躍している宮川大輔にインタビューを敢行。各巻の収録内容にまつわるエピソードや、番組が愛されるワケを語ってもらった。

取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 小坂茂雄

海外に行くと顔が全然知られていないから原点に戻れる

──深夜時代から数えると9年越しの初DVD化ですね。

内村光良 いろんな事務所の垣根を越えて、ほんとにようやくDVDを出せることになりました。これって、ほかにはないことだと思います。ジャニーズさん、よしもとさん、ワタナベさん、サンミュージックさん……。すごいことだよね?

宮川大輔 いやいやいや、内村さんとこのマセキさんも。

左から宮川大輔、内村光良。

内村 うちはたいしたことないから(笑)。水面下でいろいろ調整して、満を持して出すというのが実情ですけど、時間がかかったぶん、作品も充実したものになったかなと思います。

宮川 僕もこれだけ事務所をまたいでいたらDVDは無理なんやろうなって思ってたんで、ほんとにビックリしました。うれしかったですね。

──今回撮り下ろしのスタジオトークのためにDVD収録回をあらためてご覧になったそうですね。宮川さんが番組に出始めた2007年頃の映像も見どころ盛りだくさんです。

宮川 若さとか下手さとか、初々しさみたいなところが目に付きました(笑)。でもそこが面白いと思います。

──2005年に前身の深夜番組が始まりましたが、内村さんはいつ頃からこの番組に手応えを感じ始めましたか?

内村 もちろんDVDに入っている宮川くんの「鳥人祭り」や「チーズ転がし祭り」もそうですし、イモトアヤコの衝撃デビューも手応えを感じました。でも一番確信したのは、「人は傘で空を飛べるのか?」っていうシリーズの最終回(2009年2月放送)ですね。当初の目的がいつしか「人は凧で浮けるのか?」にすり替わるという、あの編集を見たときに「これはすごい番組になるな」って思いました。あのクオリティが今も変わらず保たれているところに感心しているし、総合演出の古立(善之)くんをはじめ各ディレクターの力が大きいですね。

──この番組は内村さんをリーダーに、チーム一丸になって面白い映像を作り上げている印象を受けます。あらためて、すごいチームですよね。

宮川 はい、安全第一を心がけてすごいことをやってるチームです。

内村 うっふっふっふっ(笑)。そうです、安全第一です。

宮川 現地で挑戦するお祭りを見て、まずビックリするんです。「これ、危ないんじゃないか?」って。いろいろ悩むんですけど、絶対面白いVTRになるっていう安心感があるから、最終的にはやりたくなるんですよね。やったあとに「やらなきゃよかった」って後悔するんですけど。

内村光良

内村 VTRに関しては、初期の段階から精度高かったんですよ。各ディレクターさん同士、仲はいいけどお互いにライバルみたいなところがあって。自分が担当したVTRを披露するときは観覧席のところにやってきて、みんなの反応をじっくり見てますし。だから鉄壁の布陣ですよ。

──これだけ長くこの番組が視聴者に愛されている理由はどこにあると思いますか?

内村 単純明快に面白いっていうところに尽きると思います。何の気なしにどこから見ても笑える。そこが作り手のすごいところですよね。僕らタレントはいろんな挑戦をするんですけど、それが成功しようが失敗しようが、ちゃんとディレクターが料理してくれる。あとは、我々タレントも海外に行くと顔が全然知られていないから原点に戻れるんですよね。「ここで何か爪痕を残して日本に帰りたい」っていう思いがこみ上げてくる。そう考えると、ディレクターと我々タレントの相乗効果が大きい番組なんだと思います。

宮川 やっぱりチームワークのよさがありつつ、それぞれ自分のコーナーに責任があるところも大きい。「誰にも負けへん」っていう思いをみんなが持ってるんちゃうかな。あと、世界の果てでアホなことしてるっていうのが贅沢ですよね。

内村 贅沢だよねー。しかも普通だったら1時間番組でやる企画を20分に詰め込んで何本もやってるんだから。もったいないけど、それが面白い。

内村光良、宮川大輔

右 / 内村光良(ウチムラテルヨシ)

1964年7月22日生まれ、熊本県出身。1985年に南原清隆とウッチャンナンチャンを結成。お笑い芸人としての活動を中心に、俳優や映画監督としても活躍。マセキ芸能社所属。

左 / 宮川大輔(ミヤガワダイスケ)

1972年9月16日生まれ、京都府出身。1991年に星田英利とチュパチャップスを結成。1999年に解散後、ピン芸人に。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。