お笑いバトルらしいシビアな駆け引き
──10年以上続く「フットンダ」という番組は、ここまでどんなふうに進化してきたと思われますか?
トシ 最初の頃はお祭り的な、「みんなで年明けにモジってワイワイやろうよ」という感じだったんですけど、決定戦が進むにつれて年々、緊張感が増してきた。みんな狙いに来ている、というのをひしひしと感じます。
タカ MCとして、1つのお題で1人につき2つくらい答えてもらえればいいかな、という思いはあります。生放送で時間も決まっていますから。そこで「あの人のあとに手を挙げる」みたいな駆け引きが、昔よりもシビアになっているのかなと。「ほかの人がスベったあとに行きたくない」とか、逆に「盛り上がったあとに行きたい」とか。
トシ 近年は非常にお笑いバトルらしくなっています。
──お笑い界全体の変化については、番組が始まった当初と現在とでどう感じていますか?
タカ “第7世代”という言葉が出てから、いろんな若手が売れてきていますよね。我々がテレビに出させていただくようになったとき、その年に売れた芸人って多くても4組くらいしかいなかった気がするんですよ。今はその数が多くて勢いのある若手がどんどん出てくる。誰が頭一つ抜けるんだと。戦国時代です。
トシ 「フットンダ王決定戦」では前回からネタコーナーも始まりましたね。その年に売れた若手の子たちが出てきます。前回出てくれたのは、錦鯉とか(笑)。「M-1グランプリ」で決勝に初めて進出して、非常に勢いのある“若手の子”だなと(編集部注:このインタビューは錦鯉が優勝した「M-1グランプリ2021」決勝戦の前に実施したもの)。
タカ もう50歳ですけどね(笑)。錦鯉の長谷川くんは札幌吉本時代に我々と一緒にやっていて、大喜利は結構強いんですよ。もし本戦に出場すれば、かきまわすんじゃないかな。
トシ 実力が錆びついていなければね。
タカ 25年くらい前のイメージなので、その答え合わせができればと思います。
ネタコーナーは深夜にうってつけ
──このインタビューの時点では出場者は未確定ですが、ほかにお二人が注目されている方は?
タカ ライス関町ですかね(笑)。
トシ 出ないんです! 残念ながら。
タカ あの「キングオブコント」チャンピオンの関町ですよ? 1回出たことがあって、インパルス板倉とかロバート秋山とか、すごいメンツがいる“死のブロック”に入ったんですよね。ライオンの檻に子ブタが1匹入ったような感じで、その中でもがんばって逃げ回っていたんですけどね。
トシ 最終的に食べられたんでしょ?
タカ 最終的には食べられました。
トシ 食べられちゃったから今回はおそらく出られないんですよ。あと、(前回は審査員を務めた)板倉はまた出てくれるとうれしいよね。前回までの出場組だと、空気階段も強そう。おいでやす小田にも注目していますし、ミルクボーイの駒ちゃん(駒場)は大喜利強いです。今年の「M-1」チャンピオンもその勢いを引っさげて出てくれるかもしれません。
タカ ハライチ岩井は一度チャンピオンになったこともあるし、今乗ってますよ。前回も最終決戦まで行きました。
トシ 注目の若手が目白押しですよね。中堅もうかうかしていられないですよ。
タカ ネタコーナーではハリウッドザコシショウが前回出演していて、ずっと観ていたかったです。パワーを持っています。
トシ 深夜にうってつけ。
タカ 全部持っていかれますよ。大喜利もネタも豪華メンバーになりそうです。
──タカさんは今回も解答者として出場されますか?
タカ 調子がよければ出たいと思います。
トシ そういうのは困るんですよ。
タカ 出ます! 前回は予選を通過できたんですけど、準決勝でまさかのスタミナ切れをしまして(笑)。
トシ ダメじゃねえか! そろそろ歴代優勝者に名を連ねていただきたいんですよ。
タカ 今回はがんばりますよ。万全の状態で優勝を狙っていきます! 獲ります!
トシ タカが獲ります!
タカ 獲らされます!
トシ 獲らされるってなんだよ(笑)。お前の力で獲れよ。
プロフィール
タカアンドトシ
タカ
1976年4月3日生まれ。北海道出身。
トシ
1976年7月17日生まれ。北海道出身。
中学校の同級生だった2人が1994年にコンビ結成。地元・北海道で活動を続けたあと東京進出し、2004年の「M-1グランプリ」でファイナリストに。2005年と2006年の「爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」(NHK総合)で優勝。特に漫才中の「欧米か!」に代表されるフレーズ「○○か!」が流行した。全国ネットから北海道ローカルまで数々のバラエティ番組でMCを務め、漫才の舞台にも立ち続けている。
「フットンダ王決定戦2022」特集
- 「フットンダ王決定戦2022」モジり世代闘争で初笑い!4時間20分の生お笑いバトル