「M-1グランプリ2024」の準決勝が昨日12月5日に行われ、審査の結果、
マヂラブ&ファイナリスト9組が登場
会見MCの
決勝進出者発表の瞬間を収めた動画を交えながら、ファイナリストたちが順番にステージへ。ママタルトは「まーごめ」のポーズを決め、令和ロマンはケムリが深くお辞儀するのに対してくるまは微笑みを携えながら胸を張った。結成2年目のジョックロックは2人して長い時間、深々と礼。真空ジェシカは某バラエティ番組で勃発した「永野に掴みかかる陣内智則」の図を「M-1グランプリ2024」の開催記者会見と同様、再現する。そんなことをしていたためか、立ち位置を忘れて右往左往する一幕も。マヂラブからも「絡みたくありません」と拒絶されていた。
エバースはCOWCOW風のポーズ。トム・ブラウンはうれしそうに2人とも両手を突き上げて登場した。ダイタクはさらっと会釈し、ヤーレンズはダッシュで現れその姿をよく見せてくれない。バッテリィズは2人ともピースサインで、フレッシュに喜びを表していた。
ママタルト大鶴肥満、せり上がれるのか
全員揃ったところで、1組ずつマヂラブがコメントを求めていく。初進出のママタルトは、大鶴肥満が「みんなはこれをゴールインと呼ぶらしいけど、私はこれは、スタートなのかなと思う」と語りはじめ、何かと思えば檜原が「サツマカワRPGさんとでか美ちゃんさんの結婚式で牧師さんの話が長くて……」と説明。その説明も冗長で、「今のお前のほうが長いよ!」とマヂラブにツッコまれる。決勝の見どころの1つである、漫才師が登場する際の“せり上がり”の装置が190kgの肥満の体を支えきれない可能性があるという心配も持ち上がった。
昨年からの連覇がかかる令和ロマンは、くるまが口角を引き上げながら「通過点。ただそれだけですね」と言い放ち、「すべての子羊漫才師を檻に帰す」とヒールキャラを演じてみせ、それに野田が「言ってやったなあ!」と声援を送る。決勝進出が決まっても周りの芸人は誰も話しかけてこなかったといい、「うろうろして、やることないのハズいなって空気になってるマユリカの阪本さんだけが適当にハグしてくれた」と裏話も。昨年の優勝賞金を全額くるまにあげてしまったケムリは「今年取り返しに来ました! 僕忘れ物1000万なんで」と意気込んだ。
ジョックロックは12年目の福本、芸歴5年目のゆうじろーのコンビで、初の準決勝から初の決勝進出を果たした。福本は「新幹線に乗って、東に向かうと共にどんどん声が飛んでいった」と喉の心配を明かし、「声が出るかどうか、一か八やった。(声が)出たので、勝ちました」と安堵の様子。これにゆうじろーはぐいっと前に出てきて「のどぬーるスプレーを買ったほうがいいかなあ、という相談を2分くらい受けました」と指を「2」にしながらアピールした。
「お前たちもう会見に来るな」
マヂラブに「聞くことはあんまりない」と言われてしまった4年連続決勝進出の真空ジェシカは、川北が話しながら“犬”化。さらに「めちゃくちゃ気持ちいいー!」とジョックロック福本のツッコミを真似すると、本家福本に同じポーズで「やめろー!」と止められた。例年通り会話にならないため、野田から「お前たちもう会見に来るな」と忠告を受けた川北は「かまいたちさんならそんなこと言わない」とマヂラブのMCに批判的なネットユーザーを思わせるコメントで対抗。野田は「ここ(会見MC)で賛否両論ある!? ネタならわかるけど」と改めて否定派に対する驚きを吐露した。
村上はバッテリィズがお気に入りのようで、「面白いなと思って見てました、動画であなたたちのことを。カワイイ!」と真空ジェシカのときとは打って変わってニッコニコ。野田も、声を上げて決勝進出を喜んでいた彼らを「(素直に喜んでいて)うれしい」と好感を抱く。今の拠点は大阪だが、これを機に東京進出も考えるのか問われたバッテリィズ・エースは、「あ、ごめんなさい」となぜか質問を聞き逃したようで、ネタ同様、とんちんかんな一面がちらり。しかし「賞金1000万もらったらどうするの?」と聞かれると、「500万なので」と“相方と半分ずつ”ということへの理解は素早かった。
2年連続決勝進出のヤーレンズは、昨年あと一歩のところで敗れた令和ロマンを倒すと気合十分。楢原は「今年はパワーにパワーを重ねて。筋トレに筋トレも重ねて」と見切り発車なことを言い出し、「うまくフォローしてくれないか」と出井に助けを求める。ほかの芸人から「絡みづらい」と思われているのを気にしているようだが、野田は「ただ、ラジオクソ面白い」と2人だけでしゃべっていれば申し分ないと太鼓判。出井は「いけ好かない王者を俺たちが倒してやりますよ。持たざる者として……」と前に出てくるが、言葉が続かず。再び勢いづけて前に行こうとすると、「誰が猿や!」と「持たざるの“さる”」に反応した川北が出てきてしまい「最悪!」と戦意喪失していた。
ダイタク大、みんなが来てくれて泣いた
6回目の準決勝に挑み、ラストイヤーで悲願の決勝進出を掴んだのはダイタク。大は「呼ばれないだろうなと諦めてたら呼ばれて、呼ばれたのでうれしかったです」とシンプルな回答をしてしまい、「2人目の(バッテリィズ)エース!」とその素朴さを粒立てられた。拓が明かすのは、呼ばれたときのリアクションについて。双子らしく喜び方を揃えたほうがいいのか、などと考えを巡らせた結果「置きにいって、ちょっと合ってる」というリアクションになったと照れていた。2人の苦労を知るマヂラブが「泣くと思った。泣かなかったの?」と聞くと、大は「うるうるは来たけど、意外と涙流れないなーと思っていたら、出所明けくらい後輩とかみんながバーっと来てくれて。そのときに泣きましたね」と告白。拓は「ホッとした、が大きいです」と気持ちを明かした。
トム・ブラウンがファイナリストに選ばれるのは、2018年大会以来、6年ぶり。人生で初めて「有吉の壁」(日本テレビ)の収録を休んでこの準決勝に臨んだという。みちおが「今回は(司会の)絶対に上戸彩さんとおしゃべりしたい」とニヤニヤ話すと、「ちょっといいですか? 今日みちお、かかっててムカつきますね」と布川。みちおが結果発表のかなり前から「おえっ」とえずいていたことを「あれ、承認欲求ですよ」などと言い、「お前だってかかってるだろ!」とみちおと言い争いに。改めて、みちおは「2018年のときは、優勝を目指していたのに‘飛び道具”と言われて、正直ムカついてた。6年越しに決勝行けたので、正直、死ぬほどうれしいです」と本心で喜びを語った。
今年、出場した5つの賞レースで決勝進出しているエバース。バッテリィズとは異なり、結果発表時にすました顔をしていたことをマヂラブに追及されると、町田が「ちょっとゾーンみたいなのに入ってました」とわけのわからない返答。「漫才中じゃなくて?」「どういうゾーンだよ」とさらに攻め込まれても「だからゾーンに入ってたんです」と繰り返すばかり。「今も(ゾーンに)入ってるだろ?」と聞かれ、「今も入ってますよ?」と当然という顔つきで押し通していた。
会見が終わると、マヂラブが退出。野田が「来年も(MCを)やる」と言いながらなかなかはけないでいると、ファイナリストたちから「もうやるな!」「かまいたちがいいー!」「(麒麟)川島さん戻ってきて!」といった野次が飛んだ。
エバース町田、まだゾーンの話
質疑応答では、「決勝進出が決まったときの気持ち」の明確な回答を会見中に得られなかったエバースとママタルトにお笑いナタリーが再度質問。エバース佐々木が「呼ばれたときに、『M-1で名前呼ばれる人生だったんだ!』と思いました」とコメントすると、ママタルト檜原は「『M-1で名前を呼ばれる一生だったんだ!』という気持ち」とそのコメントをほぼそのまま拝借した。エバース町田は「僕は、ゾーンに入ってました。全部がゆっくりになって、まだ脳に届いてない感じでした」とまだゾーンの話を続け、最後に「えー、ほんとにうれしかったです!」。ママタルト大鶴肥満は、再びサツマカワRPGとでか美ちゃんの結婚式の話に戻ったが、「マジで、うれしかったです!」と本音も明かした。
加えて「決勝進出が決まってから相方と交わした言葉や(握手、ハイタッチなどの)アクションは?」を全組に質問。そのほか、昨年の優勝者・令和ロマンは「前年王者がストレートで決勝に進むのは初めて。意識していますか?」、「連覇の決めてになるものはなんだと思いますか?」と問われていた。回答は下記の通り。
質疑応答「相方と交わした言葉は?」
決勝進出が決まってから相方と交わした言葉や(握手、ハイタッチなどの)アクションは?
エバース
町田:まだ交わしてないですね。
佐々木:呼ばれる前に「さすがに行ってる」とは(町田が)言ってました。
町田:鼓舞するために! 相方を鼓舞するために、「さすがに行ってる、さすがに行ってる」ってずっと言ってました。ちょっとすいません、えーっと、(決勝進出が決まってから)なんか言った?
佐々木:いいよ。言ってないんだもん、しょうがない。
ママタルト
大鶴肥満:(エバースのもとまで巨体を揺らして走ってマイクを取りに行く)
檜原:言葉は一切交わさなくて、2人でこういう写真(自撮りのツーショット)を撮りました。
ママタルトのツーショット
令和ロマン
くるま:「Go ahead」と言いました。
ケムリ:前に進め、みたいな意味? 言ってないですよ。僕らもまだ(言葉を)交わしてないです。
くるま:そうですね、まだ戦いが終わってないので。目で会話しました。「決勝へ」って感じで。
ケムリ:お互いの気持ちはわかってますので。うれしかったです。
ジョックロック
福本:決勝行けたことによってこれからネタで忙しくなると思うので、「ほかの雑務はすべてお前がこなせよ」と言いました。
ゆうじろー:僕は「任せてください」と。
福本:いや、「今はそんなこと聞きたくない」って言ってました。
ゆうじろー:おいー。本当のことは、言わなくていいんですよ。でも、(福本は)「夢か?」ってずっと言ってました。「俺の命は大丈夫かな」って。
福本:そんな浅いことは言ってません。
真空ジェシカ川北:そんな言い方だった?
福本:(ツッコミのときの言い方で)「これは、夢かー!」
真空ジェシカ
川北:僕は、無言のディープキスを。
ガク:言葉なんかいらないんで。(「お前がちゃんとしろ!」の声が飛ぶ)
川北:胸に手を回したときに、「それはまだ」って言われました。
ガク:順序を追ってね。決勝いけた段階では、ここまで。優勝して、もっと深いところまでって感じですね。(「ガクさんが訂正しろ!」の声が飛ぶ)
バッテリィズ
エース:すいません。腰痛い、バッテリィズのエースです。「ホームラン!」です。(ざわつく一同)ごめんなさい、ホームランではないです。コンビで交わした約束はないです。
寺家:約束!? 軽くハイタッチしたくらいです。
ヤーレンズ
楢原:僕は、「夜明け前が一番暗い、面舵いっぱいだ行くぞ」って言ったら、「は?」って言われました。
出井:言ってないです。
楢原:そう書いてください。
ダイタク
拓:僕らは言葉は交わしてないんですけど、握手はしました。4年ぶり15度目くらいの握手だと思うんですけど。そのときにやっぱり、伝わってくるんですね、双子だから。ビビビって来て、「今日昼、松屋食べた」って言ってました。
大:やっぱ伝わるもんだね。今日僕食べたのタンシチューなんで。
(司会者が「決勝に進出されて、交わした言葉っていうのは?」と再度聞く)
くるま:なんでダイタクさんだけ許さないんですか!(笑)
大:本当に言葉は交わしてないです! 僕は一言もしゃべってなくて、拓が手出してきたんです。
拓:一応ね?
大:なので、ただ握手しただけです。
拓:照れくさいんで、本当に! こんなことないと握手しないんで。
トム・ブラウン
みちお:僕ら、交わしてないよね。
布川:まだ2人ではしゃべってないです。去年は準決勝の発表の前くらいに急に話しかけてきて、「運のレールには乗ったな」って言ってきて、無視しました。
みちお:あ、でも思い出した! (今年の)ネタ終わりはしゃべりました。「いい感じでできたよな」って。
布川:そうだっけね? たぶん、無視したと思います(笑)
みちお:決まってからはしゃべるのもちょっと恥ずかしくて。裏のほうで「さすがにうれしいね」って布川が言って、ヤーレンズと肩をパンパンパン叩いて。
布川:ヤーレンズと4人で喜んじゃいましたね。
前年王者がストレートで決勝に進むのは初めて。意識していますか?
令和ロマン
くるま:でも2010年までの「M-1」と2015年以降の「M-1」はまた違ってくると思うので、同じ指標では比べられないですけど、初めてっていうことはうれしいですね。
ケムリ:お前、本出してそうだなあ。
くるま:普通にそれは、実はちょっと意識してました。うれしいことです、非常に。
ケムリ:「M-1」の長ーいWikipediaに名前載るのうれしいです。
くるま:ていうか、敗者復活に行ったらマジで炎上すると思っていたので、絶対決勝行かなきゃなと思ってたんで、よかったです。
連覇の決め手になるものはなんだと思いますか?
令和ロマン
くるま:20回記念大会ということで、「M-1」への愛、じゃないでしょうか。
ケムリ:うれしかったです。
くるま:エースさん化するなよ!?
ケムリ:面白い漫才をした人が優勝すると思います。
くるま:(ほかのコンビに負けないものは?の質問に)えーっと、実績。
檜原:彼らの実績は素晴らしいですよ!
くるま:それ1本でがんばります。マウント芸でがんばります。
「M-1グランプリ2024」決勝・敗者復活戦
ABCテレビ・テレビ朝日系
敗者復活戦 2024年12月22日(日)15:00~18:30
決勝戦 2024年12月22日(日)18:30~22:10
※記事初出時、キャプションに誤りがありました。訂正し、お詫びいたします。
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ダイタクは無言で握手、トムブラとヤーレンズは4人で喜ぶ M-1会見TVer配信終了後の質疑応答 - お笑いナタリー https://t.co/4Xtq5KUttf
みちお「2018年のときは、優勝を目指していたのに‘飛び道具”と言われて、正直ムカついてた。6年越しに決勝行けたので、正直、死ぬほどうれしいです」