今月9月23日(月・振休)に放送される「4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行8」(BS朝日)に
「コントでのカツラはありますが、しっかりと着物とカツラをつけて京都でお芝居をするのは初めて」という狩野。撮影後に「自分の経験値として度胸がつきました。終わってみて楽しかったという思いはありますが、役者さんたちへのリスペクトがさらに大きくなりました。軽率な思いでは出来ない。やるからにはバラエティを断ってでも、しっかり時間をかけて演技に全力で取り組まないと他の役者さんやスタッフさんたちに申し訳ないと思っています」と語った。
狩野英孝 コメント
──時代劇初出演とのことでしたが「無用庵8」にご出演された感想は?
京都の撮影所は演者さんを含めてスタッフさんが怖い、というのを噂で聞いていてビビっていたんですが、行ってみたらみなさん本当に優しくて。吉川(一義)監督も優しいし、演者さんもみなさんが声をかけてくださって。おかげで楽しく撮影を終えることができました。
──ご出演の話を最初に聞いたときは?
芸能界に憧れていた高校時代に修学旅行で京都に行ったんですが、そのときに撮影所にも行って「いつかここに仕事で来られたらすごいな」と思ったことがあったんです。お話をいただいたときに、その夢が叶おうとしているぞ、みたいな思いはありましたね。不安のほうが大きかったですけど。ただ、ちょっぴり「ドッキリかな?」という思いもありました(笑)。いつもバラエティ番組でだまされる側なので(笑)。でも現場入りしたらあまりにも迫力がすごくて、これでドッキリだったら逆に感動だわ、という感じになりましたが(笑)。
──水谷豊さん扮する半兵衛らを騙す弥吉という役については?
出身地の東北弁訛りで演じられましたし、なんか姑息で、強い者にはヘコヘコしてみたいな役柄でしたので、役作りは一切なしでできました(笑)。そのまんまの自然な姿で行けたのでよかったですね(笑)。
──東北弁=陸奥弁を使うことで工夫もされたのでは?
地元の方のネイティブ陸奥弁は僕でもわかりづらいところがあるんです。ただ、東京の人でもわかる陸奥っぽいニュアンス、イントネーションというのもあって、台本のセリフを自分の中で“翻訳”しながらやりました。事前に妻にも聞いてもらって理解できるか判断してもらったりもしました。方言監修の方がいなかったので責任重大でしたね(笑)。
──水谷さんや檀れいさんと共演されましたが?
水谷さんからアドバイスやダメ出しなどはなかったんですが、僕がカツラを付け終わったときにいらして「狩野ちゃん、よろしく」とグータッチをしてくれたんです。それがうれしくて(笑)。初めての時代劇で、大御所の方にそんなことをやっていただいて感激しました。撮影の最終日に1人で記念写真を撮っていたんですが、たまたま通りかかった水谷さんが「一緒に撮ろう」と言ってくださってさらにうれしかったですね。
──お二人の演技をご覧になった感想は?
僕の最初のシーンが水谷さんとの掛け合いだったので、1人で練習したり、マネージャーを相手に練習をして臨んだんですが、こちらがセリフに魂を込めすぎて入ろうとすると、水谷さんが落ち着いて演技していらっしゃるんです。それを見て自分もやりすぎた、ブレーキを踏まないと、という感じになりました。水谷さんが演技で先導していただいたので、それに合わせていけたと感じました。檀さんは僕がお二人をだましたことがバレたシーンを撮影しているときにすごい視線を感じたんです。で、ちらっと檀さんを見ると、フンッという感じで目をそらすんですよ。そんなこと台本のト書きにもないんですが、こちらとしては「本当に申し訳ございませんでした」という気持ちになるんです(笑)。役者さんってすごいなと思いました。
──プレッシャーなどありましたか?
本当に僕でいいんですか、という思いはあったんですが、僕の勝手なイメージですが、最近の時代劇は型を少し崩して遊ぶようなポイントもあるのかな、とも感じていたんです。その中で僕を起用してくださったのかな、と思ったら少し気持ちも楽になりました。で、顔合わせのときに吉川監督から「台本の大元を崩さなければ好きにやっていいから」と言われて「いいんですか?」となって(笑)。さらに気持ちが楽になって、ではやらせていただきます、みたいな感じになりました。
──初時代劇で苦労されたことなどは?
演技やセリフ回しもそうなんですが、カツラが重くて蒸れるし、つけるのに40分ぐらいかかるんです。剥がすときも痛いですし、少し長めの休憩時間があっても横になることもできません。ちょっと大変だなと思いました。
──ご自身の出演シーンで注目して欲しいポイントは?
僕は水谷さん(半兵衛)たちをだます役なんですが、「ロンドンハーツ」(テレビ朝日)などでもそうですけど、僕はだまされる一方だったので(笑)。だますのは初めてだったんです。だからその僕のだましっぷりをぜひ見ていただきたいですね(笑)。僕が初めて人をだましたあとの(田村)淳さんのようなニヤッとした笑いにも注目してほしいです(笑)。
──今回で8作目となるシリーズ作品にご出演なさって感じることはありましたか?
僕が半兵衛さんからお金をだまし取るシーンでも、そのお金があるのも前のシリーズであれがあったからのお金なんだよね、みたいなお話をされていたんです。家の中にお金がある場所も決まっていて「あ、すべてがつながっているんだ」というのは破綻がないというか、すごいなと撮影しながら思いました。僕も今回の台本を読んでストーリーをすぐ理解できたので、初めて見る方にも楽しんでいただけるでしょうし、1作目からご覧になっている方はより楽しくご覧いただける作品だろうな、と思いました。うちの母親や親戚がとても楽しみにしてくれて。なんか親孝行できたかなと感じることが出来ました。本当によかったです。
4K時代劇スペシャル 無用庵隠居修行8
BS朝日 2024年9月23日(月・振休)19:00~20:54
てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u
狩野英孝、時代劇で小悪党の修理屋役「だましっぷりを見て」 https://t.co/S4soRERPmN
狩野「水谷さんからアドバイスやダメ出しなどはなかったんですが、僕がカツラを付け終わったときにいらして「狩野ちゃん、よろしく」とグータッチをしてくれたんです。それがうれしくて(笑)」