「コメディはバカをする勇気」モンティ・パイソンのエリック・アイドルインタビュー

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明日10月8日より、ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM」東京公演のチケットが発売される。

お笑いナタリーのインタビューに応じたモンティ・パイソンのエリック・アイドル。急な来日で限られたスケジュールの中、約30分の間、笑いを交えながら質問に真摯に対応してくれた。

お笑いナタリーのインタビューに応じたモンティ・パイソンのエリック・アイドル。急な来日で限られたスケジュールの中、約30分の間、笑いを交えながら質問に真摯に対応してくれた。

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これはイギリスの代表的なコメディ・グループ・モンティ・パイソンが作った映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」をもとに誕生したミュージカル。ヨーロッパの有名な物語「アーサー王と円卓の騎士」をモチーフに爆笑ギャグが詰め込まれており、世界各国で大ヒットを記録している。

今回この「スパマロット」日本初上陸にあたりキャストを務めるのは、ユースケ・サンタマリア、池田成志、戸次重幸(TEAM NACS)、賀来賢人、ムロツヨシ、マギー、皆川猿時、彩吹真央ら。企画・脚本・演出は、数々のバラエティ番組を手がけ、同作の大ファンである福田雄一が担当する。

8月29日にはモンティ・パイソンのメンバーであるエリック・アイドルが初来日。ジョークをたっぷり含んだ挨拶の後、この舞台を日本で上演するにあたっての熱い思いを語った。

今回、お笑いナタリーではエリックにインタビューを敢行。多くの芸人たちも憧れるモンティ・パイソンメンバーである彼に、お笑いについていくつか質問した。終始にこやかで丁寧に対応したエリックは、コメディアンとしての使命や信念に関して真剣に意見。日本も欧米も同じ問題、変化を抱えていると感じ、芸人のあるべき姿について語った。

東京公演は赤坂ACTシアターにて、来年2012年1月9日(月)から22日(日)。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて、2月2日(木)から5日(日)まで。大阪公演の一般発売は10月29日からとなっている。

エリック・アイドル一問一答

――初めまして。「お笑いナタリー」はお笑いの情報だけを扱うサイトです。

素晴らしい! でも少し頭のおかしい人たちですね(笑)。とても親しいものを感じます。

――日本のコントを観たことはありますか?

ありません。でも聞く限り、日本の芸人やコントの状況はそれほど我々と違うわけではないと思います。私はケンブリッジ大学で1883年から続くコントサークル「FootLights」に入っていたんです。そこでは自分で脚本を書き、観客の前で演じて、選挙のようなものをしなければなりませんでした。そのときに、経験を重ねないと面白いものはできないということを学びました。面白いか面白くないかは観客が決めることなので、経験以外の道は通ってはいけないんじゃないかと。

――現在の欧米のコメディとはどのようなものですか?

この25年はスタンドアップコメディが主です。これはスケッチコメディからの流れですが、変わる時代かもしれないですね。私は、2人の人が衣装もなしでマイクだけ用意してやるスタイルのスタンドアップコメディのようなスケッチコメディも好きです。マイク・ニコルズとエレイン・メイも、もともとはコメディアンで、そのスタイルでやっていましたよ。

――スケッチコメディの魅力とはなんですか?

部分的には演技という所です。いろんな演技をするのが楽しいですね。違う衣装、違うメイク、違う人になって、演技の勉強もしながら、キャラクターになりきって面白くならなきゃいけないというところです。

――欧米でコメディアンにとって一番名誉なこととは何ですか?

私は今まで名誉に感じたことはいくつもありました。「エンジェルス・イン・アメリカ」でエマ・トンプソンがやった天使の役をマネして羽を付けたりした時も、本当に面白く素晴らしい時間でした。かつて女王陛下の前で「蝶々夫人」のパロディをやったときは、女王が笑いすぎてロイヤルボックスから落ちるかと(笑)。また、チャールズ皇太子の60歳記念に行なわれたチャリティ・ライブ「We Are Most Amused」では、「白鳥の湖」のバレリーナの格好をしたり、もうこれが面白くて。こういうお客さんに対するイタズラが本当に楽しいです。

――最近の若いコメディアンが目指す傾向とは?

私は古いコメディアンなのでわかりませんが(笑)、アメリカでは一般的な人向けのコメディで自分のテレビシリーズを持ちたいという人が多いようです。楽しいだけじゃなくちょっと攻撃的なところもある、エッジのきいたものがなくなってきているかなと思います。イギリスとアメリカの笑いの違いを訊かれることがあるのですが、私が見たところ、“愛されたくない”というのがイギリスのコメディアン。“笑い愛してもらいたい”というのがアメリカのコメディアンですが、私はコメディアンというのはあまりそういうことは気にしてはいけないと思います。コメディアンは、本当は何が起こっているのかを伝える役割があるからです。テレビに出てお金をいっぱいもらうだけがコメディアンじゃない。モンティ・パイソンが始まったとき、すごくエッジがあり、人々はみんな嫌ってました。でも、コメディは害がないものであってはならないと思います。自分に対して危害がないなら関係ないってなってしまうから。

――お笑い番組のやりたいこととスポンサーの意向がかみ合わないことがありますが、それに対してどう思いますか?

スポンサーは視聴者に嫌な思いをさせたくないという思いがありますよね。しかし、コメディに関してはそういう制約があってはならないと思います。なぜなら、そのコメディで言いたいことやそれに対してコメントする心は変わってはいけないんです。

――お笑いが大好きな読者にメッセージをお願いします。

私は、コメディというのは勇気だと思います。バカをする勇気。面白くできないときに諦めてしまう人はいっぱいいるけれど、そうではなくそのまま突き進まないと。囚われてはダメです。コメディというのは真実を告げることができる力というものを持つことだと思います。だから好きなんです。

――最後に今回の舞台の見どころをお願いします。

アーサー王の悲劇なんですけど、バカ者どもが周りで邪魔して邪魔して。彼はイライラするんですが、最後に愛するものを見つけてこの旅を振り返ります。その話を信じてもらうってことが大切だと思います。ただこれはこの話に限らず、すべてのことに言えることだと思います。話の中のキャラクターたちに繋がり、彼らを信じてほしい。観客を笑わせるというより、この旅を一緒におこなってほしいと思っています。ラストに、こういうことは上手くいった、こういうことは上手くいかないっていうところを見ていただければ。

――今日は本当にありがとうございました。

あなたは日本語がお上手ですね!

「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM」

●東京公演
2012年1月9日(月) ~ 22日(日)
会場:東京・赤坂ACTシアター
チケット発売日:10月8日(土)

●大阪公園
2012年2月2日(木) ~ 9日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
チケット発売日:10月29日(土)

料金:S席 10500円 A席9000円

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