ハライチ＆佐久間Pの相思相愛な信頼関係、“行きたい場所”目指す仲間

ハライチの冠番組「ハライチのYAMi」がバーティカルシアターアプリ「smash.」で配信されている。お笑いナタリーではこの番組の最終収録日にスタジオを訪れ、ハライチと番組を手がける佐久間宣行プロデューサーに話を聞いた。

smash.から声のかかった佐久間Pが「ハライチの冠番組を」と希望して実現したこの番組。佐久間Pによれば、「この人たちでやりたいっていう企画が2つか3つポンポンって浮かんだら冠番組にしたほうがいいなって思うんですけど、ハライチは岩井から思いつく企画、澤部から思いつく企画、それぞれけっこうあって。少なくとも1クール分はあったのでハライチでやらせてほしいと言いました」というのがハライチの名前を出した理由だ。

前々から佐久間Pと岩井の間で「一緒に何かやろう」という話はあった。「『番組作ってくださいよ』『いいよ』みたいな話はしていたんですが、冗談半分だと思っていたんですよ。だから本当に作ってくれるんだっていうのはうれしかったですね」と岩井。「ゴッドタン」（テレビ東京）の「腐り芸人セラピー」をはじめ、佐久間Pとの仕事で「企画に不信感を覚えることはない」といい、「これをやって、つまんなく見られたらやだなっていうのが佐久間さんの番組ではない」と信頼感を示す。

一方、「岩井が佐久間さんとそんな話をしていたことを僕はまったく知らないので、いきなり（冠番組の）話が来たなっていう感じでした（笑）」と今回のオファーに驚いたという澤部。つい最近まで佐久間Pを「怖い」と感じていたが、「『マジ歌』の練習でテレ東に行ったら、佐久間さんが娘さんと腕組んで出てきて。それ見て、やっと解けてきましたね。あ、優しいパパなんだって。それまでは面白いものだけを作るバラエティアンドロイドみたいな、冷徹な人かと思っていたので……」と意外な一面に触れて印象が変わってきたことを明かす。これに対し、佐久間Pは「特に『ゴッドタン』では澤部が心を許せない企画が多かったんだよね。岩井が闇に取り込まれる企画が多かったから」と慮った。

これまで数多くのお笑い番組を世に送り出してきた佐久間Pにとってハライチはどんな存在なのか。基本的にはどの芸人とも“仲良し”な関係にはならず、「ゴッドタン」メンバーとも飲みに行かないのは「編集で切れるように（笑）」と冗談っぽくも自身の考えを述べる佐久間P。「信用する演者さんには、企画の細かいところは話さないで、行きたい場所だけ説明するんですよ。逆にちょっと心配かなっていう場合は全部説明する。あとは、こっちで確実に撮れるからここはこれくらいの撮れ高があれば十分っていうような具体的な作戦を話すようになる。だから一緒に番組を作るメンバーですよね。目指したい場所を言えばそこを目指してやってくれる、ディレクターや作家と同じような意味合いの人になるとやりやすい。もちろん彼らは出演者ではあるけど、そういうことを言える関係性になってきたなと感じます」とハライチに対する思いを語る。

今後展開されるのは、大喜利、ノリボケといったお笑いに特化した企画や「最高のアニメ予告編を作ろう」など。岩井はギャルを相方に漫才を披露する「ギャル漫GP」が印象的だったといい、「僕がネタを書いてギャルと漫才をやるんですけど、ほとんど練習していない。説明して、2、3回やったらもう行くみたいな。澤部とネタ合わせするくらいの感じでした」と相方となったギャルの頼もしさをアピールする。対して、同企画に参加した三四郎・小宮はギリギリまでネタ合わせをしていたそう。澤部はギャルの書いたネタで挑戦しており、「やってたときの記憶はあんまりないんですけど、終わったあといろいろ反省しだす、みたいな漫才でした（笑）」と振り返った。

この日収録された大喜利企画では、芸人たちの大喜利回答を実演する男性俳優の見事な演技に出演者一同、大興奮。澤部は「あのおじさんともう1回会いたい」、岩井は「自分であのおじさんにギャラ払ってでもやりたい」と彼の虜に。特に岩井は、終了の合図があってもなお「あと1個だけ」と大喜利を続けるほど気に入った様子だった。芸人の回答と“おじさん”による哀愁漂う芝居の化学反応に注目を。「まだやりたい企画が何個もある。たくさん用意していたので」とシーズン2への意欲を見せる佐久間Pも、「シーズン2があったらあのおじさんがトップバッターで来るかもね（笑）」と期待させた。

「ハライチのYAMi」は毎週木曜21時に新作が配信され、全エピソード無料で視聴可能。