鈴木が作・演出を手がけるこの作品は、現代と1980年代、2つの時代のテレビを作る人々を描く物語。「面白いとは何か」「テレビの正義とは何か」を悩み、魂を売って“てれびのおばけ”になるしかなかった主人公を今田とせいやが演じる。
「見てきたものはおさむくんと共通していると思うので、劇中に出てくるキャラクターをあの人かな、この人かなと想像できた」と脚本にリアリティを感じたという今田。「机を出してそのまますーっと下げるとか、セーターを着たのに何もせず脱ぐとか、段取りが入りきっていなかった(笑)。ほんと(ゲネプロを)やってよかったです」と本番を前に調整すべき点に気づけたと笑った。芝居では初めての共演となるせいやは「(役に)入り込むタイプ。ゲネも今までで一番よかった。安心してできるというか、お芝居で引っ張ってってくれる」と頼もしい存在だ。それが伝えられると、せいやは胸を張って「今フラッシュください。太字で書いてください」と報道陣に要求して笑いを誘った。
そんなせいやは「漫才のときはお客さんの顔を見て、その場で思いついたことを言うんですが、初めてのお芝居の舞台でどこを見ればいいのか。客電が暗かったのは助かりましたね。相方も見に来ていたので『粗品と目が合ったらどうしよう』って思ってました(笑)」とゲネプロに臨んだ感想を述べる。今田と自由に掛け合う場面もあり、「アドリブがいきすぎて、世界観なくなるような、年代を壊すようなことを言ってしまった(笑)」と設定を忘れて夢中になってしまったと反省。今田については「芸人として今田さんに憧れてきましたけど、お芝居のときこんなにシリアスになんねやって思うくらいスイッチの切り替えがすごい。最初面白いシーンもあるんですけど、終盤のシーンは見ているだけでグッときます。振り幅がすごいと思いました。コメディアンとしていろんな顔を持っていらっしゃる」と尊敬の眼差しを送る。
作品にちなんで「自分が思う“てれびのおばけ”は?」という質問には、せいやが「今田さんと(鈴木)おさむさん」と回答。「笑い大優先。稽古中とか(安全祈願の)お祓い中に僕のケータイが鳴ってしまったことがあったんですが、ミスもおもろがってくれる。やっぱお笑い好きなんやなと思います」と語ると「お祓い中に神主さんが噛んで笑ってたんはお前やん!」(今田)、「いや、今田さんですよ!」(せいや)となすりつけ合っていた。
今田は最後に「昔と今を比べるというよりは、面白いことってどういうものか、面白いことって幅広いんだなって教えてくれるような内容。テレビの業界にいる我々が可能性を感じられる舞台ですし、テレビの世界にいなくても私生活で面白いことってなんだろうと考えさせられると思います」と見どころを紹介。初回はこのあと19時に開演。配信チケットも販売されているので劇場に足を運べない人はオンラインで楽しもう。
てれびのおばけ
日程:2021年4月14日(水)~4月18日(日)
会場:東京・本多劇場
料金:客席観覧チケット7000円 / 配信チケット3500円
<出演者>
※記事初出時より、写真を追加しました。
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eSu @SDResq
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