ニッポン放送と「お笑いハーベスト大賞」を主催してきた日本音楽事業者協会が共同制作する「お笑い有楽城」は、若手芸人が数分間のトークを披露し、審査員によって選ばれた1組を「オールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送)の単発パーソナリティに起用するオーディション番組。今回はランジャタイ、ママタルト、しちふく、パンプキンポテトフライ、Gパンパンダ、モシモシ、ヒコロヒー、XXCLUBの8組が無観客での収録に参加し、彼らのトークを松村邦洋、バイきんぐ西村、声優の小宮有紗、放送作家の松田健次氏、「オールナイトニッポン」チーフディレクターの金子司氏が審査した。
XXCLUBは共にラジオ好きで、特に大島は15年来の「オールナイトニッポン」ファンだとバトル内でアピール。「ヒコロヒーさん、お疲れさまでした」と「オールナイトニッポン0」おなじみの挨拶で審査員の心を掴んだり、この「有楽城」にも携わっているニッポン放送の野上大貴ディレクターと大学お笑いサークル時代からの付き合いだと明かしたりと、ラジオとのつながりを印象付けるトークを展開し、“ラジオ愛”が決め手となって見事優勝を勝ち取った。
しかし本人たちは敗れる想定をしていたようで、松村の口から優勝者が発表されると大島は「『XXCLUBは有名な人とか知り合いの話ばっかりして人間性が見えなかったからダメだったんだよね。でもほかの仕事でがんばってください』っていう審査員コメントを予想してました」と驚き。大谷は「(単発特番でも)いろんな名前出します!」と嬉々として宣言した。
収録後の2人に話を聞くと、大島は「まずANN0を獲得しましたけど、そこからレギュラーになるのがどれだけ大変かっていうのは今までも見てきている。これがすぐどうにかなると期待するよりは、10年後、それぞれ36歳、38歳になったときにどう仕事につながっているかなっていうのは考えますね」と冷静にコメント。そんな相方に大谷は「真面目ー。やだあ。面白くなさそう!」とうんざり顔で、「浮かれたほうがかわいいよ!」と助言するが、大島は「何もきっかけがないよりは『有楽城』で優勝しているんだよっていうラジオ業界の人たちへのアピールにはなった」と続け、「『オールナイトニッポン0』なんて夢の中で何百回とやってきているから」とすでに経験済みであるかのように返してみせた。
そんな彼らだが、YouTubeで2人のトーク配信を行うなどこの日に向けて入念に準備してきたそう。大谷が「『誰々さん、お疲れさまでした』っていうツカミを場当たりの時点で出しておくことでほかの芸人にやらせないっていう牽制はしました」とリハーサルの段階から先手を打っていたことを明かすと、大島は「そう考えるとダサいくらい作戦立ててますね(笑)」と苦笑いする。
フリートークが好きで、オードリーや空気階段の名前を例に挙げる大島の目標は「リスナーに信頼されているからこそ、起承転結がぎゅっとまとまっていなくても聴いてもらえるトーク」ができるまでになること。「パーソナリティにメールを読んでもらうことで気が大きくなっているリスナーがあんまり好きじゃない。人をイジるとかイジられるとか、全然やだ」と思想を出す一方で、「基本的にはリスナーと同じ目線。一緒にラジオを聴いてきた仲間だと思っているので、みなさんの夢を僕らに託してほしい」と寄り添う姿勢を見せる大島に、大谷は「どっちなの!? 怖いんだけどこの人」と困惑気味。「こんな暴言も吐いていますけど、応援してもらえると幸いです(笑)」と呼びかけた。
「ぜひこれでエピソードトークを作ってください」と渡された賞金10万円の使い道については、「お腹いっぱい食べることしか考えてなかった!」という大谷に対し、大島の案は「ヒコロヒーの金借りチャンネル」であらゆる人から金を借りようとしているヒコロヒーに金を貸す、というもの。「ヒコロヒーとXXCLUB大島がラジオレギュラー獲得するまで続けるライブ」と題したイベントの共演者でもあるヒコロヒーに対するライバル心も、今回のバトルへの意欲になったと語っていた。
ラジオを愛し、さまざまなラジオ番組に親しんできた2人が単発特番でどんなトークやコーナーを用意するのか期待しよう。なお「決戦!お笑い有楽城」はradikoで配信中。
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田島太陽 @t_taiyo
(賞金10万円の使い道は)
大島の案は「ヒコロヒーの金借りチャンネル」であらゆる人から金を借りようとしているヒコロヒーに金を貸す、というもの。
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