VOYZ BOY特集|赤名竜之輔&渡邉嘉寿人、福井巴也&石橋弘毅が語る、2チームのカラーが色濃く反映されたシングル

今年1月に赤名竜之輔と福井巴也のダブルリーダー体制となったVOYZ BOY。現在は赤名率いるTHE YELLOW by VOYZ BOYと、福井率いるTHE PINK by VOYZ BOYの2チームで活動している。そんなTHE YELLOW by VOYZ BOYがアーバンかつクールなダンスナンバー「Drivin'」、THE PINK by VOYZ BOYがケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)提供のサマーチューン「H2O」をリリースした。

音楽ナタリーではTHE YELLOW by VOYZ BOYから赤名と渡邉嘉寿人、THE PINK by VOYZ BOYから福井と石橋弘毅を迎えてインタビューを実施。新曲の話題はもちろん、2チーム制になった経緯、リーダー2人が考える各チームのカラーや目標について語ってもらった。

取材・文 / 真貝聡撮影 / 森好弘

気付いたらステージに立ってた

──音楽ナタリー初登場ということで、まずはグループ結成時の話から聞かせてください。VOYZ BOYはどのようにして生まれたんですか?

赤名竜之輔(THE YELLOW by VOYZ BOY) もともとは、スカウトされた子だけで結成したグループなんです。最初は30人とか……とにかく大人数の男の子が集められて、「新しいエンタテインメント集団を作ろう」という目的でスタートしました。実は今日に至るまで形態もいろいろと変わっていまして。最初は3チーム体制で、そのあとは4チームになって、自分たちの在り方として何が正しいのかを模索しながら活動してきたんです。

──皆さんは、どういう流れでグループに加入したんですか?

赤名 僕はもともと芸能活動をやっていたんですけど、留学するために活動をやめまして。日本に帰国してから、用事があって渋谷へ行ったんです。そしたらスクランブル交差点の前で、VOYZのスカウトマンの方に声をかけていただいて。 実は、その日に3社の事務所さんから声をかけられたんですよ(笑)。それで自分なりにいろいろと考えた結果、現在の事務所である、VOYZ ENTERTAINMENTに決めました。

──芸能活動を辞めたあとも表舞台に立ちたいという気持ちはあったんですか?

赤名 そうですね。歌とダンスとお芝居が大好きで、うまい下手は別として自分の天職だと思っているんです。だから留学中も毎日ダンスレッスンに行って、向こうで見つけたお芝居の先生に殺陣の稽古をつけてもらっていました。なので今、自分の好きなことを表現できているのはすごくうれしいです。

──渡邉さんはいかがですか?

渡邉嘉寿人(THE YELLOW by VOYZ BOY) 僕もVOYZのスカウトマンの方に声をかけていただいたのがきっかけですね。最初はとりあえずやってみた感じだったんですけど、続けていくうちに楽しくなってきて……気付いたら新宿アルタ(※VOYZ BOYの初ステージ)に立っていました。

福井巴也(THE PINK by VOYZ BOY) めちゃくちゃ間を端折ったよね?(笑)

渡邉 ハハハ。でも、本当にそれくらいの感覚で。ただ、そのときは人前に立つことがなんなのかもわかってなかったけど、今はプライドを持ってステージに立っています。

THE PINK by VOYZ BOYから福井巴也と石橋弘毅、THE YELLOW by VOYZ BOYから赤名竜之輔と渡邉嘉寿人。

THE PINK by VOYZ BOYから福井巴也と石橋弘毅、THE YELLOW by VOYZ BOYから赤名竜之輔と渡邉嘉寿人。

──芸能界に興味はありました?

渡邉 全然なかったですね。ただ、小さい頃から有名になりたいという願望だけはあって。野球を11年間やっていたので、野球でそうなれたらとは思っていたんですけど、やめた途端に「あれ? 俺は何で有名になればいいんだろう」となって、自分が何をしたらいいのか迷っていたんです。そんなときにスカウトしていただいたので、即答で「やります!」と答えました。

石橋弘毅(THE PINK by VOYZ BOY) 僕と巴也くんは「キミモテロッジ~家づくりで声優オーディション!?~」という深夜のオーディション番組に出演していまして。そこで合格したメンバーでハイスクールチルドレンというユニットを組んでデビューしました。

──最初は違うユニットで活躍していたんですね。

赤名 僕らはBoiz ENTERTAINMENTというチーム名で活動していたんですけど、その後VOYZ BOYに変わったんです。そのタイミングでハイスクールチルドレンも僕らと合流することになりました。

──石橋さんは芸能活動に興味はありました?

石橋 なかったんですよ。だけど大学へ進学するときに、僕は勉強が得意じゃないから将来はどうやってごはんを食べていこうかなと考えたんです。それで自分には肉体労働しかないなと思って、芸能の道を意識するようになりました(笑)。「キミモテロッジ」は声優デビューを目的としたオーディション番組だったので、声優になれたらと思って応募して……気付いたら歌って踊ってました(笑)。

福井 気付いたらね(笑)。

石橋 本当にそう!

福井 僕は12年間ほどサッカーをやっていて、高校でもサッカーが強い学校に入ったんです。だけどそこのサッカー部がすごすぎて、プロになる人たちってこんなレベルなんだと痛感して、サッカーの道を諦めたんです。そこから縁があって「キミモテロッジ」に参加するという流れですね。

──今、ステージで歌って踊ってる状況をどう思います?

福井 VOYZ ENTERTAINMENTに入った時点で、ゆくゆくはそういう可能性もあるだろうなと想像はしていましたけど、我々はダンスボーカルじゃなかったから。

渡邉 (ハイスクールチルドレンは)声優ユニットとして結成したもんね。

福井 そうそう。なので……僕も気付いたらやっていた感じです(笑)。

THE PINK by VOYZ BOYから福井巴也と石橋弘毅、THE YELLOW by VOYZ BOYから赤名竜之輔と渡邉嘉寿人。

THE PINK by VOYZ BOYから福井巴也と石橋弘毅、THE YELLOW by VOYZ BOYから赤名竜之輔と渡邉嘉寿人。

THE YELLOWとTHE PINK、それぞれのカラー

──その後、VOYZ BOYは去年12月に開催したフリーライブで、今年1月からTHE YELLOW by VOYZ BOY とTHE PINK by VOYZ BOYの2チームに分かれて活動していくことを発表しました。この体制になったのは、どういう狙いがあったんですか?

赤名 僕たちはもともと約40人で活動していたのですが、昨年のフリーライブの前に15人くらい卒業したんです。理由はさまざまで活動をしていくうちに年齢を重ねて、将来やりたいことが目指す道とズレたり、新たな夢が見つかったりして。そんな中、「やっぱりVOYZ BOYとして夢を追い続けたい」という強い意志を持った24人が残った。僕たちが改めてVOYZ BOYというチームとしてこの世界で戦っていくために、何度もメンバーやスタッフさんとミーティングを重ねた結果、今の2チーム制になったんです。もともと人数が多い分、1つのグループのままでは全員が同じ方向を目指せなかったのも事実で、「それぞれのチームが持つ特色や個性を武器に、2チーム体制にしてそれぞれが力を合わせて頂点まで上りつめよう」と話し合っていました。1つのグループの中に2チームが存在すること自体は珍しくないですけど、ここまで色が違うグループはないと思うんですよ。それは大きな武器になるなって。

渡邉 2チームに分かれてからも、各チームのメンバー同士でどんな方向性でやっていくのかを話し合ったよね。

──今、THE YELLOWはどんなチームになっていますか。

赤名 僕たちはダンス&ボーカル集団として、カッコよさを追求していて。とにかくカッコいいパフォーマンスを通して、僕たちの思いを世の中に届けたいと考えています。メンバーはみんな不器用なので、ファンの皆様への気持ち、世の中に伝えたいことを言葉にして発信するのが下手くそなんです(笑)。だからこそステージでの表現を通して、その思いがみんなに届いてくれてたらいいなと。ライブでは毎回、「届け!」と思いながらパフォーマンスしてます。

渡邉 そうだね。みんな言葉にするのが得意じゃないから、熱い気持ちはステージでのパフォーマンスで示したい。THE YELLOWは、そのためにダンスや歌を追求するチームだと思います。これに関しては誰にも負けたくない、という思いを持った12人がそろってます。

左から赤名竜之輔、渡邉嘉寿人(THE YELLOW by VOYZ BOY)。

左から赤名竜之輔、渡邉嘉寿人(THE YELLOW by VOYZ BOY)。

──一方、THE PINKはどんなチームでしょう?

福井 THE PINKのメンバーに共通しているのは、負けてきた奴らというか、VOYZ BOYでもこれまで映像作品などへの出演の機会が少なかったメンバーが多くて。そんな僕らは「何で勝負ができるんだろう?」と考えた結果、やっぱり経験が豊富なメンバーが多いTHE YELLOWにはダンスや歌で勝てない。そうじゃないところを探してたどり着いたのが、宣材写真にも表れていると思うんですけど、このお祭りのような雰囲気。ファンも楽しめて、僕たちも楽しんでやっているこの表現が今できる最良の方法だと思うんです。そういう意味で言うと、THE PINKのメンバーはこれまで負けてきているからこそ、自分たちがどう見られているかにプライドはないです。いかに楽しませるかに全身全霊を込めてます。

──最新曲「H2O」では、THE YELLOWのような正統派のカッコいい路線ではなく、みんなで盛り上がれる路線に振り切ってますよね。

福井 はい。こういうお祭りの衣装を全員が着たいのかと言ったら、そうじゃないかもしれない。中にはK-POPグループやジャニーズのようなキラキラした衣装を着たいメンバーもいるんだろうなってリーダーとして思いつつ、でも今の僕らが戦えるエンタメはここにあって。この泥臭さこそがTHE PINKの強みだと思いますね。

石橋 巴也くんが言ったように、THE PINKは「陽の目を浴びることができなかった子たち」というのもあるんですけど、それを抜きにしてもウチの子たちはクセが強くて。「だから、こいつら陽の目を浴びなかったのかな」と思うぐらい、変な尖り方をしてる。それがおそろいのハッピを着て一緒にバカなことをやることで、すごく素敵な統一感になったというか。みんなで変な尖り方をしているときに、たまたま生まれたのがTHE PINKの家族感なんです。

左から福井巴也、石橋弘毅(THE PINK by VOYZ BOY)。

左から福井巴也、石橋弘毅(THE PINK by VOYZ BOY)。

福井 新曲「H2O」のMVを撮ってるときも、すごくいい雰囲気だったよね。

石橋 撮影前日なんて、みんな遠足前みたいな感じで「楽しみだね!」と盛り上がっていて(笑)。とある学校で撮影させてもらったんですけど、本当に楽しくてゲラゲラ笑いながら、撮影チームもスタッフさんも、みんなで楽しんで作れたんです。そのままの明るい僕らが作品に乗っている。要するに「楽しい夏を過ごせたらいいなあ」というテンションの子たちです(笑)。