全員の思いが込められた「ユビキリ」
──姉妹グループではあるものの、5組はかなりバラバラな個性ですね。グループ間の交流はどれくらいあるんですか?
白雪 ヒロシンが主催するライブに集まってもらったり。
田中 あと、妄愛グラビティとMOBIUSは同じオーディションを経て結成されたグループなので、一緒に定期公演をやるなど、けっこう関わりがありますね。
そらのかなた。 ほかのグループのメンバーとも定期公演で共演することがあります。
まえの 楽屋でお話して仲よくなって、他グループのメンバーと一緒にごはんに行ったりもします。一緒に切磋琢磨できる関係だと思います。
──1月14日発売のHEROINESのコンピレーションアルバム「ユビキリ ~この先も一緒に歩んで行こうね~」にはグループ全員での歌唱曲「ユビキリ」がタイトル曲として収められます。
田中 歌詞の中に「いつかまたここで会おうね」というフレーズがあって。つらいことを乗り越えてお互いに成長し合って、再会を誓うという内容で、聴く人の背中を押すような応援ソングです。ミュージックビデオには各グループのメンバー1人ひとりのメッセージが散りばめられていて、その言葉にもファンの方に向けて応援したり、感謝したりする気持ちが込められています。
彩蓮 暗いとまでは言わないですけど、私たち鵺の曲には前向きなものがあまりないので、これをどう歌おうかなと考えました。
桂花 歌詞も曲調も今まで歌ってきた曲とは全然雰囲気が違って、そんな中でどう表現していけるかが私たちにとってのチャレンジでした。
まえの 「ユビキリ」はHEROINESのどのグループの雰囲気にも当てはまらない曲というか。1人ひとりの歌割りは少ないですが、それぞれの思いが集まり、全員で作り上げた1曲です。MVもどのグループの雰囲気にも寄っていないし、アイドルというより1人の人間としての私たちを表した作品だなと。
美々乃 HEROINESに加入して間もないのに、こうしてコンピレーションアルバムに参加することができてうれしいですね。一気に自分の世界が広がった感覚があります。
そらのかなた。 私たちMOBIUSは普段3人で歌っているので、大人数の声が重なった「ユビキリ」は新鮮でした。MVを初めて観たときはなんだか感動してうるうるしちゃいました。
いくら MVを観ていてみんなかわいいなと思いましたね(笑)。そんな事務所にいれることがうれしいなと改めて感じました。
──HEROINESの中心にいるグループはヒロシンだと思いますが、蒼井さんと白雪さんは「ユビキリ」にどんな印象を持っていますか?
蒼井 「ユビキリ」は共感しやすい曲で、1つひとつの歌詞を自分自身に当てはめられるんです。特に春夏秋冬を表現している部分では、春にデビューして夏に初ワンマンをやって、秋に新メンバーが加入して、冬に全国ツアーをやった1年間のことを思い出します。つらいことも含めて、いろんなことを噛み締められますね。
──ヒロシンはまだデビューから1年経っていませんが、ここまでかなりのスピード感で駆け抜けてきましたよね。
白雪 私たちとしても、正直「なんだこれは」という感じですね(笑)。今年は本当に時間が経つのが早かったです。私はMVの中のメッセージで「アイドルになってよかった」と書いたんですけど、以前はアイドルをやろうとはまったく思っていなくて。もともと「自分なんかがアイドルにはなれない。人に勇気を与えるような存在になれるわけがない」と考えていたので、ここまで来れるとは想像できなかったです。8月にZepp Nambaのステージに立ったときには「私はこんなところに立ってていい人間なのかな」とも思いましたが、ファンの皆さんが支えてくださって大きな会場でライブができているので、これからのことを考えるとワクワクが止まらないですね。「ユビキリ」で歌っているようにファンの方と支え合っていきたいです。
全グループが今よりも大きな会場へ
──アルバムには「ユビキリ」以外に各グループの楽曲が収められています。それぞれ紹介してもらえますか?
蒼井 ヒロシンの「晦冥ワンダラー」は、メンバーみんなの憧れの存在だったLADYBABYの金子理江ちゃんが振りを付けてくれた楽曲です。
白雪 歌詞はリストカットや自殺願望をほのめかすような暗い雰囲気なんですけど、サビでそれをぶっ壊しています。「それでも私たちは生きるんだぞ」って。ライブでは感動して泣いちゃう子もいますし、待望の音源化だと思います。
いくら MOBIUSの「Jumpingジャンぴんぐ!SOIYAソイヤッ!」は、「MOBIUSといったらこの曲!」というようなグループの代表曲です。タイトルを含めてパンチが強くて、一度聴いたら頭から離れない中毒性がある曲だと思います。ライブでも盛り上がれるし、この曲が始まるとお客さんが「やったー!」と喜んでくれます。一番人気の曲と言ってもいいくらいですね。
田中 妄愛グラビティの「Dokkoiロマンティック」はアップテンポな曲で、ライブで絶対に盛り上がるので終盤に歌うことが多いです。振り付けは私が担当したんですけど、みんなで回る振りがあって、お客さんも一緒に回ってくれるんです。みんなで一緒に楽しめる1曲ですね。
麗 歌詞もかわいらしい感じになっているので、そこにも注目してほしいです。
彩蓮 鵺の「明日ありと思う心の仇桜」は私が作詞した曲なんですが、私たちは活動を休止していた時期があって、再始動したときにこの曲を1発目に発表したんです。「明日ありと思う心の仇桜」というタイトルはことわざの1つで、曲の中では「明日があるとは限らないからやりたいことをやろう」という思いが歌われています。
まえの ポンコツコンポの「我ら!ポンコツコンポ!」はデビューライブのときに披露した曲なので思い入れが強いです。歌っていると当時のことを思い出すし、エモくなりますね。エネルギッシュな私たちの個性が伝わるポンコツコンポらしい曲でもあると思います。
美々乃 曲だけ聴くのとライブで観るのではかなり印象が違うと思うので、ぜひ現場に聴きに来てほしいです。
──最後に、HEROINESとしての今後の目標を聞かせてください。
まえの まずはHEROINES全員で「ユビキリ」をライブで歌いたいです。
蒼井 全グループが今よりも大きな会場でライブができるようにがんばっていきたいですね。売れるのは難しいことだと思いますが、そのグループの知名度を示すものとしてわかりやすいのは、やっぱりライブをやった会場の規模だと思うんですよ。ヒロシンは舞浜アンフィシアターでのライブが2月に控えていて、チケットをソールドアウトするのは難しいかもしれないですが、もっともっと上を目指して進んでいきたいと思います。
白雪 チケット買ってない人は買えよ!って記事に書いておいてください(笑)。
2020年1月31日更新