スマートフォン向けゲーム「あんさんぶるスターズ!!」のアイドルたちが登場するバーチャルライブ「あんさんぶるスターズ!! DREAM LIVE -8th Tour "Praesepe #Cancer"-」の3面ライブスクリーン版が、7月10日まで東京・丸の内ピカデリー、大阪・MOVIX八尾、広島・MOVIX広島駅、熊本・熊本ピカデリーの4館で上映中。この「3面ライブスクリーン版」ではどのような鑑賞体験ができるのか、コミックナタリー編集部では実際に丸の内ピカデリーへと赴いた。観て納得、足を運べば“そこがライブ会場”となる3面ライブスクリーン版の体験をレポートしていく。
文 / 熊瀬哲子
「スタライ」の愛称で親しまれている「あんさんぶるスターズ!! DREAM LIVE」は、「あんさんぶるスターズ!!」のアイドルたちがゲームを飛び出し、観客を前にパフォーマンスを披露するバーチャルライブ。2017年に4都市で「あんさんぶるスターズ! DREAM LIVE -1st Tour "Morning Star!"-」が開催されて以来、アイドルたちの個性あふれる歌とダンス、そしてトークを楽しめるライブイベントとして好評を博し、これまで10回にわたり実施されてきた。2026年春には「DREAM LIVE Tour 10th」の開催も決定している。
今回、3面ライブスクリーン版として上映されるのは、2024年4月から5月にかけて開催された「あんさんぶるスターズ!! DREAM LIVE -8th Tour "Praesepe #Cancer"-」のうち、5月25日に千葉・幕張メッセ国際展示場ホール9~11で行われた夜の公演。ライブ本編はもちろん、上映前後のナレーションや幕間のトークも収録されているので、公演当日の熱気をそのまま映画館で体験することができる。
Trickstar
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氷鷹北斗が率いる、正統派アイドルユニット。ファンサービスは明るく距離感が近いグループ。和気藹々とした雰囲気と等身大の体当たり精神で、メディア露出においてはバラエティ番組、インタビュアーや司会、ラジオのパーソナリティやCMのキャンペーンキャラクターなどの仕事が中心的。テーマカラーはオレンジ。
ALKALOID
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天城一彩が率いる、スタプロの新星、エッジの利いた音楽隊ユニット。クールで挑戦的な姿勢を取り、ぶつかっていくアグレッシブなグループ。メディアの露出においてはトーク番組やラジオのゲスト、音楽番組のアシスタントやファッションモデルなど宣伝活動を目的とした仕事が中心的。テーマカラーはターコイズ。
Crazy:B
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天城燐音が率いる、コズプロの新星、エモーショナルなパーティユニット。ファンと一緒に盛り上がるライブ感に特化したグループ。メディアの露出においては、バラエティ番組やトーク番組のゲスト、ラジオのパーソナリティ、CM出演にファッションモデルなど自身を発信する仕事が中心的。テーマカラーはイエロー。
UNDEAD
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朔間零が率いるワイルドユニット。ファンサービスは各々で振る舞う自由な気質ではあるものの、柔軟性が高くメディアの露出ではバラエティ番組の司会や、ラジオのパーソナリティ、CMやファッションモデルなどビジュアルとキャラクターを活かした仕事が中心的。テーマカラーは紫。
Ra*bits
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真白友也が率いる、ファンシーユニット。ファンサービスは明るく朗らかなグループ。経験は浅いもののフレッシュ感を活かしてメディアの露出においては、CMのキャンペーンキャラクターや街頭レポート、子供番組のキャラクターやナレーションなどクリアな印象に繋がる仕事が中心的。テーマカラーは水色。
紅月
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蓮巳敬人が率いる和風ユニット。真面目ながらパフォーマンスの表現に多彩さが見られる。メディアの露出では情報番組のコメンテーターやラジオ番組のパーソナリティ、ドラマや映画など文化的な仕事が中心的。テーマカラーは赤。
Double Face
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三毛縞斑が率いる、ミステリアスなアンダーグラウンドユニット。三毛縞斑はMaMとして、桜河こはくはCrazy:Bの一員として活動していたが、二人組のユニットとしても活動を開始。雑誌のモデルやCM、ドラマや舞台などを中心に活動している。
MaM
上映が開始すると、すぐに“あの日”の会場へ
体験レポートの前に、まずは「3面ライブスクリーンとは何か?」について、簡単に説明しておこう。
「3面ライブスクリーン」は松竹マルチプレックスシアターズが開発した、1面約300インチ強の巨大スクリーンを3面に配置した“次世代型映画上映システム”。正面に加え、左右にスクリーンを配置することで多彩な表現を実現することが可能となり、臨場感たっぷりの映像を楽しめる。現在は東京・丸の内ピカデリー、大阪・MOVIX八尾、広島・MOVIX広島駅、熊本・熊本ピカデリーの4館に導入。今回コミックナタリー編集部では、丸の内ピカデリーでの上映に参加した。
3面ライブスクリーンを初めて体験する筆者は、劇場内に足を踏み入れた際、真っ先に場内に設置された3面のスクリーンに目を奪われた。「このスクリーンでどのような鑑賞体験ができるのだろう……」と少し緊張しながらもそのときを待ち、いざ上映が開始すると、先ほどまでは見慣れた風景だった丸の内ピカデリーの劇場内が、あっという間に、2024年5月25日の“あの日”の幕張メッセ国際展示場へと変わったことに驚く。
実際に筆者は当時の公演には参加していないのだが、3面のスクリーン全面に映し出されたライブ会場内の様子、そして応援グッズを持ったファンの背中を見ていると、自身も会場内の座席の1つに座っている感覚に陥り、心の内側から高揚感が湧いてくる。とにかく、この時点で“私はあの日のライブ会場にいる”という臨場感が全身で味わえるのだ。今回の上映ではUNDEADの零とALKALOIDの藍良による開演前のアナウンスからイベントを楽しむことができるので、観客のそわそわとした空気を感じながら、ライブ本編への期待が増していく。
“音”にこだわるファンにもオススメ
「スタライ」は毎回生バンドによる演奏でライブを楽しめるのも大きなポイントだが、3面ライブスクリーン版では7.1chサラウンドの立体的な音響でこの公演を体験できる。演奏が始まった瞬間、ベースやドラムといったリズム隊の音が心地よく響き、「これから続くライブをこの音響で聴けるんだ……!」という喜びがあふれてくる。「大好きなアイドルたちのライブを、よりいい音響で聴きたい」、そんな“音”にこだわるファンにも、3面ライブスクリーン版での鑑賞を強くオススメしたい。
なお「7th Tour "Allied Worlds"」からおよそ1年半ぶりに開催となった「8th Tour "Praesepe #Cancer"」は、観客による声出しが久しぶりに解禁となった公演でもある。開演早々、胸に抑え込んでいた熱い思いをアイドルたちに届けようとするファン1人ひとりの大きな声援さえも、7.1chサラウンドの立体的な音響で、全身で感じることができるのだ。
Crazy:Bの燐音が「Crazy Roulette」の中で「さあ来いよ」と観客を挑発したり、UNDEADの零と薫が「Resurrection of Soul」のパフォーマンス中にスタンドマイクをクロスさせて歌ったり、こういった場面でファンのひときわ高まる歓声が響き渡るのもライブならではの醍醐味だが、そんな瞬間でさえもとにかく臨場感がすごい。まさに現地にいるような感覚で没入してしまう。
演出効果も圧倒的な迫力
改めて、3面のスクリーンならではの見どころについて感想を述べたい。
正面、そして左右のスクリーンの3面すべてに会場内が映し出される瞬間は、本当に自身がライブ会場にいるかのような感動を味わえる。ステージに設置された装飾やアイドルたちの背後に広がる星のきらめきのような電飾、ライブを支えるバンドメンバーの姿も、この目にしっかりと印象に残る。
またALKALOIDのパフォーマンス中に鋭く光るレーザーの演出、Trickstarのライブを盛り上げる火柱の特殊効果、紅月のステージをさらに熱くするために燃え上がる炎も、まるで目の前で行われているようで迫力満点だ。
そんな迫力に圧倒されながらも、Ra*bitsが笑顔でパフォーマンスをする姿を見ていると「いつもがんばっているRa*bitsのみんなが、こんなに大きな会場で、これほどたくさんの人を笑顔にして、元気を与えている……」と、その多幸感につい涙がこぼれそうになる。それほどまでの臨場感がある鑑賞体験だったということを説明しておきたい。
オリジナル編集の映像でライブを何倍にも楽しめる
そして3面ライブスクリーン版では、ここでしか見ることのできない、オリジナルの編集による映像も見どころ。前述したように、3面全体に会場が一望できる映像が投影された際の没入感は抜群だ。
また、3面の各スクリーンに異なる映像が映し出されることで、このライブを何倍にも楽しむことができる。ある1面では歌唱中のアイドルをクローズアップし、さらにもう1面では全体のフォーメーション、残りの1面では会場を俯瞰で映し出すという、目がいくらあっても足りない場面が繰り返し訪れる。
ファンを愛で包み込んだMaM、登場から独自の世界観に惹き込んだDouble Faceはもちろん、どのユニットも、少人数もしくは1人のパフォーマンスにフォーカスしたカットがスクリーンに大きく映し出される瞬間が多々あるので、アイドルの視線やダンス中のちょっとした仕草など、ライブ当日には気づけなかった場面で新たな発見があるかもしれない。正直なところ、一度観ただけではこの3面ライブスクリーン版のすべてを楽しみ尽くしたと言い切れないほど、見どころがありすぎる……! 何回観ても楽しいやつじゃん……! 惜しみなくさまざまな映像を届けようと編集してくれたスタッフの皆さん、ありがとうございます。
なお3面ライブスクリーン版の鑑賞料金は、通常の映画よりも少しお高めに設定されてある。しかし観れば納得! そして大満足で劇場を後にできることは間違いないだろう。8ユニットのライブを大迫力で楽しめる3面ライブスクリーン版での上映。率直な総評としては「3面の上映ってこんなに楽しいの……?」という言葉が出てくる。今回が「あんさんぶるスターズ!! DREAM LIVE」にとって初の3面ライブスクリーン版の上映となるが、ライブ当日以外にもこんなに楽しめる日が来るだなんて、「スタライの可能性、広がったな……!」と言わざるを得ない。
あの日ライブに参加した人もそうでない人も、ファンはペンライトなどの応援グッズを手に、そしてアイドルへの愛を胸に、“挑戦は止まらない”彼らのことを目に焼き付けに、ぜひとも足を運んでみてほしい。
そのほか本編の上映終了後には、スクリーンに投影される静止画を写真に収めることができる「撮影タイム」も実施。撮影した写真はSNSへ投稿することも可能だ。“ライブ”に参加した記念に、思い出の写真を手元に残してみては。
「あんさんぶるスターズ!! DREAM LIVE -8th Tour "Praesepe #Cancer"-」セットリスト
- VERMILION / ALKALOID
- Black Out See Saw / ALKALOID
- Daydream×Reality / Trickstar
- BIGBANG REFLECTION!! / Trickstar
- ネビュラ / Double Face
- =EYE= / Double Face
- Love it Love it / Ra*bits
- ハレノヒSugar Wave / Ra*bits
- 金色千夜夢舞台 / 紅月
- 想ひ出綴り / 紅月
- NA NA NA SUMMER NIGHT BeeAT / Crazy:B
- Crazy Anthem / Crazy:B
- 罪の底 / UNDEAD
- Gate of the Abyss / UNDEAD
- 君印 Be Ambitious!! / MaM
- HELLO, NEW YEAR! / MaM
- Distorted Heart / ALKALOID
- 翼モラトリアム / ALKALOID
- 斬 ―決意ノ刃― / 紅月
- 絲 / 紅月
- メルティ♡キッチン / Ra*bits
- ヒカリスペクトル / Ra*bits
- PARANOIA STREET / Crazy:B
- Crazy Roulette / Crazy:B
- Nightless World / UNDEAD
- Resurrection of Soul / UNDEAD
- 1st SING-ALONG☆ / Trickstar
- 幸せの歌 / Trickstar
<アンコール>
- BRAND NEW STARS!!
劇場入場者には、週替りで各ユニットのライブシーンを切り取った「ライブフォトポストカード」を2枚1セットでプレゼント。週ごとに配布するポストカードの絵柄が異なり、それぞれ2ユニットを1セットにして数量限定で進呈される。
入場者プレゼント配布スケジュール
- 1週目:2025年6月13日(金)~
Trickstar、ALKALOID - 2週目:2025年6月20日(金)~
Ra*bits、紅月 - 3週目:2025年6月27日(金)~
Crazy:B、MaM - 4週目:2025年7月4日(金)~
UNDEAD、Double Face
※数に限りがあるため、なくなり次第配布終了となる。
※ポストカードは週ごとに2枚1セットを配布。
※1人1回の鑑賞につき、入場者プレゼント1点を進呈。
※特典は非売品。転売、内容の複写・複製等の行為は一切禁止となる。