お笑いナタリー Power Push - 「ずっと引っかかってました。~ヒロミ&ジュニア 心のとげぬき屋~」
ヒロミ&千原ジュニア バラエティ特番で強力タッグ
都内のスタジオで行われた番組収録後、ヒロミと千原ジュニアがインタビュー取材に応じた。2人の若手時代には、やんちゃなヒロミと“ジャックナイフ”のジュニアといった共通点を見出すことができ、収録中もその点について言及されている。2人が揃ったこの機会に、若手時代のエピソードやお互いの印象などを語ってもらった。共鳴するヒロミとジュニアの掛け合いを楽しんでほしい。
わざとイメージにハンデを付けていた
──お2人はそれぞれ、どのような思いで若手時代を過ごしていたのでしょうか?
ヒロミ いろんなタイプがいると思うんですよ。テレビに出て、番組でネタをやって、というタイプとか。僕は若いうちから「最終的に司会をやりたいなあ」と思ってやっていました。
──司会というポジションを目指す上で、やんちゃなイメージはプラスになりましたか?
ヒロミ 当時はそれでなんとなく仕事もありましたし、うまいこといったな、とは思います。
──ジュニアさんのいわゆる“ジャックナイフ”と呼ばれる時代も、トガッたイメージでした。
千原ジュニア 東京と大阪の違いもあると思うんですけど、僕らの頃は、とりあえずネタしかなかったんです。ネタを作って、今でいう「M-1グランプリ」や「キングオブコント」のちっちゃい感じのことを毎週劇場でやっていました。「誰が一番オモロいんか決めようや!」みたいな。そんなときの根拠なき自信が、そういうイメージとして現われたんでしょうね。
──若い頃に身にまとっていたイメージが原因で、何か困ったことはありましたか?
ヒロミ 僕はありますよ。若い頃は怖いと思われがちでした。「うるせーヤツだな」とか「扱いづれーな」とか。ただ、自分でもわざと扱いづらくしていた、みたいなところもありました。
──それはなぜでしょうか?
ヒロミ 芸人さんには、ちょっとある技なんですよ。「わざと自分からハンデを付ける」というか。マイナスから入って、どうにかプラスに持っていく。今の子たちにはないと思うんですけど、このへんの世代までは、みんなあるんですよ。
ジュニア なんかこう、「鉄下駄を履いて普通に生活する」みたいな。
──なるほど(笑)。
ヒロミ 自分に“かせ”を与えているんですよ。ハンデを背負っても、仕事が終わったときに「面白かった! ありがとうございます!」って言われればいい。「嫌い」から「好き」になると、振り幅がデカいじゃん?
──たしかにそうですね。
ヒロミ ただ、こういうのって失敗すると大変なことになるけど(笑)。
──ジュニアさんも同じような思いでしたか?
ジュニア 僕なんか特にそうでしたけど、当時はそういう空気だったんじゃないですか? 懐かしのVTRを今になって観たら、こぞって全員目つきが悪い(笑)。
千原兄弟を寄せつけなかったヒロミ
──ヒロミさんとジュニアさんは、互いのことを芸人としてどのようにご覧になっていましたか?
ヒロミ 僕は「大阪に、若いので千原兄弟なんてのがいるんだぞ」って言われたけど、東京だと見ることがなかった。千原兄弟が東京に出てくるときは、バラエティ班の中では、みんな話していましたよ。大阪から東京に出てくるって、たいていそれなりのヤツらだから。
──評判でしたか?
ヒロミ そう、評判で。でも、その当時は余裕を持って「千原兄弟って面白いんだな」っていう見方をしていたわけじゃなくて、「お前ら、こっちには来させないよ」くらいだから(笑)。
ジュニア そうですよね。
ヒロミ まだ30代のバリバリのときで、「ハイハイ、ご苦労さん」とか、そんなレベルですよ。イヤな感じだったと思うよ(笑)。
──逆にジュニアさんはヒロミさんのことを、どのようにご覧になっていましたか?
ジュニア 僕らはテレビで出てきはったのを観て、大阪の先輩とはまったく違っていたので「シャレてはるなー。都会的やなー」っていう感じでした。
──どのあたりを見て、そう感じられたんでしょうか?
ジュニア 空気感が一番デカいですかね。ファッションもそうやし。
──共演する機会は若手の頃から多かったのでしょうか?
ヒロミ 若いときも会っていると思いますけど、特にここ何年、ジュニアとの共演はすごく多いですよ。僕が(芸能活動に)戻ってきたときにジュニアたちが全盛でやっていたから、そこに入れてもらった感じです。その前は会ったとしても、お互いにがんばっちゃってるときだったね。
──30代のバリバリの頃のような気持ちは、今でもありますか?
ヒロミ 昔のような変な気持ちは、いい意味で全然ないです。歳もあるとは思いますけど。だからすごく楽ですよ。
──ジュニアさんが、ヒロミさんにライバル心を抱くことは?
ジュニア まったくないです(笑)。
──では最後に、ここまで「自分からイメージにハンデを付けていた」とお伺いしてきましたが、同じことを現在の若手にもオススメしますか?
ヒロミ 今は難しい時代だから、トガッちゃってると出てこられないパターンがありますよね。でも、ところどころで「もうちょっとトガッてもいいのになー」と思ったりもします。
ジュニア 僕も、時代が違うのでオススメはしないです。今は“クリーミー”が一番じゃないですか?(笑) まろやかなのがいいと思います。
- Contents
- ゲストの「心のとげ」を紹介
- ヒロミと千原ジュニアのインタビュー
- 「ずっと引っかかってました。~ヒロミ&ジュニア 心のとげぬき屋~」中京テレビ・日本テレビ系 / 2016年4月12日(火)24:29~25:24
- ずっと引っかかってました。~ヒロミ&ジュニア 心のとげぬき屋~:中京テレビ
右 / ヒロミ
1965年2月13日生まれ。東京都出身。1986年にミスターちん、デビット伊東らとB21スペシャルを結成。
左 / 千原ジュニア(チハラジュニア)
1974年3月30日生まれ。京都府出身。1989年に実兄・せいじと千原兄弟を結成。
2016年4月7日更新