松本ハウスとは違うところを見せていかないと

──この10年間のお笑い界は、新しい芸人さんが次々に出てきてバラエティ番組も幅が広がりましたね。

シンカ　そうですよ、今本当に多いですもんね、芸人さん。最近知ったんですけど、「ボキャブラ世代」っていうのがあって、「オンバト世代」っていうのがあって、「エンタ世代」っていうのがあって、「レッドカーペット世代」っていうのがあるらしいんですよ。

加賀谷くん　あっ、そんなのあるんですか！ それは知らなかったですね。

シンカ　ちなみに君は何世代に入るんだろう？

加賀谷くん　団塊の世代ジュニアですよ。

シンカ　あはははは（笑）。もういろんなタイプの芸人さんがいますよね。そういう人と絡んではみたいです。どういう化学反応を起こすのかとか。最近、特にピンでやってる人なんてキャラクターものが多いじゃないですか。その人たちは何かのあるキャラクターを演じてるわけだけど、こいつの場合、本人そのものがキャラクターなんで。

加賀谷くん　まぁよくある、隣のお兄さん的感覚な芸人なんですけどね。

シンカ　隣にいたら困りますよね。でもよくよく考えると、誰かの隣には住んでますから。みなさん気を付けてください。

加賀谷くん　いやいや気を付ける必要はないよ！ 大丈夫です。

──今回DVDになった復活第1弾の単独ライブで、特にこだわったところはどこですか？「せっかくやるからにはこういうことをやりたい」っていう。

シンカ　さっきもちょっと触れたんですけど、“幅”ですね。10年経っていて、松本ハウスからJINRUIっていう新しい名前に変わっていますし、やっぱり違うところを見せていかないと、っていう。これからどういう笑いを作っていけるのかという幅をみんなに提示してみたかったですね。

加賀谷くん　ナタリーさん、これ贅沢なことなんですよ。極端な言い方しちゃえばですよ、芸人さんをやり始めて、誤解を招くことを承知で言えば、売れるまでの期間ってものすごい面白いんですよ。僕は1からのつもりでもう1回やってるんで、それをまた経験できるっていうのはすごい幸せ者だなと思います。

シンカ　ってことは、松本ハウスが売れるまでっていうか仕事いっぱいするようになるまで5年ぐらいかかったから、今からまた5年かかるってこと？（笑） それ勘弁してほしいんだけど。

加賀谷くん　いやいや、それはもうキュッといくようにしますから。実弾用意してきますから。

シンカ　実弾って（笑）。

目の前の自分らの課題をどんどんクリアしていきたい

──DVDにも入っていますが、結構セリフの長いコントがありますよね。稽古も大変なのでは？

シンカ　今回（DVD発売元の）ポニーキャニオンの人にも現場で通し稽古を見てもらったんですけど、相当不安になったと思いますね。かなり顔面ひきつってましたから。「ちびまる子ちゃん」で言ったらおでこに斜線が入ってる状態（笑）。斜線めっちゃくちゃ見えましたもん！

加賀谷くん　つぶやいてましたもん、「まる子よ……」。

シンカ　おじいちゃんじゃねーか（笑）。まぁなんとかなったんですけど。

──実際、お客さんの手応えはいかがでしたか？

シンカ　いや、温かいお客さんで、終わったあともいっぱい拍手をいただいて。笑うツボを心得てる人が多かったですね。

加賀谷くん　全国の親戚ですからね。……ウソです、これはウソです！ いやでも温かかったですね。

──復活からの1年間を振り返ってみて、率直な感想はいかがですか？

シンカ　早いですねぇ～。

加賀谷くん　うん。

シンカ　とにかく目の前の自分らの課題をどんどんクリアしていこうっていうところで、やっぱりアクセルは踏んでいかないとって思うんですけど。

加賀谷くん　バーン!! って行かないといけないですからね。そこでキュッといけばいいんですけど。

シンカ　バーン!! って行って、また10年休むらしいんで。

加賀谷くん　それはもう大丈夫です！ 心配する人がいるかもしんないんで。

──現在お2人が一番力を入れている課題は？

シンカ　やっぱりそれはいろんな人に知ってもらうことですよね。

加賀谷くん　はい。まだ復活したことをご存じない方もいると思うんで。

シンカ　いまだに「えっ、復活してたんだ」って言われるんで、活動してることをもっともっと知ってもらいたいです。そこはやっぱりフリーでやってて、一番手こずってるところでもありますね。