鳥が好きだからです！

──そして最も基本的な質問なんですけど、なぜ各曲に“テーマバード”を設定しようと？

鳥が好きだからです！

──なるほど（笑）。確かにデビューの報告も愛鳥きなこちゃんの口を借りてやってましたもんね（参照：米澤円、“代理鳥”きなこちゃん通じてメジャーデビュー発表）。ではなぜ鳥好きに？

実家のマンションは基本的にペットNGなんですけど、鳥はOKだったので、小学生くらいの頃に飼わせてもらったんです。

──最初は“鳥を”飼いたいというよりも“ペットを”飼いたい。で、ウチで飼える動物は何かしら？ 鳥、って感じだった？

最初はそんな感じでした。でもそうしたらもう、これがすっっっごくかわいくて！ それからずっと鳥を飼い続けまして、今も実家にもセキセイインコがいますし……。

──米澤さんのお部屋にも、きなこちゃんがいる、と。

上京してからは「1人暮らしだし、ちゃんと飼えるかな？」っていうことでずっと飼うのをガマンしてたんですけど、古くからの友達で “鳥声優”仲間でもある伊東久美子に「私も飼ってるから飼ってみなよ」って勧められまして。それでオキナインコのきなこを飼うことにしたんです。実家ではセキセイインコを飼ってたんですけど、セキセイインコってちょっと小さいんですよ。だからもうちょっと重量感のある鳥、それもしゃべる鳥がいいなっていうことで。

──鳥を飼うのに重量感って大事なんですか？

肩に乗ってきたときのずっしり感がほしかったんですよね（笑）。「あっ、今肩に乗ってるよ」って思える感じが。セキセイインコって小さいから肩に乗られてもほとんど重みを感じないんですよ。なので、セキセイインコより大型のオキナインコを飼いだしたんですけど、きなこに限らず鳥って見た目が素晴らしいんですよ。毛並みが整っていて頭とかがタコみたいにツルっとしていて、それがホンットにかわいい！

ぜひインコのニオイを嗅いでみてください

──なら飼うのはタコでもいい気がしますけど……。

鳥の素晴らしいところはそれだけじゃないですからっ！ 例えば鳥って目が横に付いているから正面から顔を見たときに目が飛び出したように見えて、それもちょっとマヌケでかわいいですし、だから上や下を見るとき首をかしげるんですけど……。

──あっ、そうか。両目が真横に付いてるから単純に真上や真下を向いても目線は横のまんまなんだ。

そうですそうです。その視線に合わせて首ごと動かす仕草もかわいいですし、あといいニオイがしますし。

──へっ!? ペットショップで一番強烈なニオイを放ってるのって鳥かごだったりしません？

ちゃんとカゴをお手入れすれば匂わないですよ（笑）。ネットに「インコ臭」ってコミュニティがあるくらい、鳥好きのあいだではインコがいいニオイがすることは常識なので。特に背中のうしろのあたりがすごくいいニオイがするんですよ。

──ダチョウみたいにデカい鳥なら部位ごとにニオイが違うのもわかる気がするんですけど、きなこちゃんって……。

130グラムくらいです。でも場所によって全然ニオイが違いますね。鳥って水に濡れたら飛べなくなっちゃうから油を全身に塗るんですけど、その油が背中から出るんですよ。それがホントにいいニオイで。私も買ったのですがインコのニオイのする「魅惑の背中」っていう香水があるくらいですから。いいニオイなので今度ぜひ嗅いでみてください！

──了解しました（笑）。

今は静かに燃えている感じ

──さてその大好きな鳥とともに過去と今を総括するアルバムが完成しました。そのアルバムの中で見つけた希望の“あした”は何をしましょう？

何をしましょう？（笑） まずはアルバムをより多くの人に聴いてもらうことかなあ。

──より多くの人に聴いてもらうには何をすればいいんでしょう？

念じること？ 「売れろー！」って（笑）。

──それで売れるなら、今頃、全世界のミュージシャンはみんな何かを念じてると思います（笑）。

じゃあライブで（笑）。

──「じゃあ」って（笑）。

でもそれは冗談ではなく、せっかくいいアルバムができあがったので、その曲を皆さんに生で届けたいなとは思ってます。

──こういうライブをやってみたい、っていう構想はあります？

ライブハウス中に鳥さんを放し飼いにしたいです！

──フン害が大変なことになる気が……。

ウンが付いたよー！ ラッキーだよー！ってことで、みんな鳥好きになってくれないですかね？

──残念ながら（笑）。

やっぱりかあ（笑）。でも、これまで「WHITE ALBUM2」の関連イベントで東京国際フォーラムホールCのステージや、「けいおん！」のライブではさいたまスーパーアリーナや横浜アリーナで歌わせてもらったんですけど、それはやっぱりアニメ作品の力があってのことなので。だから自分自身の力でどれだけのライブができるのか、そういう挑戦をしてみたいとは思っています。さっきの「わーいっ！ デビューだ！」ってならなかった話と一緒で、今はこれからどういうアーティストになろうって考えている段階。静かに燃えている感じなんですよね。