ナタリー PowerPush - 舞花
10代のひりひりした感情を赤裸々に歌う2ndシングル&1stアルバム完成
まずは本音から生まれる愛や夢を教えてよ
──「教えてよ ~miseducation~」は、舞花さんの学生時代の実体験を元にしたナンバー。歌詞では学校教育や教師へ向けた素直な感情が表現されていますよね。
これは高校2年生のときに作った曲で。歌詞のテーマになっているのは“学校”なんですが、学校って毎日通うところだし、楽しくないと充実してるとは言えないですよね? 私には当時、先生たちが、本音より建前を大事にしてるように見えてたんです。勉強ももちろん大事だけど、目標とか夢もないままガムシャラにがんばるのはやっぱり難しい。なので、建前じゃなく、「まずは本音から生まれる愛や夢っていうのを教えてよ!」という思いで歌詞を書いたんです。
──それは、授業中に?
断片的には、授業中に書いた部分もありますね。まぁ、別にこれを書いたからといって先生たちの方針が変わるわけじゃないんだけど、私の中では形にすることですごくスッキリした。吐き出せた、っていう感じが大事だったんですよね。
生まれたときからイライラしてたかも
──歌詞はすごく挑発的だったり、強い響きを持った言葉がたくさん詰まっていて。全体的にむき出し感のある表現にドキッとさせられました。
あぁ、確かに挑発的ではありますよね(笑)。個人的には、歌詞は心に引っかからないと嫌なんです。例えば、歌詞を読んだり聞いたりして相手がイラッとしたら、それは思いが届いてる証拠であって、引っかかってるということ。全く引っかからないのが一番悲しいなって思うんですよ。
──では、そんな歌詞を書くときの原動力となるのは?
なんでしょう、怒りやもんもんとした気持ち……ですかね。特に学生時代なんかは、いろんなことに感情的になって振り回されて。常にイライラして何かに不満を持っている感じだったと思います。というか、生まれたときから私、イライラしてる気がする。
──えぇっ!?(笑)
ちっちゃいときから不満を感じやすいタイプで(笑)。時と場合にもよるんですけど、多分、あふれんばかりのエネルギーが先走っていたんでしょうね。気持ちがうまく表現できなくて、もどかしかったっていう感じが近いかな。でも今はこうして、歌や音楽で思いを表現したり形にしたりできる。昔は表現の仕方や矛先がわからなくて、生きるのがヘタクソな人間だったんですよ。
──そういう意味では、今の舞花さんにとって音楽は、思いを吐き出せる、なくてはならない存在ですか?
改めて考えると、本当にそうだと思います。音楽のおかげで、昔よりはだいぶ気持ちのバランスが取れるようになってきましたね。
私なんかでもデビューできたんだから、絶対みんなもできるよ
──そして、6月30日には早くも1stアルバム「Possible」が発売になります。全7曲入りの作品ですが、こちらはほぼ高校時代に作られた曲なんですよね?
はい。私の中では、今までに書いてきたものを一旦出さないと次にいけないっていう気持ちがあって。10代のうちに、それまでの集大成的なアルバムを出しておきたかったんです。デビュー曲の「never cry」を始め、私を知ってもらいやすい曲ばかりが詰まった1枚になってると思いますね。
──タイトルの「Possible」にはどんな思いを込めました?
実はタイトルを、「Positive」にしようかと迷ってたんです。でも、アルバムを聴いてくれた人が自分の持っている可能性を引き出せたり、「できる!」って気持ちを奮い起こしたりしてくれたらいいなって思って「Possible」にしました。収録曲の大部分は、リスナーの皆さんに対しての「できるよ!」っていうメッセージなんです。
──やはり、ポジティブな思いが軸なんですね。
私なんかでも歌でデビューできたんだから、絶対みんなもできるよ、ってそうはっきり言いたかった。そんなふうに言えるぐらい、私、昔は本当におとなしくて、音楽なんてやるようなタイプじゃなかったんですよ(笑)。
──今こんな堂々とお話してる舞花さんに言われると、なぜかすごく説得力を感じますね(笑)。
あはははは。
──8月には20歳の誕生日を迎えますが、どんな20代を過ごしていきたいですか?
うーん、実はラストティーンの今がちょっと中途半端な感じなんですよね。どっちつかずだし、早く20歳になりたいかもしれないです。で、20代になったら、楽曲のサウンド面にもっと広がりを出していきたい。このアルバムはバンドサウンドが多いんですけど、HIP HOPやR&B、エレクトロやオルタナティブも私は大好きなので、今後の作品には新しいジャンルをどんどん取り入れて、いろんな表現をしていけたらなって思ってます。
舞花(まいか)
1990年生まれのシンガーソングライター。中学1年生の誕生日にプレゼントされたギターを武器に、高校1年生の頃から地元・熊本のアーケード街で路上ライブを始める。2007年、ヤマハ主催の音楽コンテスト「The 1st Music Revolution」に参加。九州エリアファイナルでグランプリを受賞し、続けて九州代表としてジャパンファイナルに出場した経験を持つ。
2009年3月、インディーズシングルとして「never cry」を九州地区限定で発売し、完売させる。その後2010年1月に「Never Never Never give up」をタワーレコード限定発売。4月に1stシングル「never cry」でメジャーデビューを果たした。