ナタリー PowerPush - 黒猫チェルシー

大爆発へのカウントダウン 初シングル「アナグラ」

黒猫チェルシーが11月2日にリリースするシングル「アナグラ」が、アニメ「銀魂」のエンディングテーマに起用されて話題を呼んでいる。人気アニメとのタイアップということで、キャッチーな楽曲になるかと思いきや、蓋を開けてみればこの曲は売れ筋路線からは程遠いゴリゴリのロックチューン。「どうしようもねえよ この世は アナグラさ」と吼えるこの激しいナンバーがお茶の間で流れているのだ。

なぜバンドはこの楽曲をシングルとして発表するに至ったのか。そして、この問題作を経てバンドは今どこへ向かおうとしているのか。ナタリーではメンバー4人にインタビューを行い、その心境を聞いた。

取材・文 / 大山卓也

 
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シンプルで新しい曲が作りたかった

──「アナグラ」はアニメ「銀魂」のエンディングテーマとしてオンエア中ですが、この曲はアニメのために書き下ろしたんですか?

渡辺大知(Vo) いやいや、違います。今は次のアルバム作ってて、その中でいち早くできた2曲をシングルで出したっていう。

──なるほど。今回はアニメのタイアップということで、キャッチーな売れ線の曲が来るのかと思ってたんですが、よりオールドスタイルなロックンロール路線に行ったので驚きました。前作「NUDE+」までの流れとはちょっと別のところにある曲ですよね。

澤竜次(G) 「NUDE+」を出してその次に何をやるかって考えたときに、すごくシンプルなもんをやりたくなったんですね。

──それはどうして?

 シングルだし、あえて「NUDE+」と逆のことをしてみようかって。

ライブ写真

渡辺 インディーズの頃みたいなシンプルな曲でも、今やったらもっと違う、自分たちらしいものになるんじゃないかって思ったんです。俺はこのシングルで「黒猫チェルシーのテーマ」って言えるような曲を作りたかったから。

──初期の黒猫チェルシーは、作品ごとにガレージロックとかパンクといったシンプルなテーマを決めて作っていましたけど、「NUDE+」でそのやり方をやめて、楽曲の幅が一気に広がったわけですよね。今回のシングルはその方向性を否定することになりませんか?

 いや、そういうわけではないですね。「NUDE+」は自分らも今聴いてもホンマにいいなって思えるし、あのアルバムが作れたのはすごいデカかった。でもインディーズの頃みたいなやり方で、もっとなんかできたんちゃうか、もっと突き詰められたんちゃうかっていう気持ちもあるんです。だから今の自分らが、こういうシンプルなリフとシンプルな構成の曲をやったらどうなるんやろう、って。

──原点回帰というわけではなく?

岡本啓佑(Dr) 原点回帰じゃないです。そういうモードではやらないっていうのは決めてたから。

渡辺 うん、完全に前に進むつもりでやりました。「NUDE+」を作った時点でもうなんでもやれる気がしてて、すごいシンプルな曲をやったとしてもそれが新しいものになるんじゃないかって。

岡本 だから次に進むための土台っていうか。

渡辺 このシングルで4人の意志の方向が確認できたっていうのは感じてます。

聴いてる人のトラウマになりたい

──「NUDE+」は傑作として高い評価を得ましたが、その反動でシンプルな方向に進むというのは面白いですね。

ライブ写真

宮田岳(B) 「NUDE+」がなんで強かったかっていうと、聴いてる人と作ってる俺らの間に、直に伝わる何かがあったからだと思うんですよね。

──確かに「NUDE+」は聴き手を意識して、ちゃんと伝えようという気持ちが強いアルバムでしたよね。でも今回の「アナグラ」と「マタタビ」は、ちょっと聴き手を突き放すところのある楽曲だと思うんですが。

渡辺 そうですね。今回4人で決めたテーマとして、日本の初期パンクが持ってる危うさや怪しさ、そういうものを目指したところはあって。僕の歌詞で言えば、完全にわかりやすいものじゃなくていいと思ってました。

──でも初のシングルですし、わかりやすくて共感を呼ぶようなもののほうが受け入れられやすいのでは?

渡辺 でも自分たちにしかできないことをやっぱりやりたいし、常識をどうにか覆したい。そういう気持ちのほうが大きかったですね。せっかく初めて作るシングルだからシングルっぽくないものを作りたいっていう……。

──天の邪鬼ですね(笑)。

渡辺 「マタタビ」の歌詞は特にそこを意識しました。僕は想像力をできる限り大事にしたくて。聴いた人が自分で勝手にどんどん膨らませていってほしいし、完結している歌詞にはあんまり僕はグッと来ない。パッと聴いて何のことを歌ってるかわからなくても、毎回適当に書いてるわけじゃなくて、一生懸命書いてるから、「この歌はどういうことなんやろう?」って考えてほしいっていうか。ライブで聴いて感じてもらうのがいいと思うんですけどね。

──確かにライブで盛り上がりそうな曲ですよね。

渡辺 実際この前ライブでやって、イメージどおりだったんですよ。お客さんも初めて聴いたんだけどなんかノッちゃうみたいな。その場にいるお客さんに対して直接のメッセージがある曲ではないけど、その歌に込めた僕の思いっていうのは音楽として感じてもらえると思うんです。

──自信はある、と。

渡辺 気持ちとしては「これだったらわかってもらえるかな……」とかじゃなくて、「わからせたる!」って頭ごとつかんでいく感じ。それで聴いてる人のトラウマになりたい。自分もそうやって音楽を聴いてきたし、「こんなんあっていいんか!」みたいな衝撃を感じてほしいんですよ。

1stシングル「アナグラ」 / 2011年11月2日発売 / Sony Music Associated Records

  • 初回限定盤[CD+DVD] 1800円(税込) / AICL-2316~7 / Amazon.co.jp
  • 通常盤[CD] / 1200円(税込) / AICL-2318 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. アナグラ
  2. マタタビ
  3. NUDE+TOUR 赤坂BLITZ ツアーファイナル LIVE 2011.07.09
初回限定盤DVD収録内容
  • ダイナマイトを握っているんだ (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • ショートパンツ (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • オーガニック大陸 (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • ベリーゲリーギャング (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • オンボロな紙のはさみ (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • Hey ライダー (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
  • 北京ベイベー (LIVE ver.) 赤坂Blitz 2011.07.09
黒猫チェルシー“アナグラ”全国リリースツアー「アナとマタTOUR」
  • 2011年11月12日(土)大阪府 心斎橋JANUS
    OPEN 17:30 / START 18:00
    Pコード 146-545 / Lコード 51444
  • 2011年11月19日(土)福岡県 福岡DRUM SON
    OPEN 17:30 / START 18:00
    Pコード 147-716 / Lコード 81826
  • 2011年11月27日(日)北海道 札幌ベッシーホール
    OPEN 17:15 / START 18:00
    Pコード 146-930 / Lコード 17096
  • 2011年12月4日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
    OPEN 17:30 / START 18:00
    Pコード 148-192 / Lコード 45148
  • 2011年12月9日(金)東京都 LIQUIDROOM ebisu
    OPEN 18:15 / START 19:00
    Pコード 147-461 / Lコード78456
  • 2011年12月17日(土)宮城県 仙台PARK SQUARE
    OPEN 17:30 / START 18:00
    Pコード 148-529 / Lコード 23260
    ゲスト:OKAMOTO'S
  • 2011年12月18日(日)長野県 長野CLUB JUNK BOX
    OPEN 17:30 / START 18:00
    Pコード 147-461 / Lコード 78456
    ゲスト:OKAMOTO'S
黒猫チェルシー(くろねこちぇるしー)

神戸出身のロックンロールバンド。渡辺大知(Vo)、澤竜次(G)、宮田岳(B)、岡本啓佑(Dr)の4名により、高校在学中の2007年3月に結成。2009年にインディーズより2枚のミニアルバムをリリースし、2010年5月に「猫Pack」でメジャーデビュー。多くの夏フェス出演や海外でのライブを経て、2011年5月に初のフルアルバム「NUDE+」を発表し、11月2日に自身初のシングル「アナグラ」をリリース。11月12日大阪心斎橋JANUSを皮切りに全国7都市リリースツアー「アナとマタTOUR」を行う。なお、ボーカル渡辺大知は2009年夏公開の映画「色即ぜねれいしょん」に主演するなど、俳優としても活躍中。