音楽ナタリー Power Push - 「ちゃんげろソニック2017」

Gero×天月-あまつき-×きただにひろし

アニソン! ゲーム実況! うどん! 異種格闘技的イベントの楽しみ方

いい音楽っていうのはプロもアマチュアも関係ない

──Geroさんや天月-あまつき-さんは、ニコニコ動画のような動画投稿サイトでの活動がアーティスト活動の発端になっているんですが、きただにさんはそういう文化についてどう思っているんですか?

きただに 最初は「こんな世界があるのか!?」って驚きましたね。アマチュアの人たちなんだけど、メチャクチャ歌がうまい人、演奏が上手な人が自分の動画をアップしてるわけですから。それと僕の歌った曲に違う映像を付けた動画、MAD動画とかのクオリティが高くて。プロでもすぐ即戦力になるようなクリエイターがゴロゴロいるなっていう印象でした。

天月-あまつき-

天月-あまつき- ボカロの曲とかも聴くんですか?

きただに 僕「クレヨン」って曲が好きなんですよ。

天月-あまつき- bibukoさんの曲ですよね。すごくカッコいい曲。

きただに ちょっと怖い歌詞なんだけど、曲調がヘヴィメタルでメチャクチャいいんですよ。クリエイターもボーカリストも、みんなちゃんと自分をアピールできてて、しかもそれがきっかけでプロになってる人がいる。僕らがデモテープ配ってたのとは時代が変わったなあと思いましたね。

──実際にニコニコ動画で活動しているGeroさんや天月-あまつき-さんはどういう実感なんですか?

Gero 僕はニコニコ動画の“第1世代”と呼ばれる次期に活動してたので、マイクや配線の機材を1つひとつ調べていってようやく形にしていった、みたいな感覚がありますね。SNS時代でもありましたから、みんなで機材の情報やノウハウを共有して、どんどん効率がよくなっていって、ニコニコ動画の規模がどんどん大きくなる。その過程を経験できたのは面白かったです。天月-あまつき-くんは世代的にちょっとあとになるけど、どうだった?

天月-あまつき- 僕はネットが流行し始めた頃に動画を投稿するようになったんですけど、どんどん視聴者数や動画の数が増えていく時期だったのでいろんな可能性が広がってる感じがして面白かったです。ただどんどん規模が大きくなると、歌うだけじゃすぐ埋もれてしまうので、プロモーションというか、どうやったらみんなに観てもらえるか、何をしたら新鮮か、どうすれば面白くなるかってことをすごく考えるようにしていました。でもいい音楽っていうのはプロもアマチュアも関係ないんだってことを、僕はニコニコ動画に教えてもらったし、自分で歌うようになってもっと音楽が好きになった。たから今でもニコニコ動画のような場所は大切にしなきゃなって思うんです。

「うどん」を聴きながらうどんを

天月-あまつき- (会場のマップを見ながら)フードコートもあるんですね!

Gero そうそう! 車を何台も呼んでコラボフードとかを出そうと思ってます。それとやっぱりGeroと言えば「うどん」なんで。

天月-あまつき- 「うどん」を聴きながらうどんが食べれたらぜいたくですね(笑)。

Gero

Gero もうね。どういうお店を呼ぶか決めるのがメチャクチャ楽しかったです。それこそ10種類以上のメニューを並べてもらって「どれがいいですか? なんでも呼べますよ」みたいな。

きただに いいねえ。

Gero ただ僕が好きなお店ばっかり呼んでも仕方がないから、女性のお客さんにも食べやすいものとかも用意しています。イベントなので片手で食べられるようなもの、汚れないようなものを選んだりもしてるので、しっかり会場で食も楽しんでほしいですね。あとは出演者のCDとか物販ももちろん置くので、気になるアーティストが見つかったらすぐ手に取っていただければ。「『ちゃんげろソニック』で○○さんのライブを観てファンになりました」っていうのがあったら僕はすごくうれしいです。

きただに ファン取られちゃうんじゃないの?

Gero いやあ、自分に自信はあるので(笑)。

天月-あまつき- さすがですね。

Gero よくイベントってファンの「取り合いだ」って話があるじゃないですか。本当にそうだなと思いつつ、絶対各々のアーティストが「俺は負けねえ」って思ってる。その空気感もいいかなって。

皆さんの一生の思い出にしたい

──イベントに向けて皆さんの意気込みを聞かせていただければと思います。

きただにひろし

きただに 今日お話しさせてもらって、イベントを最高に盛り上げなきゃって気合いが入りました。僕のライブを初めて観に来るお客さんもいるだろうから「やっぱりきただにひろしはすごいな」って言ってもらえるくらいのステージをしたいし、そう思ってもらえたらうれしいですね。がんばります。

天月-あまつき- 僕、今回メインステージの3番目に出させてもらうんですけど、1組目、2組目の出演者さんが生み出した熱量をちゃんと受け継いで、ちゃんと次の出演者さんにつなげたいんですよね。僕のステージを観てもらうっていうのも大事だと思うんですけど、イベント全体の盛り上がりにちゃんと貢献して、バトンをつなぐんだっていう使命感もあるんです。

──最後にGeroさんお願いします。

Gero いつも応援してくれてる方々だけじゃなくて、僕のことを知らない人たちも来てくれるかもしれないので、当日はいろんな音楽に触れあって、もっともっと音楽を好きになってほしいです。僕らは今回の「ちゃんげろソニック」を最高のものにして、皆さんの一生の思い出にしたいと思ってます。「あのときの『ちゃんげろ』、面白かったなあ」って思い出してもらえるようなイベントにしたいんです。そのためにぜひお力を貸してください。

きただに天月-あまつき- はい!

左から天月-あまつき-、Gero、きただにひろし。
ちゃんげろソニック2017
2017年4月16日(日)
東京都 新木場STUDIO COAST
出演者GeroBAND / 天月-あまつき- / SLHfamily / オメでたい頭でなにより / 加藤純一(うんこちゃん) / きただにひろし / 恭一郎 / CLEANERO / ゲーム実況者わくわくバンド / S!N / 蛇下呂(蛇足、Gero、湯毛、that) / TEAM ニコライ(コゲ犬、ASK、湯毛、ぽこた) / CHiCO with HoneyWorks / DJ HACK / DOPEDOWN / トシゾー / 流田Project / PASSPO☆ / VALSHE / めろちん / もこう / ROOT FIVE / Q'ulle / MeseMoa. / こーすけ

Gero(ゲロ)

兵庫県生まれのボーカリスト。2009年、ニコニコ動画に投稿した「歌ってみた」動画が話題を集め、本格的な活動をスタート。多くの同人CD / DVDへの参加や、ライブ、イベントへの出演を果たしてきた。2011年には初のフルアルバム「Gourmet」をリリース。インディーズながらオリコン週間アルバムランキングで7位を獲得した。また2011年、2012年には全国ツアーを2回敢行。東京・SHIBUYA-AXや大阪・なんばHatchなどの大バコもソールドアウトさせる。2013年7月、テレビアニメ「BROTHERS CONFLICT」のオープニングテーマ「BELOVED×SURVIVAL」でメジャーデビューを果たし、同月にはメジャー1stアルバム「one」を発表した。2014年7月には「SECOND」、2015年7月には「ZERO」と順調にアルバムを制作し、2016年7月にはセルフプロデュースによるミニアルバム「Road」をリリース。2017年4月には東京・新木場STUDIO COASTにて自身が総合プロデュースを手がけるライブイベント「ちゃんげろソニック2017」を開催する。

天月-あまつき-(アマツキ)

ネットを中心に活動する男性ボーカリスト。2010年初頭より、ニコニコ動画「歌ってみた」カテゴリーにボーカロイドナンバーをカバーした楽曲の投稿を開始する。力強くもどこか少年らしさを感じさせるハイトーンのボーカルを武器に、ライブを精力的に実施。舞台への出演や声優を担当するなど活動の場を広げながら、ネットへの歌唱動画の投稿も引き続き行っている。2012年6月リリースの1stアルバム「Melodic note.」はオリコン週間インディーズアルバムチャートで1位を獲得した。2014年7月にKING RECORDSからアルバム「Hello, World!」を発表し、メジャーデビュー。2015年2月には、はしやんとのユニット・melostとしてアルバム「Melody Stock」を発表。同年6月に発表した天月-あまつき-名義でのライブDVD「Hello, World! TOUR 2015~春、君と見つける扉の向こうのお伽話~ FINAL LIVE at Zepp Tokyo」がDVDのオリコンウィークリーチャートで1位を獲得するなど注目を集める。2016年7月にはメジャー2ndアルバム「箱庭ドラマチック」を、12月には最新シングル「DiVE!!」をリリースした。2017年5月からは佐香智久のツーマンツアー「天月智久つーまんらいぶ『あまとも、二人でやるってよ。』~月と太陽編~」を開催する。

きただにひろし

1994年に3人組ユニット・Staggerの一員としてメジャーデビュー。その後、いくつかバンドやユニットでの活動を経て、OVA 「め組の大吾」のエンディング主題歌「Red Darkness」で初めてアニメ主題歌の歌唱を担当した。1999年、アニメ「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー!」を歌唱し、アニソンシンガーとしてのその名を広く知らしめることになる。その後は「仮面ライダー龍騎」「魔弾戦記リュウケンドー」「妖怪人間ベム」などさまざまな作品の主題歌を担当した。また数多くのアニソンを担当するユニット・JAM Projectの一員としても活動しており、日本だけでなく世界各国のライブイベントにも出演している。