ナタリー PowerPush - GARNET CROW

かけがえのない思い出を表現 1年ぶりフルアルバム「メモリーズ」

1年ぶりとなるニューアルバム「メモリーズ」を12月7日にリリースするGARNET CROW。アルバムには、キャリアに裏打ちされた確固たるスタイルをベースとしながら、たっぷりの遊び心、果敢なチャレンジ精神、そして音楽への深い愛情を余すことなく注ぎ込んだ全11曲が収められる。果たしてそれらは、彼らの鮮やかな進化を感じさせるものとなった。

今回ナタリーではボーカルの中村由利とギターの岡本仁志の2人にインタビューを実施。制作にまつわるエピソードを語ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき

 
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貪欲にいろんなタイプの楽曲を作りたかった

──新作「メモリーズ」は、とにかく1曲1曲がものすごく濃いアルバムだなあという印象を受けました。

岡本仁志(G) そうですね。自分たちでも濃いなあって思います。特に前作から比べると1曲1曲が際立ってるというか、つわものぞろいというか。だからすごく聴き応えがあるし、ひょっとすると1回聴くだけじゃわかりにくいところがあるかもしれない。1回聴いて「おや?」と思ったら、ぜひ何度も聴いてほしいですね。聴くうちにどんどん味が出てくると思うので。

──「Smiley Nation」や「Misty Mystery」といった既発シングルで提示されていたGARNET CROWの新たな表情も、さまざまなスタイルでたっぷりと詰め込まれていますし。

中村由利(Vo) 今年はいろんなタイプの楽曲をやってみたいなっていう思いがあって、そういうチャレンジが2枚のシングルには表れていたと思うんですね。で、それらが受け入れてもらえるっていう手応えみたいなものをすごく感じることができたので、じゃあもっともっと自分たちの気になる音やフレーズやテイストをどんどん入れてみようって思ったんです。これはGARNET CROWっぽくないからやめておこう、みたいなことは一切考えずに、やりたいものを素直に作っていったというか。貪欲にいろんなタイプの楽曲を作って、いろんなカラーのGARNET CROWをいろんな目線で見てもらいたいなっていう思いが、今回のアルバムには詰まってますね。

──活動10年を経て、バンドとしての表現方法がどんどん自由になってきているんでしょうね。

中村 最近ちょっとその気が出てきましたね(笑)。今までは、GARNET CROWはこうあるべきだからこういう曲を作らなきゃいけないとか、ちょっとコンサバティブな表現方法で固めてきたところもあったと思うんですよ。それがあったからこそいい意味でのパブリックイメージがついたし、そのイメージを幸いにも評価していただけたから、今があるわけで。ただ、次のステージに行くという意味でも、それだけではもう自分たちとして物足りなくなってきたのかなって思うんですよね。余裕が出てきて、もっと幅を広げようっていう気持ちになれた気がします。

──これまで築いてきた確固たるイメージは大事にしつつ、そこを壊すことの楽しさも知ったと。

中村 そうそう。それも楽しいんですよね。どう化けるかわかんないから。もちろんダメだったらダメでいいので、とりあえずいろんなことをやってみる価値はあるのかなって。音楽に関してはボーダーレスで、自分たちがカッコいいと思う要素をどんどん取り入れるのは、ありかなっていう。昔よりフットワークは軽くなったと思います。

曲順は一発で決まった

──今回は本当にいろんなタイプの曲が入っていますが、それが絶妙な並びで配置されているので、1枚のアルバムとしてバランス良く聴けるのもステキだなと思いました。

中村 今回は曲順を決めるとき、自分の頭の中だけでタイトルと音を思い浮かべて並べてみたんですよ。そしたら一発で決まりました。みんなも異論なし。「冴えてる、私!」と思って。

岡本 実際、曲を並べるときってホントに迷うんですよね。これとこれはやっぱり入れ替えたほうがいいかなとかキリがないし。それが今回、頭の中だけで決められたっていうのは素晴らしい!

──1曲それぞれが色濃いものになっただけに、アルバムの中での役割や位置付けが明確だったのかもしれないですね。

中村 ホントにそうだと思います。ここに置く以外ないなっていう曲が結構多くて。あんまりほかの選択肢がなかったっていうのはあると思いますね。それだけ1曲1曲のカラーと役割が大きい作品ができたのかなあと思います。

岡本 「Blue Regret」で終わる感じもいいもんね。あんまりしんみりっていう終わり方じゃないんで、そこからまた1曲目に戻って聴いていただければと思います。

遊び心満点の「ロンリーナイト」

──収録曲で特にインパクトがあったのは「ロンリーナイト」で。強力なダンスチューンですよね。

中村 これはもう「Misty Mystery」でデジタルなロックを割と受け入れてもらうことができたので、じゃあさらに踏み込んでもっとダンスナンバーにしちゃったらどうだろうっていう感じで。調子に乗ってジュリアナみたいな「フー!」っていう声も入れたりしたんですけど、さすがにそれはリーダーに却下されました(笑)。でもそれぐらい自分たちとしてもノリノリに楽しんで作ることができたんです。今風の要素を取り入れつつ、ちゃんと自分たちらしく消化できたかなって。

──とことん振り切れましたね。

中村 やるならとことんやろうっていうことで。これを聴いたら自分の部屋がクラブのフロアになるような、そんな曲になりましたよね。ミラーボールが見えるような……ってイメージが古いですかね?(笑)

──いやいや大丈夫です(笑)。あとオートチューンを使っているのも新鮮でした。

中村 メインの歌にエフェクトをかけたことが今までなかったんで、かなり珍しい曲になったと思いますね。この曲はミックスに関しても、リミックスみたいな感覚でお願いしたんですよ。歌も素材のひとつ、楽器のひとつとしてとらえて存分に遊んでくださいって。声を切り刻んでもらっても全然大丈夫ですよ、みたいな。なのでデジタルならではの良さというか、そういう面白さやパワーが出たんじゃないかなって思いますね。

岡本 この曲に関してはギターも切り刻むこと前提で録ったんですよ。スタジオだと時間がかかるので、自宅作業で弾いたトラックが入ってたりもします。その辺は臨機応変に。今回はほかの曲も、全体的に難しい曲が多かったんですよ。いつもは何も考えなくてもスルッと弾けちゃう曲がいくつかあるんですけど、今回のアルバムはそんなに簡単な曲はなかったなって、改めて振り返るとそう感じますね。

──その分、やりがいもあったでしょうし、できあがったものに対しての愛情もより深いものになるんじゃないですか?

岡本 うん。プレイバックで聴くときはすごくうれしいですよね。ただライブに向けてはまたしんどくなるんですけど(笑)。

ニューアルバム「メモリーズ」 / 2011年12月7日発売 / GIZA

  • 初回限定盤 [CD+DVD] 3500円(税込) / GZCA-5241 / Amazon.co.jp
  • Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Smiley Nation
  2. live ~When You Are Near!~
  3. JUDY
  4. Misty Mystery
  5. 一緒に暮らそう
  6. メモリーズ
  7. 静寂の concerto
  8. 創世記I
  9. ロンリーナイト
  10. 英雄
  11. Blue Regret
「メモリーズ」リリース記念スペシャルイベント
ミニライブ&ポスタープレゼント会
  • 2011年12月10日(土)
    埼玉県 イオンレイクタウンmori木の広場
    [1回目]START 13:00 / [2回目]START 16:00
    <出演者> 中村由利 / 岡本仁志
  • 2011年12月11日(日)
    大阪府 あべのキューズモール3Fスカイコート
    [1回目]START 13:00 / [2回目]START 16:00
    <出演者> 中村由利 / 岡本仁志
GARNET CROW Special Countdown Live 2011-2012
  • 2011年12月31日(土)
    大阪府 堂島リバーフォーラム
    OPEN 21:45 / START 22:30
GARNET CROW livescope 2012
~the tales of memories~
  • 2012年3月4日(日)
    大阪府 梅田芸術劇場
    OPEN 18:00 / START 18:30
  • 2012年3月17日(土)
    東京都 TOKYO DOME CITY HALL
    OPEN 18:00 / START 18:30
  • 2012年3月18日(日)
    東京都 TOKYO DOME CITY HALL
    OPEN 17:30 / START 18:00
GARNET CROW(がーねっとくろう)

中村由利(Vo, Songwriting)、AZUKI 七(Lyrics, Key)、古井弘人(Arrange, Key)、岡本仁志(G)からなる音楽クリエイター集団。2000年3月にシングル「Mysterious Eyes」「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2タイトル同時発売でデビュー。全楽曲の作曲を中村が、作詞をAZUKI 七が手がけており、ファンタジックな作風とダークな色合いを持つサウンドスケープで、独特の世界観を確立している。

デビュー直後は制作およびリリースのみに専念していたが、2002年10月に1stツアーを行い、その後活発なライブ活動を開始。2010年にはデビュー 10周年を迎え、コンプリートベストアルバム「THE BEST History of GARNET CROW at the crest...」、シングル「Over Drive」を発表。さらに12月に、バンドの新しい一面を提示する最新アルバム「parallel universe」を発売した。

2011年に入ってからも精力的なリリースが続き、6月にシングル「Smiley Nation」とDVD「GARNET CROW livescope 2009 ~夜明けのSoul~」「GARNET CROW livescope 2010+ ~welcome to the parallel universe!~」、8月にシングル「Misty Mystery」を発表。12月に約1年ぶりとなるニューアルバム「メモリーズ」を発売する。