ゴッチさんが「いつか一緒にやりたい」と言ってくれてた

──本題に入る前にお伺いしたいんですが、先日行われた小沢健二さんのコンサート「東京の街が奏でる」で、第五夜の前説ゲストを務めていましたよね。

福岡晃子　はい。ラッキーでした（笑）。

──かなり意外性もあったんですけど、あれはどういう経緯で？

福岡　小沢さんとは、前からちょっとしたつながりがあって。

──あ、そうなんだ。

福岡　そうなんですよ。小沢さんがチャットを好きだと言ってくださっているということで、共通の知人を介して紹介してもらって。私たちのライブも観に来てくれたんですよ。今回の前説も「良かったらどうですか？」とお誘いいただいたので、「私たちにできることがあればぜひやらせてください」という感じで。急なお話だったので、最初はセッションとかもやる予定はなかったんですけどね。

──「今夜はブギー・バック」をセッションしたんですよね。

福岡　そう。それも急に決まって。小沢さんはノリを大事にする人なので（笑）。

橋本絵莉子　すごく楽しかったです。特別な経験をさせてもらえたなって。

──チャットの幸福な立ち位置を象徴するようなトピックだなと思いました。ではニューシングル「きらきらひかれ」についての話に移らせてください。このシングルではアジカンの後藤さんをプロデューサーに招いていて。個人的には、新生チャットはしばらくセルフプロデュースでいくのかなと予想していたから驚きもあったんです。どういう流れで後藤さんとやることになったんですか？

福岡　前からゴッチさんが「いつかチャットと一緒に何かやりたい」と言ってくれていて。絵莉子が去年アジカンさんの曲（「All right part2」）に参加したり、その後「チャットモンチーの求愛ツアー♡」でアジカンさんと対バンすることもできて。対バンしたときにこちらからゴッチさんに「ホントに一緒にやりませんか？」とお誘いしたんです。

──2人体制になってから、どこかのタイミングでプロデューサーを立てようと思っていたんですか？

福岡　そうですね。どんどん面白いことをやっていきたいと思っていたし、みんなをビックリさせたいという思いもあったから。メンバーが減ったから、その分いろんな人にプロデュースしてもらうのもいいかなって（笑）。でも、やっぱりゴッチさんが一緒にやりたいと言ってくれていたのが大きいですね。

「きらきらひかれ」はチャット史上最速の曲

──橋本さんは「All right part2」でアジカンの曲に参加したときはどうでしたか？

橋本　「All right part2」はコーラスにお呼ばれしたという感じで、すごく緊張したんですよ。そのときはアジカンさんの現場だったので、「プロデュースしてください」みたいな話はしなかったんですけど。ゴッチさんから「チャットは普段どういう感じで曲を作ってるの？」って訊かれたのは覚えてますね。それから対バンを経て、こういう形でご一緒できて良かったなって思います。

──2人はプロデューサーとしての後藤さんに、どんなことを期待しましたか？

福岡　せっかくだから、私たちの曲にアジカンっぽいテイストが出ればいいなと思いましたね。ゴッチさんにプロデュースしてもらうことで、自分たちの気持ちに変化が起きることにも期待したし。それで、まずゴッチさんに「どんな曲をやりたいですか？」ってお訊きしたんです。そしたら「速い曲をやろうよ」って言われて。そのリクエストに応えて曲を作るという流れがまずあって。

──それでこんなに速い曲ができたという。

福岡　そう、チャット史上最速の曲ですよ（笑）。それもゴッチさんのリクエストがあってのことだから。きっかけがないと、なかなかここまで速い曲を作ることはなかったと思うので。リスナーにも「チャットとゴッチさんが一緒にやるとこうなるのか」という驚きを感じてもらえる曲になったと思います。あと、今回私が書いた歌詞は前からあったもので、それを絵莉子に渡していたんです。ゴッチさんから「速い曲を」というリクエストをもらった後に絵莉子がすぐ曲を作ってくれて。「あの歌詞に乗せてみたよ」って持ってきたんです。