劇場アニメ「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」特集|子供の頃からの歴史好きで猫がマイブーム…そしてたどり着いた「ねこねこ日本史」高見沢俊彦インタビュー

そにしけんじ原作による劇場アニメ「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」が、2月22日の“にゃんにゃんにゃんの日”に公開される。歴史上の偉人たちを擬人化ならぬ“擬猫化”した本アニメに、THE ALFEEの高見沢俊彦がハマっている……そんな噂を耳にしたコミックナタリーは、劇場アニメの公開に合わせインタビューを敢行。「ねこねこ日本史」とタカミーという組み合わせの妙を楽しんでほしい。

取材・文 / 増田桃子

作品紹介

お昼寝が大好きでちょっぴりめんどくさがりな小学生ねこ・フクは、おじいちゃんが作ったカラス型タイムマシーン・ヤッちゃんにうっかり乗ってしまい、昔の日本をタイムトラベルすることに。さらにタイムトラベルした先で坂本龍馬に出会ったフクは、各時代の「かるた」を作らないと、元の時代に帰れないことがわかって……。「かるた」を作るため、フクと龍馬はヤッちゃんに乗って時代を駆けめぐる冒険の旅に出る。

キャラクター紹介

フクくん(CV:山下大輝)
フクくん(CV:山下大輝)

寝ることが大好きな小学生ねこ。ちょっぴりめんどくさがりだが、思いやりのある優しい性格の持ち主。おじいちゃんは発明家。

坂本龍馬(CV:小林ゆう)
坂本龍馬(CV:小林ゆう)

幕末に数々の偉業をなし、歴史の影からこの国を支えたねこ。気楽でマイペースだが、人見知りせずいろんなねこと仲良くなるのが得意。

ヤッちゃん(CV:山寺宏一)
ヤッちゃん(CV:山寺宏一)

フクのおじいちゃんが作った、カラス型タイムマシン8号機。龍馬とフクがかるた作りをなまけると、鋭いツッコミをする。

インタビュー

「日本史」もそうだけど「ねこ」っていうワードにも引っ掛かった

──高見沢さんが「ねこねこ日本史」をご覧になっていると、ご自身のラジオ番組「高見沢俊彦のロックばん」(TBSラジオ)で話題にされていました。かなり意外な組み合わせで驚いたのですが、何をきっかけに本作と出会ったのでしょうか?

「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」より。

僕は歴史が好きなので、まず「日本史」って言葉に引っ掛かったんですよ。「『ねこねこ日本史』……? なんだこれ?」って。最初は軽い気持ちで観始めたんだけど、コンパクトにそれぞれの歴史エピソードがまとめられていて、これはなかなか面白いぞと。歴史的なことも間違ってないし、ざっくりしてるところもあるけど、要所要所はしっかり押さえられていて。例えば西郷隆盛のエピソードでは、西郷さんがケンカで手を怪我して刀を握れないっていう細かい設定までちゃんと描かれていて、感心しましたね。しかもキャラクターはかわいいし、猫の生態までちゃんと活かしてる。

──なるほど。何気なく観始めたらよくできているぞと。本作はEテレで平日の夕方に放送されている、いわゆる子供向けのアニメだと思うのですが、テレビ放送をご覧に?

いやサブスクリプションですね。最近テレビ番組は配信で観ることが多いです。先ほど言ったとおり、タイトルが気になって調べてみたら、(エピソードが)いっぱい出てきて。「織田信長」とか「豊臣秀吉」とか、タイトルに人物の名前が入っているのでわかりやすいし、それを自由に選べますから、つい次からへ次へと観ちゃいましたね(笑)。僕にしてみたら知っているエピソードばかりなので、この歴史の人物をどんなふうに猫が演じるのかっていうのが楽しみでした。実は僕、にわか猫ファンでして、猫カフェにも行きましたよ。だから「日本史」もそうだけど「ねこ」っていうワードにも引っ掛かったわけです。

──もともと日本史がお好きだったのに加えて、マイブームの猫要素もあったと(笑)。それはチェックしたくなりますよね。

日本史の偉人たちを猫の姿で描いて、しかも見た目だけじゃなく猫の生態まで含めて細かく再現してる。歴史上の人物を猫の特徴になぞらえて再現するってかなり難しいと思うんですよ、それも10分ぐらいの短い時間内で。これを作っている方はすごい! 尊敬しちゃいますね。

たまたま猫の動画を観ちゃったら止まらなくて(笑)

──昔から日本史がお好きなんですか?

子供の頃から世界史も含めて歴史が好きでね。父親が学校の教師だったのもあって、家には歴史に関する本がたくさんあって、生活に馴染んでいたのも大きいと思います。あとうちの家庭は子供の頃から一家団欒で大河ドラマを観る習慣があって。「赤穂浪士」や「太閤記」、「樅ノ木は残った」とかを観て育ったから、自然に歴史ものが好きになっていたんでしょうね。

──特に好きな時代はありますか。

「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」より。

やっぱり戦国時代かな。戦国時代って下剋上の時代だから、成り上がっていく姿を観るのも面白いし、すごく興味深いよね。

──そして猫がマイブームとのことですが……。

僕はどちらかというともともと犬派で。犬を飼っていたときもあったし、ずっと犬が大好きだったんですよ。あと昭和の家庭ってジュウシマツとか小鳥を飼ってる家が多くて、うちも飼っていたんだけど、あるとき猫に襲われたことがあって……(笑)。

──ああ……では猫はあまり印象がよくなかったんですね。

印象は悪かったね(笑)。決して動物は嫌いじゃないんだけど。そういうこともあって、猫は自分の中ではトライして来なかったんです。でも最近YouTubeとかでかわいい動物の動画っていっぱいあるじゃない。そこでたまたま猫の動画を観ちゃったら止まらなくて(笑)。猫のかわいい不思議な生態を見ると、猫は猫で面白いなと。インディペンデントって感じで、我が道を進む感じがいいですね。

「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」より。

──マイペースですよね。

そう、猫は決して媚びない。逆に犬は媚びまくる。まあそれがたまらなく好きなんだけど(笑)。犬とはまったく正反対なのが面白くてさ。気付いたらハマってましたね。

──そして「ねこねこ日本史」にたどり着くという。

そうそう(笑)。

“サル”の秀吉は「ねこねこ日本史」の中でもかなり異質な存在

──アニメの中で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えて下さい。

応仁の乱のエピソードは面白かったですね(第68話「なにがなんだか、応仁の乱!」)。猫たちが次の将軍を巡って戦いを始めるんだけど、猫は忘れっぽいからなんのために戦っているのか忘れちゃうっていう、猫の特徴をうまく使ってるなと。あと陰陽師の……安倍晴明の回(第66話「なんでもやる課、安倍晴明!」)。安倍晴明って狐の子と言われてるから、猫の姿だと余計に狐みたい見えて(笑)。

──特にお気に入りのキャラクターはいますか?

豊臣秀吉

(資料を見ながら)そうだね……ああ、こいつだ! サル!(笑)

──秀吉ですね(笑)。猫じゃなくて猿の姿なんですよね。

お前だけサルかよ!って、まあ秀吉はサルと呼ばれてるからね(笑)。こう見るとやっぱり際立つね、秀吉は。「ねこねこ日本史」の中でもかなり異質な存在ですから。あと卑弥呼もかわいかったよね、変な踊りを踊って。それに聖徳太子も特徴を捉えていて面白かったし、とにかく図体がでかい西郷隆盛も気に入ってますね。うん、それぞれキャラが立ってて面白い。

映画化って聞いて、いったいどの時代をやるのかなと

「ねこねこ日本史」が映画になるんでしょう? 聞いてビックリしましたよ。

──そうなんです。映画では、主人公の猫・フクちゃんが、坂本龍馬と一緒にいろんな時代にタイムスリップしていくお話です。卑弥呼の時代から江戸時代まで。

えっ! 全部やるわけ?

──はい。テレビに出てきたキャラクターもたくさん登場します。

それは面白そうだね。映画化って聞いて、いったいどの時代をやるのかなと思って不思議だったの。1つの時代や特定の偉人を取り上げて長編をやるんだとしたら大変だぞって思っていたけど、なるほど、そういうことか。タイトルの「タイムトラベルぜよ!」ってのもいいね(笑)。龍馬のエピソードも面白かったからね。

──龍馬とフクちゃんが旅をしながら友情を深めて、最後はちょっと感動するところもあります。

素晴らしいですね、それは。ぜひ観てみたいです。じゃあラジオでも宣伝しますよ、今日これから収録なので。

──ありがとうございます!