コミックナタリー Power Push - 第15回文化庁メディア芸術祭

福満しげゆきと白井弓子が包み隠さず語る 応募したら「こんないいことありました」

マンガを含む4部門で芸術作品を募り、優れた作品に賞を顕彰している文化庁メディア芸術祭。そのエントリーが今年も始まっている。一般的なマンガ賞と異なるのは、審査対象となるために応募か推薦が必要なこと。作者か関係者が主体的にアクションを起こさないと始まらないのだ。

またその対象は商業作品にとどまらず、同人作品からウェブマンガまでプロアマ不問。コミックナタリーではこの開かれた賞にひとりでも多くのエントリーを促すべく、ここに特集記事を展開する。応募にはどんなメリットがあるのか、過去に奨励賞を獲得した福満しげゆき、白井弓子のふたりに話を聞いた。

取材・撮影/唐木 元 構成/井上潤哉

全マンガ家・編集者は注目! エントリーしない理由はない

文化庁メディア芸術祭の募集部門は4つ

図

マンガ部門 応募作品の条件は……

単行本で発行されたマンガ、雑誌などに掲載されたマンガ(連載中の作品を含む)、自主制作・同人誌などで発表されたマンガ、ウェブで発表されたマンガ(PC、Mobileなどを含む)など

部門ごとに大賞選定、今年からは新人賞も

大賞(1作品) / 賞状(文部科学大臣賞) / トロフィー 副賞60万円優秀賞(4作品) / 賞状(文部科学大臣賞) / トロフィー 副賞30万円新人賞(3作品) / 賞状(文部科学大臣賞)/ トロフィー 副賞20万円功労賞 / 賞状(文部科学大臣賞) / トロフィー

作品応募受付中(9/22必着)エントリーはこちらから

文化庁メディア芸術祭

文化庁メディア芸術祭

メディア芸術の創造とその発展を目的として、1997年から開催しており、今年で15回目。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門で世界中から作品を 募り、優れた作品に文化庁メディア芸術祭大賞などを顕彰する。また、受賞作品展を来年2月に国立新美術館で開催予定。8月21日に開催されたCOMITIA97では、文化庁メディア芸術祭のブースを初出展し、作品のエントリーを受け付けるという試みも実施した。

文化庁メディア芸術祭 ドルトムント展2011

国際的な発信力の強化を目指して行われている海外展、今年度はドイツにて行われる。4部門の展示のほか、日本のポップカルチャーを伝えるライブイベントも敢行。こちらはネット中継も予定されている。

期間:

2011年9月10日(土)~10月2日(日)

出品作品(マンガ部門):

山本直樹「レッド」、よしながふみ「大奥」、あずまきよひこ「よつばと!」、山田芳裕「へうげもの」、井上雄彦「バガボンド」、岩明均「ヒストリエ」

ライブイベント開催日時:
9月9日(金)20:00~23:00(ドイツ現地時間)
出演:ももいろクローバーZ、sasakure.UK feat初音ミク/onom+kmd、宇川直宏

福満しげゆき(ふくみつしげゆき)

やまさき拓味

1976年5月11日東京都生まれ。本名は福満茂之(読み同じ)。1997年、月刊漫画ガロ(青林堂)にて「娘味」でデビュー。別冊ヤングマガジン(講談社)などに掲載された短編を経て、2002年よりアックス(青林工藝舎)にて連載された「僕の小規模な失敗」でブレイク。投稿時代のエピソードを細やかに描いた同作は、自伝的内容でコアなファンを獲得した。2006年より週刊モーニング(講談社)で続編にあたる「僕の小規模な生活」、2007年には漫画アクション(双葉社)にて「うちの妻ってどうでしょう?」の連載を開始。過去の短編をまとめた単行本も発売された。2010年、「うちの妻ってどうでしょう?」で文化庁メディア芸術祭奨励賞を受賞。

白井弓子(しらいゆみこ)

白井弓子

1967年生まれ。愛媛県出身、大阪府在住。京都市立芸大油画専攻。児童文学の挿絵や4コママンガを制作する。同人誌で発表していた「天顕祭」が第11回文化庁メディア芸術祭の奨励賞を受賞し、2008年にサンクチュアリ出版から単行本化された。2011年には月刊IKKI(小学館)にて連載していた「WOMBS」2巻が刊行され、以降の物語は単行本描きおろしにて発表を予定している。