バラエティ「語りつくせ!課長 島耕作祭(フェスティバル)」が10月18日にTELASA(テラサ)/Pontaパスで配信され、ペナルティ・ヒデ、チュートリアル・福田、中尾明慶が出演している。この番組は、弘兼憲史原作のマンガ『課長 島耕作』(講談社)を原作とした、中尾明慶主演のスマホ特化型実写ショートドラマ「課長 島耕作のつぶやき」の無料配信にあわせて制作されたもの。「島耕作大好き芸人」として知られるヒデと福田が中尾明慶を交えて作品の名シーンを振り返るほか、作品にまつわるクイズに挑戦している。番組収録後にお笑いナタリーがヒデと福田にインタビューを実施。番組の見どころや島耕作愛を語ってもらった。
取材・文 / 成田邦洋撮影 / 小坂茂雄
自分の人生に照らし合わせつつ、憧れを抱いて読む
──まずは番組収録のご感想をお聞かせください。
ペナルティ・ヒデ 単純に楽しかったです。懐かしさもありました。僕が50代、福ちゃんが40代、中尾くんが30代で、それぞれ世代が違うのに1つのものに夢中になれる。さらに若い方たちにも楽しんでもらえると思います。島耕作の生き方を参考にして普段の生活をがんばってほしいです。自分自身、改めて島耕作に影響されているなと思いました。
チュートリアル福田 自分の好きな作品の好きなシーンをしゃべり、皆さんのオススメするシーンを聞いて「あー、ここがよかった! 懐かしい!」という番組です。島耕作を読んでいた世代の人も懐かしくて楽しいですし、知らん世代も「え? どういうこと?」と思うでしょうし。今とはまったく違うので「こんな時代があったのか」と驚くと思います。
──現在も続く人気の島耕作シリーズですが、今回は『課長 島耕作』に絞って話を聞かせていただければと思います。作品との出会いを教えていただけますか?
ヒデ 僕は理髪店や中華料理店ですね。連載をしている雑誌の「モーニング」(講談社)で読み始めました。ドキドキするコマもあって、子供ながらに何か感じるものがあったのか。理髪店も髪を切る目的ではなく、島耕作を読む目的で行っていました。そこから徐々にコミックスを中学生くらいの頃から読んで、今では全巻揃えていますよ。
福田 中学くらいのとき、同じ弘兼憲史先生の『ハロー張りネズミ』を読んで島耕作に入ったんちゃうかな。『ハロー張りネズミ』は探偵の話で、「同じ作者の方がサラリーマンのマンガを描き出した」となり、たしか兄貴がコミックスを買ってきて読み出したと記憶しています。1話完結で読みやすくて「面白い面白い!」という感じでハマりました。
──島耕作シリーズの魅力とはなんでしょうか?
ヒデ リアルさとサクセスストーリーですかね。日常の世界で現実に起きていること、社会情勢、人が生きていく上での人間関係がリアルに描かれている。さらに島耕作が出世していくのを自分の人生に照らし合わせつつ、憧れを抱いて読む。そこですかね。
福田 もちろんフィクションなんですけど、島耕作のような人生を送る可能性はゼロではない。たとえば現実には「手からビームが出る」なんてマンガみたいなことはないけど(笑)、島耕作にはリアリティがある。もちろん「こんなことないよ」とわかってはいるんですけど、あるかもしれない、とギリギリと思えるようなところ。基本は成功するんですけど、失敗するときもある。人生を学べるところですね。
ヒデも島耕作ドラマに出演
──島耕作から具体的に学んだことはありますか?
ヒデ 自分が子供に言えることは「努力や人のためにやってきたことはちゃんと自分に返ってくる」ということです。いい意味でのブーメラン。島耕作には運もあるんでしょうけど、人となりがあって、最終的に誰かに支えられて今があるんだな、ということは強く感じます。自分自身もああいう人間になれるようにしなきゃな、とも思います。
福田 島耕作には嫌な人も出てくるんですけど、もちろんマンガなので天罰を食らうんです。嫌な人にならないように、というのは学んでいます。
──普段、島耕作の話を共有できる間柄の方はいますか?
ヒデ なかなかいないですね。福ちゃんは昔から知っていますけど、こういう企画があったからこそ「そうだよね。よく読んでいたよね」という話ができました。
福田 みんな読んでいましたからね。またこの機会に改めて、中尾くんのドラマを観てもらって「懐かしい。あったあった」となってコミックスを読み返してもいいですね。
──原作を読むのはもちろん、なにか島耕作の意外な楽しみ方はありますか?
ヒデ 島耕作の等身大フィギュアが発売されたら買います(笑)。あと、名言がいっぱいあるから日めくりカレンダーやボイス付きスタンプがあれば欲しいですね。中尾くんには「島耕作・ザ・ムービー」もやってほしいです。人物の相関図を見たらそれぞれにドラマがあるから、スピンオフ作品は絶対にウケると思います。
──今回のドラマ「課長 島耕作のつぶやき」にはヒデさんも出演されるとお聞きしました。
ヒデ 出ます。申し訳ないです(笑)。
福田 どこで撮影したんですか?
ヒデ 東京・笹塚のスナックさんをお借りしました。顔のこわばり具合を観ていただけたら「絶対あがってんなコイツ」と思われるかと(笑)。ただ、僕から始まるシーンなので「やっぱりヒデじゃなきゃ!」と感じていただきたいです。
本当の幸せってなんなんだ?
──ほかに島耕作をマニアックな視点から語るとすれば、どんなことがありますか?
ヒデ 決して島耕作は勝者じゃなくて、ダメなところがあったりとか、夢破れるところがあるから面白いなと思います。そこで人間味を感じて「俺と一緒なんだ。でも、そこからどうやって上がってきたんだろう」というヒントがある。パーフェクトにモテるだけじゃない島耕作も楽しめるなと思います。
福田 「島耕作は男性の憧れ」みたいな、ほんまにモテて仕事をバリバリして部下から信頼されている側面ばっかりを見がちなんですけど、この人、浮気もしているし家庭が崩壊しているんですよ(笑)。昔やったら「うらやましいな」って思っていたけど、今家庭を持った身からすると、果たしてこの人は本当に幸せなのかと。「本当の幸せってなんなんだ?」と考えさせられます。
ヒデ 深いですよ!
──読者側が変化することで島耕作のイメージも変わっていくんですね。最後にお笑いナタリー読者に「語りつくせ!課長 島耕作祭」の見どころを教えてください。
ヒデ 昔から島耕作を読んでいる人には、懐かしさもあるだろうし、新たな発見があると思います。若い人にとっても「本当にこういう時代があった」と感じられるでしょうし、「今だからこそ、こういう考え方って大事だよね」と思うこともあるので、ぜひ観ていただきたいです。
福田 我々が好きな島耕作のことを語りましたけど、じゃあこの語っていたシーンは実際にドラマで観たらどうなっているんだろう?という楽しみ方もできます。けっこうポイントになるシーンを紹介したので、このバラエティで予習してもらってから、中尾明慶くんのドラマを観ると、より観やすいと思います。
TELASA(テラサ)
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プロフィール
ヒデ
1971年生まれ、千葉県出身。1994年にワッキーとペナルティを結成。吉本興業所属。
福田充徳(フクダミツノリ)
1975年生まれ、京都府出身。1998年に徳井義実とチュートリアルを結成。吉本興業所属。