バッドボーイズ佐田が振り返る「戦闘車」|大転倒で「死んだと思った!」芸人冥利に尽きるハチャメチャな番組

“暴君”浜田が一番の悪人

──佐田さんがこうして無事だったこともそうなんですが、やっぱりタレントだから何か“持ってる”んだろうなと思う場面が多々ありました。せいじさんも数々の奇跡的なシーンを生み出していましたね。

あの人もネジが1個ぶっ飛んでるので。今も小6なんですよ。好奇心旺盛だからなんでも楽しんでやる人。ずっと笑ってましたからね。「こんな仕事だったら毎日でもええわ!」って。さすがに「いやいや、毎日はしんどいですって」とは言いました(笑)。終始ノリノリでしたよ。

──“暴君”として軍を率いていた浜田さんの様子はどうでしたか?

浜田軍を率いる浜田雅功。

皆さんが観ている通りの浜田さんです。あの人は人がケガするとか、「嫌だー!」とか言っているさまを見ることが大好き。みんなが「かわいそう」って思うようなことをケタケタ笑ってる人なんです。だから、一番の悪人ですね。自分の手は傷めず、下の人間が「痛い」って言うのをキャッキャ笑ってて。画面に映っている通りの人ですよ。岩橋のドッキリとか、もう大好きだと思います。

──共演者の方も収録を楽しんでいたということですが、敵陣のFUJIWARA藤本さんは終始怖気づいているようでした。

藤本さんはビビリ! 弱い犬ほどよく吠えるっていう通り、おっきな声出してるだけですから。あと、めちゃくちゃ気にしいですしね。僕がクラッシュしたあと、藤本さんとぶつかって大げさに「痛い!」と言ったら「すまん……」ってずっと気にしてました(笑)。

──優しい方なんですね。芸人だけでなく、俳優の小沢仁志さん、原田龍二さんも参加されていました。2人の戦いぶりはいかがでしたか?

バッドボーイズ佐田

小沢さんはもうご覧の通りの暴走っぷりです(笑)。芸人が全体のバランスを取っているから、小沢さんのあの自由さが引き立ってますよね。意外に原田さんがぶっ飛んでるっていうのは発見でした。やっぱり俳優さんってどこかおかしいというか、芸人にはないスイッチを持ってますね。全員が芸人じゃなかったからより面白いことが起こっていると思います。

──渚さん、南明奈さんによる女性同士のバトルもありました。

アッキーナ、素敵だと思いました。遠慮しないであそこまでやれるっていうのはすごい。普通、イメージもあるからああいう意地悪な役割ってちょっと嫌じゃないですか。でも遠慮せずやるから渚も挑発に乗って本気になれたんです。

──佐田さんが一番興奮したシーンはどこですか?

最後の「相撲DEATH」は感動しました。結果は観ていただきたいんですが、一致団結して作戦を立てて、「いけー!」ってみんなで応援して盛り上がりましたね。

「こんなふうにならなくてよかった!」って思われる芸人でいたい

──「戦闘車」は企画自体が壮大ですし、大掛かりな演出ばかりでした。最近では地上波のバラエティ番組とAmazonプライム・ビデオのようなネット配信されるバラエティ作品が比較して語られることも多くなってきましたが、佐田さんは出演する側としてどうお考えですか?

「戦闘車」より、試合会場。

僕は脚本にないもの、何が起こるかわからないっていうドキュメントが一番面白いと思っていて。それが子供の頃にワクワクしながら観ていたものなんですよね。だから「戦闘車」とか「ドキュメンタル」とか、台本のない、誰も予想できないものを作ってくれるAmazonさんはすごいなと思います。それに参加させてもらえるのは芸人冥利に尽きるというか。やっぱり、芸人ってやりたいことがいっぱいあるんですよ。でもこのご時世「クレームがくるだろうから無理」っていう一言で面白い企画がなかなか通らない。

──窮屈に思うような場面もあるんですね。

それをAmazonさんは快く受け入れてくれるからありがたいです。僕らも出演していて、単純にめちゃくちゃ楽しいですしね。浜田さん、松本さんがこうやってAmazonプライム・ビデオでやってくれてるから、やっぱりダウンタウンさんはすごいなと思います。テレビでも新しいことをやってきて、今度は配信番組でも僕らを引っ張ってくれてるというか。

──規制やクレームを考えなくてよいとして、佐田さんはどんなことをやりたいですか?

今のテレビはいじめられっ子が面白くフィーチャーされてますよね。「イケてなかった」とか「ポンコツ」とか。でも「戦闘車」に出てる人たちって、どっちかというといじめっ子側。人を蹴飛ばしてケタケタケターって笑っているようなタイプ(笑)。僕も「風雲!たけし城」のビートたけしさんや、とんねるずさん、ダウンタウンさんがめちゃくちゃやっているのが好きで芸人になったんですよ。なんでかわかんないですけど、「痛い」「熱い」って笑っちゃいません? 僕だけじゃなく、男の子ってそういうのが好きでテレビを観ていたと思うんです。だから演者としても視聴者としても、男の子が喜ぶようなドキドキ、ハラハラするものを期待しています。

──めちゃくちゃやれるような番組がやりたい。

そうですね。「この芸人さん頭いいな」とか「この人みたいになりたい」じゃなく、「こんなふうにならなくてよかった!」って思われる芸人でいたいですね。「しんどいで、こいつら!」みたいな。

バッドボーイズ佐田

──「戦闘車」がもしシーズン2以降も続いていくとしたらまた参加したいと思いますか?

「自分の車だったら絶対出ん!」って言います(笑)。僕の愛車(日産 ローレル 2000SGX 通称「ブタケツローレル」)はめちゃくちゃ貴重な車なので!

──あはははは(笑)。今作ではなんとか無傷で返ってきましたもんね。ちなみにこの番組に向いている方ってどんな方ですか? 例えば芸人だと。

宮川大輔さんです。

──やっぱりどこかぶっ飛んでいる?

ぶっ飛んでるに決まってるじゃないですか! 先日大輔さんの誕生日会があって、2次会でカラオケに行ったんですけど、歌なんか歌わず胸チョップ対決を延々とさせられたんです。お互い上半身脱いで、パーン!って叩いて、ギブアップするまで勝負、みたいな。おかしいでしょ? あと(雨上がり決死隊)宮迫さんとか、あのへんの世代の方が暴れまわってるのも観たい。負けず嫌いの(品川庄司)品川さんも参加したら面白いと思います。ヤバイ芸人なんかいっぱいいますから、「戦闘車」まだまだ続けられますよ。

Amazonオリジナル作品「戦闘車」
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佐田正樹(サタマサキ)
佐田正樹
1978年9月13日生まれ、福岡県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。高校卒業後、同級生だった清人と1997年4月にバッドボーイズを結成した。福岡吉本でデビューし、2002年より東京に拠点を移して活動している。いじめられっ子だった佐田が暴走族の総長に上り詰めるまでを描いた実話小説・コミックス「デメキン」が実写映画化され、12月2日(土)より東京・シネマート新宿ほかで全国公開される。
「デメキン」
2017年12月2日(土)より全国ロードショー
「デメキン」

スタッフ / キャスト

原作:佐田正樹「デメキン」(ワニブックス) / 佐田正樹・ゆうはじめ「デメキン」(秋田書店「ヤングチャンピオン」連載)

監督:山口義高

出演:健太郎 / 山田裕貴 / 栁俊太郎 / 今田美桜 / 髙橋里恩 / 田中偉登 / 福山翔大 / 三村和敬 / 藤木修 / 岩永ジョーイ / 神永圭佑 / 成田瑛基 / 笠松将 / 黒石高大 / 野性爆弾くっきー / 水玉れっぷう隊・ケン / 坂田聡